肩書き、うーん、なんだろう‥‥。
あんまり「カリ~番長」とか思ったことはなくて、
ぼくにとっての水野さんって、
もうそのまま「水野さん」なんです。
スッとした青年で、会った感じは
カレー感が漂ってないじゃないですか。
昔は妻夫木君に似てたんだけど。
あ、いや、今もかっこいいけど(笑)。
だけど、見た目にカレーの感じはないのに、
話すことはほとんどカレーで、
やってることはカレーばっかり。
カレーについて誰よりも知ってたいし、
わかっていたいという気持ちはいつも感じます。
ぼくはおいしいカレーに出会うと、
なぜだか水野さんの顔が思い浮かぶことがあるんですよね。
おいしいカレーというものが、ぼくのあたまのなかで、
水野さんという単語に
翻訳されてしまう瞬間があるわけです。
そんなときは、ちょっと悔しい。
せっかく、おいしいカレーを食べているのに、
水野さんのことを考えてしまった自分に、
あぁ、もうっ、てなる(笑)。
もしかしたら、ぼくにとってのおいしいカレーと、
水野さんが同じ意味合いを持ってるのかも。
それはやっぱり、悔しい(笑)。
でも、何なんだろう。
あんな人いないですよね
どの業界でも、評論とか研究とか、
マニアックにやってる人はいても、
あんなにメジャーにやってるとなると、
いないですよね
‥‥だからやっぱり、
水野さんは「水野さん」でしかないかなあ。
ぼく自身の個人的な思いを言うと、
将来的に、水野さんのカレーの本は
作ってみたいですね。
ただ『dancyu』という雑誌で
これから水野さんとやってみたいことというと、
簡単には答えられないです。
水野さんが生き生きする企画ならいいですけど、
ぼくらが新しい企画だと思うものでも、
水野さんは10年ぐらい前に考えてたりします。
だから『dancyu』では、
水野さんには意外とスタンダードなものを
やってもらうことが多いですね。
それでも、いつか水野さんが
「おっ」と言うようなものは、
考えたいと思ってますけど。
「何それ!」とか「やったことない、知らない」とか、
言わせてみたいです。
あんなにずっとカレーについて
一所懸命考えてる人に、
無理じゃないかとも思うけど(笑)。
でも、いつか、ギャフンと言わせるカレー企画を考えて、
また水野さんにぶつけたいと思います。
だけど、またこっちが
ギャフンと言わせられちゃうかな。
「え? そんなんもう、
何年も前に考えてますよ、江部さん」
とかって(笑)。