●ガキの頃は、悪いことしてました。
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糸井 |
自分も含め、
昔のガキは悪いことしてましたねー。
一番悪いことをしたと思うのはトンボ。
捕まえてお腹をちぎって、
小枝をちょっと刺すの。
そうすると、後ろが重いから、
飛べば飛ぶほど上空に行っちゃうの。 |
海野 |
そう、かわいそうなことをやったよね。
チョウを捕まえてお腹をちぎる。
そうすると、まっすぐに上がっていく。
まっすぐにしか上がれないんですよ、
バランスがとれなくて。
で、そのまま落ちてくるの。 |
糸井 |
ロケットみたいですよね。
ほんっと悪いことしてますよねー。 |
海野 |
うん、ほんとに悪いことした。
でも子どもの頃はね、
そういうことしたら死ぬっていうのがわかるから、
そのあとそういうことをやらなくなったね。
しかも、そんなに何度もやってないんだよ。
1回か2回だけなんだけど、
記憶にすごく残っちゃう、鮮明に残ってる。 |
糸井 |
釣りをする時に、ミミズを針に刺すっていうのも、
ミミズには残酷なことをしているわけですよね。
でも、トンボとかチョウとか、
人気もあって良いイメージのあるものには、
あんまり危害を加えないっていうか。
そういうのは子どもは分けないからね。 |
海野 |
そう、子どもはその感覚がない。
そんな時にね、子どもに無理矢理、
こういうことしちゃいけないと教育すると、
まずいんじゃないかなと僕は思うんです。
そういうことをしろって、
勧めているわけでは決してないけど、
気持ちとしては、自分で自然に
わかるようになればいいと思ってます。 |
糸井 |
だって、ゴキブリにはね、
何したっていいみたいなことにも、
なっていますよね。 |
海野 |
そうそう、ゴキブリだって同じ虫だよ。 |
糸井 |
ゴキブリだって人間だ!(笑) |
ほぼ日 |
違います、違います(笑) |
海野 |
ゴキブリだって殺されたくないと思うよ。 |
糸井 |
害虫、益虫っていう判断が妙なもんですよね。 |
海野 |
ただね、
なんていっても人間の社会なんだから、
やっぱり人間に害を与えたら、
殺してもやむを得ないことも
あると思うんです。
何で害虫が悪いのか?
自分も悪いんじゃないか?
ということを、認識していればいいんですよね。
反省なしに、害虫がいたら殺虫剤かけりゃいい、
というのがいかんので。
家庭菜園で虫が出ないように、
予防的に殺虫剤撒いたりするのは、
僕は反対なんです。
虫を見つけたら、手で潰す、足で踏みつける。
自分で殺すということで、殺す痛みがわかるし、
自分も踏まれたら死ぬんだな、って思うでしょ。
この感覚が大事だと思うんです。
虫の姿を見ないで殺すのは、
何が良いか悪いか、
殺したことも気付かないなら、
あとで何もわからないと僕は思うんだよね。
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●人間が気持ち悪いと感じる虫
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糸井 |
この「虫博士たち。」の連載をしていると、
虫の写真を見て、社内でも、
気持ち悪いって、
ワーキャー言ってる声が聞こえるんですが、
あれは、気持ち悪いっていうジャンルが
やっぱりあるんですかね? |
ほぼ日 |
確かに、気持ち悪がられながら、騒がれています。 |
海野 |
だって、気持ち悪い虫っているもん。
虫自体が、気持ち悪く見せているのが、
いっぱいいるからね。
気持ち悪いですよ、そりゃ。 |
ほぼ日 |
まさか、海野さんからそんな言葉が(笑)。 |
糸井 |
ある意味で大人気ですよ、ホラーとして(笑)。 |
海野 |
つまり、人間が気持ち悪いと感じる虫はいますね。 |
糸井 |
あはははは、そっか。 |
海野 |
例えば、アオムシなんだけど、ヌルッとしてて、
ヌメッとしてたらなんか気持ち悪いでしょ?
なんだかよくわからないじゃない?
つまり、なんだかよくわからないものが、
人間は怖いんですよね。
それとあとは、大昔の記憶かなにか知らないけど、
そういう気持ちの悪いジャンルっていうのがある。
でも最近さ、
怖いジャンルってのは
変わってきているみたいだね。
ハチってさ、怖いでしょ?
でもこの頃、わりと若いお母さんで、
ハチを怖がらない人が多いんですよ。
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糸井 |
それは、アニメの「みつばちマーヤの冒険」の
せいじゃないかな? |
海野 |
そうなんです。
そういうテレビを見て育ったんですね。
だからハチはかわいいと思うようなんです。
だから、
「ハチをもっと出してください」なんて、
私のところにメールが来たりします。 |
糸井 |
ハチは戯画化されてますからね。 |
海野 |
それでいったん怖くないとなると、
平気でハチを触るんです。
知識として刺されるとは知っていても、
腫れて治ることも知っているから、
刺されても懲りない。 |
糸井 |
クマのぬいぐるみをかわいいと思っている人は、
クマに会ってもかわいいと思っちゃうのかな?
プーさんだ! なんて言って(笑)。 |
海野 |
そうそう(笑)、
子グマだったらかわいいからね、
その後ろに親グマがいるんですよ、怖いよね。
クマはやめたほうがいいね。
ハチもスズメバチはやめたほうがいいよ、死ぬから。 |
糸井 |
うん、それはやめたほうがいい(笑)。 |
海野 |
スズメバチに、
2回目に刺されて重症にならなければ、
あとは何回刺されても大丈夫なんですが、
刺されないように
気をつけるにこしたことはないからね。 |
糸井 |
ほかに社内で、1番ワーキャー言われた
気持ち悪い虫ってなんだったの? |
ほぼ日 |
寄生虫‥‥ですが、寄生虫以外ですよね? |
糸井 |
カマキリを水辺に誘導する、
ハリガネムシは大人気だったよね。
あ、これも寄生虫か‥‥。 |
海野 |
つまり、脚がないか脚が多いっていうのが、
気持ち悪いもののひとつになる。
これは人間の知識がそうしているのかどうか、
虫の6本脚ってバランスがとれているんですよね。
これが、10本脚になると多いと感じる。
でも短い脚が、2本だったりすると、
これもまた気持ち悪い。
人間の手足が4本だから、
4本だったら気持ち悪くないのかな? |
糸井 |
でもカニだって、
脚いっぱいあるのにみんな好きですよね。
カニの写真見て、よだれ垂らしてるもんね。
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海野 |
おいしそうに見えるよね、カニだったら。
でもあれだって虫と一緒だよ、よく見たら。
僕たちは、サソリとカニ出されたら、
間違いなくカニを食べるよね。
でもサソリしか食べたことない人に見せたら、
サソリを食べるよね、きっと。
そのくらいの違いかなあと思うんだけど。 |
ほぼ日 |
そうですね。
イモムシも玩具やぬいぐるみになっているものは、
かわいいという方が多いです。
キアゲハの幼虫も人気があるみたいです。 |
海野 |
うん、キアゲハは触り心地がいいよ。
冷たくてすべすべしてて手触りがいいんですね、
キアゲハとか、アゲハの幼虫は。
でも本当は気持ち悪いよなあ。 |
糸井 |
ハリガネムシ以外で、
ワーキャー言われたのはあるの? |
ほぼ日 |
あ、そういえば、カマドウマも
怖がられていましたね。 |
糸井 |
俺、小さい頃、
カマドウマをコオロギだと思って、
かわいがってたよ。
でも、あんまりにも跳ねるんで、
かわいくなくなってきた。
虫が跳ねるっていう話で思い出したけど、
ロスで「ジャンピングビーンズ」っていうのを
買ったら、プラスチックの豆が跳ねるんだよ。
これはおもしろい!
と思ってたくさん買ってきたら、
実は中が、虫だったんだよね。
中にいるウジ虫みたいな虫が動くから、
ジャンプしているんじゃなくて、
実際は転がってるんだけど、
ガチャガチャガチャガチャ夜中いうんだよ。
ちょっとしたら音が止まったから、
死んじゃったんだと思うけどね。 |
ほぼ日 |
あと、騒がれたのは、
アオムシコマユバチ、アシダカグモ‥‥
などですかね。
やっぱり寄生系とか卵系ですね、
気持ち悪がられるのは。 |
海野 |
アシダカグモは、
部屋に放しとくとゴキブリを食べるからいいよ。
クモの巣も張らないし。
ゴキブリ以外も食べるけど、
ゴキブリが大好きなんだよ。
隙間のある家にはぜひ、アシダカグモを(笑)。
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