「minna」の角田真祐子さんインタビュー(ほぼ日のアースボール) 「minna」の角田真祐子さんインタビュー(ほぼ日のアースボール)
2020年に新しくなった
「ほぼ日のアースボール」は、
まるで宇宙から見た地球そのものです。
専用のARアプリを使えば、
宇宙遊泳している気分で
「今の地球」を見ることだってできます。
そんな「ほぼ日のアースボール」から、
つくって、かぶって、宇宙飛行士になりきれる、
子ども用工作キットシリーズが登場しました。

このアイテムを考えてくださったのは、
「minna(ミンナ)」の角田真祐子さん。
どういう想いで発想されたものなのか。
彼女のご自宅兼事務所におじゃまして、
ほぼ日との出会いから制作秘話まで、
いろいろなお話をうかがってきました。
第2回 クオリティより愛情とスピード重視。
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──
こういうダンボール工作って、
まずは何からはじめるんですか?
角田
うーん、とくに何も用意はせずに、
いきなりダンボールを切ってつくります。
──
図面は描かないんですか?
角田
描かないですね。
いきなりカッターで切っちゃいます。
頭の中で子どもがほしがりそうなものを
なんとなくイメージして、
あとはいきおいでザザザッて。
──
それでできちゃう?
角田
できちゃいますね。
パパパッと、ほとんど即興です。
子どもは待てる時間に限界があるから、
私はクオリティよりもスピードのほうが
大事かなと思ってるんです。
──
あー、たしかに。
小さい子は待ってくれないですもんね。
角田
子どもを横で待たせたまま、
じっくり何時間もかけてつくるのって、
私はちょっとちがう気がするんです。
いっしょにたのしく待てる時間で、
パパパッとつくるほうが大事かなって。
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──
このカメラだと、
どれくらいでつくれちゃうんですか?
角田
これだったら30分くらいですね。
それ以上になっちゃうと、
子どもの興味がもたないと思うので。
──
30分で、シャッターまで付けて。
角田
スピードは優先しますけど、
ポイントはちゃんと抑えたいんです。
カメラのシャッターも、
最初は子どもが理解できなくても、
あとで「なんで押せるんだろう?」って
興味を持つようになると思うです。
そのとき中が見られたほうが、
子どももよろこぶだろうなって。
「となると本体は開閉式にするか」とか。
そうやって考えながら組み立てていくんです。
──
それを図面なしでつくれるのがすごいです。
角田
というか、じつは数学が苦手で、
図面を描くのが面倒っていう(笑)。
空間や立体で考えるのは得意なんですけど。
──
レンズはペットボトルですか?
角田
そうです、そうです。
ちょっと一眼レフっぽくしたくて、
ガムテープの芯と
ペットボトルの底を使ってます。
私たちが仕事で一眼レフを使ってるので、
それっぽいほうがよろこぶかなって。
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──
たしかに、一眼レフっぽい(笑)。
角田
私たちがよく使う道具シリーズだと、
このメジャーもそうですね。
本物のメジャーは戻るときが危ないので、
子どもにはこれをわたしてました。
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──
これ、ちょっとテープが戻りますね。
角田
そうそう、不思議ですよね。
中のテープにクセが付いているので、
出したあとにちょっとだけ戻るんです。
──
へぇーー、おもしろい。
角田
テープの長さもそんなにいらないので、
当時の息子が数えられる数字より、
ちょっと多いくらいでいいかなって。
これをつくったとき、
息子はまだ2歳とかでしたけど、
これで空の長さを測ろうとするんです。
大人だと「そんなの測るの?」って思いますけど、
そういう発想が刺激になるんですよね。
「あ、なるほど、空を測るっていいな」とか。
──
たしかに、大人にはない発想ですよね。
角田
他にもいろんな工作があるんですけど、
これは配送スタッフの方が使ってる端末。
──
バーコードを読み取ったりするときの。
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角田
ピッピッピッてボタンを押すと、
レシートがビーッて出てくるやつですね。
1日に宅急便が何度も届くから、
それに興味をもってたときにつくりました。
──
子どもってこういうの好きですもんね。
角田
これ、つくりもすごくかんたんなんです。
毎日のようにあそぶものなので、
当然よく壊れるんですけど、
壊れたときは壊れたときで、
直しながらつくり方を説明したり、
どういう仕組みなのかを教えたりしてます。
──
もともとがダンボールだから、
手軽に直せるところもいいですね。
角田
子どもも遠慮なくあそべますしね。
「壊さないように大事に使おうね」と
「壊れたらいっしょに直そうね」と、
両方をセットで教えるようにしてますね。
──
ダンボールとはいえ、
けっこう強度はありますよね。
角田
使うのが小さい子どもなので、
強度はけっこう気にしてます。
2歳の娘はけっこう派手に使うタイプなので、
彼女のおもちゃはかなり頑丈。
このマイクなんか、過去最高強度(笑)。
写真
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──
マイクの中に入っているのは?
角田
「どんぐり」です。
公園に行ったときにひろったどんぐり。
外はガチャガチャのカプセルで、
トイレットペーパーの芯。
マイクをふると楽器にもなります。
──
おぉーっ。
角田
娘は歌とダンスが好きなので、
マラカスみたいに音が鳴ったら、
きっとよろこぶだろうなと。
──
歌いながらリズムもとれますね。
角田
これは強度もすごいんで、
どんなに激しい振りでもへっちゃらです(笑)。
(つづきます)
2023-12-19-TUE
ほぼ日のアースボール

工作キットシリーズ01

宇宙飛行士
3,080円(税込・配送手数料別)
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「ほぼ日のアースボール」と相性ばっちりの
ダンボール工作キットです。
のりもハサミも使わないので、
小さなお子さまでもつくることができます。
「生活のたのしみ展2023」での先行販売を経て、
ついに「ほぼ日ストア」に登場です。
つくって、かぶって、宇宙飛行士気分で、
地球の「いま」をのぞいてみませんか?