Lesson1012
「ほどほどに」ができなかった、あの頃の私へ
2021-07-28
「ほどほど」
でやめることができなくて、大失敗、
なんてことはないだろうか?
私の場合は、「お酒」だった。
飲み過ぎた翌朝、体調のまずさ、罪悪感、
とともに襲ってくる後悔、
「ああ、あんなこと言っちゃったよぉ‥‥。」
人生踏み外す3大要素を聞いたことがある。
いまの時代「SNS」を加えて4要素かもしれないが、
「酒、金、色恋」
たしかに酒は、
気が大きくなって自慢をしてしまったり、
言い過ぎて人から人間性を疑われてしまったり、
人間関係にまで支障を及ぼすから恐ろしい。
けど、私の場合、1滴も飲まない日が多いからこそ、
いざ飲む日となったら、とことん飲んでしまう。
「ほどほど」なんて、できる気さえしなかった。
そんな私が、「ほどほどに」できるようになった。
我慢もせず、努力もせず、いま、
「お酒は適量」がずっと続いている。自分でもびっくりだ。
「どうやってできるようになったのか?」
あれはちょうど、ここに、コラム
「“楽しい”をレッスンしてこなかった自分へ」
を書いたころだった。
「オンライン飲み」を、故郷の家族としていて、
ふと、思ったのだ、
「お酒も、楽しいを目指して飲んだらどうかな?」
と。私はコラムにこう書いていた。
………………
「楽しい」は偉大だ。
運動が苦痛で続かなかった私が、
「楽しい」を目標にしたら、
1日も欠かさず運動し続けられるようになった。
いきなり楽しいになったわけではない。
「痩せるため」とか、
「こんなやり方じゃ効果がない」とか、
効果・効率主義を、いったん捨てる。
そして、ラジオのチューニングを合わせるように、
ひたすら「楽しい」に向け自分のアンテナを伸ばし、
運動内容や量、音楽などを、日々コツコツと、
試行錯誤で調節していく。
そうしてやっと「楽しい」が身についた!
運動で目覚めた
「楽しいを希求する本能」みたいなものが、
いま確実に、生活に革命を起こしている。
………………
それで、私は、運動で身につけたこの感覚を、
お酒に応用したらどうなるかな、と思いついた。
「よし、いま持ってるこのビール、
“楽しい”を目指して飲んでみよう!」
すぐには楽しくならないよと自分に言い聞かせつつ、
「どんなタイミングで飲んだら楽しいかな?」
「あ、いまのひと口、美味しかった、楽しかった」
というふうに“楽しい”に感覚を研ぎ澄ませながら飲んだ。
すると、ことり、と、2缶で止まった。
以来オンライン飲みがあるたび、
必ず2缶で、ことり、と止まり、
「酒は適量」が、ずっとキープできている。
しかし、ふと疑問に思う。
「楽しいでなかったんなら、じゃあ人生これまで、
何を目指してお酒を飲んでいたんだろう?」
きっと、その場に対して「体をはる」みたいな
ことだったのかな、私の場合。
たくさん飲んだら飲んだぶん、その場にいる人に、
忠誠をつくしている証(あかし)みたいな。
育ってきた時代もあると思う。
「ほどほど」は、我慢して、自制して、たどり着くものと、
ずっと思い込んでいた。けど今は違う。
「いま自分は、楽しいか?」
心の声、体の声に耳を澄ませ、NOなら、
やり方や内容、量など何かを、
少しずつ少しずつ変え、試行錯誤で調節していき、
やがて、「あ、いま楽しい」と思う、
「ほどほど」は、そこにある
と私は思う。
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ありがとうございます!
▲『おかんの昼ごはん』河出書房新社
「親の老い」への哀しみをどう表現していいかわからない
私のような人は多いと思います。
読者と表現しあったこの本は、思い切り泣けたあと、
胸の奥が温かくなり、自分の進む道が見えてきます。
この本が出来上がったとき、おもわず本におじぎをし、
想いがこみ上げいつまでもいつまでも本に頭をさげていました。
大切な人への愛から生まれ、その先へ歩き出すための一冊です。
『「働きたくない」というあなたへ』河出書房新社
「あなたは社会に必要だ!」
ネットで大反響を巻き起こした、おとなの本気の仕事論。
あなたの“へその緒”が社会とつながる!
『新人諸君、半年黙って仕事せよ』
―フレッシュマンのためのコミュニケーション講座(筑摩書房)
私は新人に、「だいじょうぶだ」と伝えたい。
「あなたには、コミュニケーション力がある」と。
――山田ズーニー。
▲『人とつながる表現教室。』河出書房新社
おかげさまで「おとなの小論文教室。II」が文庫化されました!
文庫のために、「理解という名の愛がほしい」から改題し、
文庫オリジナルのあとがきも掲載しています。
山田はこれまで出したすべての本の中でこの本が最も好きです。
『おとなの進路教室。』河出書房新社
「自分らしい選択をしたい」とき、
「自分はこれでいいのか」がよぎるとき、
自分の考えのありかに気づかせてくれる一冊。
「おとなの小論文教室。」で
7年にわたり読者と響きあうようにして書かれた連載から
自分らしい進路を切りひらくをテーマに
選りすぐって再編集!
▲文庫版でました!
あなたの表現がここからはじまる!
『おとなの小論文教室。』 (河出文庫)
ラジオ「おとなの進路教室。」
http://www.jfn.co.jp/otona/
おとなになっても進路に悩む。
就職、転職、結婚、退職……。
この番組では、
多彩なゲストを呼んで、「おとなの進路」を考える。
すでに成功してしまった人の
ありがたい話を聞くのではない。
まさに今、自分を生きようと
もがいている人の、現在進行形の悩み、
問題意識、ブレイクスルーの鍵を
聞くところに面白さがある。
インターネット、
ポッドキャスティングのラジオ番組です。
「依頼文」や「おわび状」も、就活の自己PRも
このシートを使えば言いたいことが書ける!
相手に通じる文章になる!
『考えるシート』文庫版、出ました。
『話すチカラをつくる本』
三笠書房
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いちからわかるやさしい入門書。
『文庫版『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
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自分の想いがうまく相手に伝わらないと悩むときに、
ワンコインで手にする「通じ合う歓び」のコミュニケーション術!
『17歳は2回くる―おとなの小論文教室。III』
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『理解という名の愛が欲しいーおとなの小論文教室。II』
河出書房新社
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内容紹介(PHP新書リードより)
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、
私たちは日々、文章を書いている。
どんな小さなメモにも、
読み手がいて、目指す結果がある。
どうしたら誤解されずに想いを伝え、
読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?
自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、
心を揺さぶる表現の技術。
(書き下ろし236ページ)
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