おとなの小論文教室。

受験のテクニックとして、小論文の書き方を勉強した?
その後は、ナイスなテキストを書いていますか?
考えること伝えることの愉快を、ここで味わいましょう。
ありがたいことに、小論文というものを
考えたり、たのしんだり、たくさん読んできた
カジュアルで優しい先生がいるんです。
さぁ、山田ズーニー先生、お願いしまーす。

Lesson1020
人と人との距離

人と人の間には距離がある。

こっちは心の距離が近いと思っていても、
相手にとっては距離ある他人だったり。

あっちがぐっと距離を縮めて来ても、
こっちにとっては心理的に距離の遠い人だったり。

だから、人は距離感をまちがう。

私もまちがう。

踏み込み過ぎてしまったり、
踏み込まれて嫌な思いをしたり。

そんな時、
「あっ、距離感まちがえました! ごめんなさい。」
「いえいえ、いいんです、私もまちがうんで。」
とサッパリ、認め合い、許し合いたい。

そのためには、“答え合わせ”が肝心だ。

…………………………

距離ある人に踏み込まれ過ぎて嫌だったこと、
私もある。

先週の同期とのやりとり、おさらいしておこう。
(仮にAさんと呼ぶ。イニシャルではない。
プライバシー保護のため人物や設定など変えている。
詳しくは→先週のコラムへ)

きっかけはAさんの的外れな憶測だった。

私は元気で仕事も順調だったのに、
辛くなって休んでると思い込んだAさんが、
必要のない「励まし」をしてきた。

Aさんの連絡手段にもとまどった。

深夜12時を過ぎて
いきなり電話をしてきたのだ。

Aさんとは研修で顔を合わせただけで、
以降一切つきあいはない。
電話のやりとりはおろか、
電話番号すら教えていない。

電話でなくメールだったら、Aさんが
互いの距離感にふさわしい手段を選択して
くれていたら、印象はだいぶ違っただろう。

実害もこうむった。

あと1分で動画撮影完了のところ、
電話のベルでパアに。

出社すると、Aさんは、
ありがとうを言われる気満々で
様子を見に来た。

私はありがとうを言うべきか悩んだ。
言った方がよかったかと今だに悩む。

でも、ありがとうを言ったらAさんはまたやる。

Aさんが迷惑だと気づかず親切をやり続けて、
私が嫌だと言えずストレスをため続けて、
そんなループだけは止めなければ。

もし私が人に迷惑だったら教えてほしいから。
でも、とてもAさんに迷惑だとは言えないから。

ありがとうを言わないのは、
私からAさんへのせめてもの御礼。

これで何もなかったようにやっていけると思った。

ところが後日、Aさんが、私のことを、

「人の親切を受け取れない可哀想な人、
きっと過去にトラウマがあったのだろう、
だからみんなで優しくしてあげよう。」

と同期の人たちにふれまわってることを知った。

私は人の親切は受け取る。トラウマなんかない。
ただAさん個人の親切をしばらく警戒しているだけだ。
なのに人類全般の親切を受け取らない人認定
されてしまった。

「ありもしない物語はどこからくるのだろう?」

もともと私は順調で、不調な私などどこにもいない。
なのにAさんは私が追い詰められているという
物語を紡いだ。

そこに、ありがとうを言わなかった私。

すると今度は、
私が人の親切を受け取れないという
新たな物語で上書きした。

Aさんを責められない。私も同じだから。

私も、ご家族を亡くされた大学の同窓生に、
よく知らないのに会いに行こうとしていた。

心配して相手のこと考えてるうちに、
自分の中で勝手なストーリーができていく。

「相手が淋しくしている。
→そこに私が会いに行く。
→相手は気が紛れたり心境をあかせたり‥‥」

この自分勝手なお役立ちストーリーは、
繰り返し想像してるうちにどんどんリアルに、
やがて現実のように、思えてしまう。

でも現実は、こうなる可能性だって大だ。

私→訃報を聞いて以来、
ずっと心配してたので心の距離は近い。

相手→よく知らない人から唐突に会おうと言われる。
「はっ? だれ? 急に何? 私なんかした?」

この遠近差!

「その距離感は相手に負担を負わせないか?」

Twitterでこの良い問いを投げかけてくれた方がいた。
心に刻もうと思う。

「人に役立つ善いことをしていると思うと、
脳に気持ちのいい汁が出る。」

この気持ちよさがあるからこそ、
本当に困った時、人は人と助けあえる。

けどこの汁は、酔う。

あまりの気持ちよさに陶酔しやすく、
人と人との距離まで無視して、
自分の描いたストーリーに突っ走ってしまう。

ヒーロー感って、危うい。

本当に辛くなってる人がいる時、
家族や友人など近しい人にしかできないことがある。
家族でもできないことがある。
医療や福祉などプロしかできないこともある。
距離ある他人だからできることもある。
この距離感を誤って踏み込んではいけない。

「それが本当に相手に役立ったかどうか?」
答え合わせはできる。

相手の反応だ。

100%相手のためにした行為なら、
答えは100%相手の中にある。

相手の反応が悪くても、
「もしかして、ご迷惑でしたか、
踏み込み過ぎました。ごめんなさい。」
と100%受けいれ、謝って、引いて、
何があっても相手にせいにしない。

その覚悟があれば、失敗しても、
お互い悪い傷にはならないと私は思う。

お近づきになろうと思っていた人から、
遠ざけられるのはツラい。
そういうことは私もたくさんある。

でも、それで、またひとつ学んで、
人との距離の取り方が上手くなっていく。

よく知らない人が、はきちがえた理解で、
ズカズカ踏み込んでくるのは腹立たしい。

でもそのおかげで、
自分も人に踏み込み過ぎたと、
気づけたり、直せたりする。

だから、おたがいさま、の、恨みっこなし。

すべての失敗は、
これから逢う人との関係を豊かにしていくんだ
と私は思う。

だから恐れずに
人とコミュニケーションしていこう!

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お申込みはこちらから
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●お問い合わせは
株式会社ウチダシステムズ フェア事務局
TEL:03-3537-0888
e-mail:ussfair2021@uchida-systems.co.jp
*「ほぼ日」に問い合わせないようお願いします。


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お問い合せ 金城学院大学 入試広報部
TEL:0120-33-1791  Mail:nyushi@kinjo-u.ac.jp


お申込みURL:https://forms.gle/CWB7PorRGe9BJkYx6 
お問い合せ先:北日本新聞就職情報センター(kinet) 
メールアドレス:kitanippon.kinet@gmail.com 
電話:076-445-3337(平日9:00〜17:00)「とやま就活」まで


【満員御礼!】この講座は満席になりました。
キャンセル待ちも締め切りました。
たくさんのお申込みありがとうございました。

宣伝会議 表現力養成コース

編集・ライター養成講座20周年記念講座

山田ズーニー専門クラス
——–伝わる・揺さぶる!文章を書く

山田ズーニーです。
私は、これまで北は北海道から南は鹿児島まで、
大学・高校生から
ビジネスマン・プロのライターから作家まで
幅広い層に、数えきれないほど表現講座を開いてきました。
その原型が生まれたのが、
宣伝会議の編集・ライター養成講座でした。
現在も講師をつとめており、毎回、
受講者に次のような声をいただき手ごたえを感じています。

 

・自分の想いの根幹を探るという経験を
こんなにじっくりと時間をかけてやったことはなかった、
得難い経験でした。

・終了したとき、この講義の意図が
身体にしみわたるように理解できた。
コミュニケ―ションが苦手だったが、
非常に楽しく有意義に受講できた。

・自己開示が苦手だったが、一気に開くことができた。

・現実の出来事を多角的に見て、表現のヒントを探すことは
全ての実務に活かせると思います。

・自分の可能性を信じようと思えた。
自分はつまらない人間ではない。

今回20周年を記念して、ご担当者の、
「この先を行く特別な講座をひらきたい。
表現力をつけたい気持ちはあるものの、
そもそも自分に伝えたいことはあるのか、
と悩む人も多く、その人たちに、
自分を貫くテーマを発見したり、
相手の心に響くように伝えるコミュニケーション力を
つけたりできる場を提供したい。」
という志に共感しました。
2時間×12コマで、
文章表現の本格的な基礎づくりから始まって、
相手に伝わる表現、社会に説得力を持って書く、
さらに、自分にしか書けない主題を発見して書く!
までを責任を持ってサポートします。
ひとりでは気づけない自分の潜在力も、
多彩な仲間とともに引き出しあえるから開花します!
表現を通して他の受講者と心底通じ合える
「感動」の授業です。
心を揺さぶる文章を書きに、ぜひ、来てください。

あなたには書く力がある。

●詳細・お申し込み・お問い合わせは、すべて
こちらのページから
(株)宣伝会議 教育事業部 担当:小林Tel.03-3475-3030まで
*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。

………………………………………………………………………

「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
題名を「山田ズーニーさんへ」として、
postman@1101.com までメールでお送りくださいね。
★仕事のご依頼はここに送らないでください。
山田ズーニーtwitter( @zoonieyamada )へお願いします。
または山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をおたずねください。


表現して人とつながる勇気のレッスン!



『理解という名の愛がほしい。』
河出文庫

会社を辞めた私がツラかったのは、まわりが
平日の昼間うろうろしている
無職のおばさんと見ることだった。

それまで仕事をがんばって経験を積んできた
他ならぬ私をわかってほしい。

この発想・考え・想い・感性が、
かけがえなく必要とされたい。

理解という名の愛がほしい。

「理解されたいなら、自分を表現しなきゃだめだ。」

やっとそう気づいた私は、
インターネットの大海原で
人生はじめての表現へ漕ぎ出した。


山田ズーニーワークショップ満員御礼!

いったんウェイトリストを締め切ります。

2017年6月開講したワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」
にたくさんのお申込みをありがとうございました。

大好評で即日満席、
2期、3期、4期と増設するも追いつかず、
1年待ちのウェイトリストのみ受け付けておりましたが、
現在までに12期分のお申込みがあり、
2年待ち以上の方が出てくる見込みが強くなりました。

責任を持って対応するため、
ここでいったんウェイトリストを締め切ります。

言葉の表現力をつけたいと
申し込んでくださった方々の想いを大切に
受け入れを進めてまいります。

 

●この講座に対するすべてのお問い合わせはこちらへ。

お問い合わせ先 
毎日文化センター東京 TEL03-3213-4768

http://www.mainichi-ks.co.jp/m-culture/each.html?id=699

2018年以降、東京開催、詳細未定、1年待ち。

*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。

 

ワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」

――3回で一生ものの書く力・話す力が育つ

書くことによって、人は考える。
自分の内面を言葉で深く正しく理解する。
そのことにより、納得のいく選択ができるようになり、
意志が芽生える。

さらに、

言いたいことを、相手に響くように伝えられるようになる。
インターネット時代に、広く社会に
説得力を持って自分の考えを発信できるようになる。

書く力=想い言葉で表現するチカラを鍛えれば、
自分を知り、自分を表現することができる。

自分の想う人生を、この現実に書いて創っていける。

あなたには表現力がある。

山田ズーニーワークショップ型実践講座、
2017年6月東京で開講しました!


「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
題名を「山田ズーニーさんへ」として、
postman@1101.comまでメールでお送りくださいね。

注:講演など仕事の依頼メールは、
上記アドレスに送らないでください。
山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)に
直接ご連絡いただくか、
山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をお問い合わせのうえで、
ご依頼くださいますようおねがいします。


★出演情報などお知らせのあるときは
 山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)にも掲載します。



『半年で職場の星になる!
 働くためのコミュニケーション力』
 ちくま文庫

あなたが職場の星になる!コミュニケーション術の決定版。
一発で信頼される「人の話を聞く技術」、
わかりやすい報告・説明・指示の仕方、
職場の文書を「読む技術」、社会人としてメールを「書く技術」。
「上司を説得」するチカラ、通じる「お詫び」、クレーム対応、
好感をもたれる自己紹介・自己アピールのやり方。
人を動かし現場でリーダーシップを発揮する表現力から、
やる気が湧き・上司もうなる目標の立て方まで。
この1冊で仕事のフィールドで通じ合い、チームで成果を出していける!
自由はここにある!


ラジオで、山田ズーニーが、
『おかんの昼ごはん』について話しました!

録音版をぜひお聞きください。
「ラジオ版学問ノススメ」(2012年12月30日~)
 インターネット環境があれば、だれでもどこからでも
無料で聴けます。
 聴取サイトは、http://www.jfn.co.jp/susume/
 (MP3ダウンロードのボタンをクリックしてください)
 または、iTunesからのダウンロードとなります。


ほんとうにおかげさまで本になりました!
ありがとうございます!


『おかんの昼ごはん』河出書房新社
「親の老い」への哀しみをどう表現していいかわからない
私のような人は多いと思います。
読者と表現しあったこの本は、思い切り泣けたあと、
胸の奥が温かくなり、自分の進む道が見えてきます。
この本が出来上がったとき、おもわず本におじぎをし、
想いがこみ上げいつまでもいつまでも本に頭をさげていました。
大切な人への愛から生まれ、その先へ歩き出すための一冊です。



『「働きたくない」というあなたへ』河出書房新社
「あなたは社会に必要だ!」
ネットで大反響を巻き起こした、おとなの本気の仕事論。
あなたの“へその緒”が社会とつながる!



『新人諸君、半年黙って仕事せよ』
―フレッシュマンのためのコミュニケーション講座(筑摩書房)
私は新人に、「だいじょうぶだ」と伝えたい。
「あなたには、コミュニケーション力がある」と。
            ――山田ズーニー。



『人とつながる表現教室。』河出書房新社
おかげさまで「おとなの小論文教室。II」が文庫化されました!
文庫のために、「理解という名の愛がほしい」から改題し、
文庫オリジナルのあとがきも掲載しています。
山田はこれまで出したすべての本の中でこの本が最も好きです。



『おとなの進路教室。』河出書房新社
「自分らしい選択をしたい」とき、
「自分はこれでいいのか」がよぎるとき、
自分の考えのありかに気づかせてくれる一冊。
「おとなの小論文教室。」で
7年にわたり読者と響きあうようにして書かれた連載から
自分らしい進路を切りひらくをテーマに
選りすぐって再編集!



▲文庫版でました!
 あなたの表現がここからはじまる!

『おとなの小論文教室。』 (河出文庫)


ラジオ「おとなの進路教室。」
http://www.jfn.co.jp/otona/

おとなになっても進路に悩む。
就職、転職、結婚、退職……。
この番組では、
多彩なゲストを呼んで、「おとなの進路」を考える。
すでに成功してしまった人の
ありがたい話を聞くのではない。
まさに今、自分を生きようと
もがいている人の、現在進行形の悩み、
問題意識、ブレイクスルーの鍵を
聞くところに面白さがある。
インターネット、
ポッドキャスティングのラジオ番組です。



「依頼文」や「おわび状」も、就活の自己PRも
このシートを使えば言いたいことが書ける!
相手に通じる文章になる!

『考えるシート』文庫版、出ました。



『話すチカラをつくる本』
三笠書房

NHK教育テレビのテキストが文庫になりました!
いまさら聞けないコミュニケーションの基礎が
いちからわかるやさしい入門書。


『文庫版『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
ちくま文庫

自分の想いがうまく相手に伝わらないと悩むときに、
ワンコインで手にする「通じ合う歓び」のコミュニケーション術!


『17歳は2回くる―おとなの小論文教室。III』
河出書房新社


『理解という名の愛が欲しいーおとなの小論文教室。II』
河出書房新社


『おとなの小論文教室。』
河出書房新社


『考えるシート』講談社


『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
筑摩書房</small



『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
PHP新書

内容紹介(PHP新書リードより)
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、
私たちは日々、文章を書いている。
どんな小さなメモにも、
読み手がいて、目指す結果がある。
どうしたら誤解されずに想いを伝え、
読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?
自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、
心を揺さぶる表現の技術。
(書き下ろし236ページ)



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