おとなの小論文教室。

受験のテクニックとして、小論文の書き方を勉強した?
その後は、ナイスなテキストを書いていますか?
考えること伝えることの愉快を、ここで味わいましょう。
ありがたいことに、小論文というものを
考えたり、たのしんだり、たくさん読んできた
カジュアルで優しい先生がいるんです。
さぁ、山田ズーニー先生、お願いしまーす。

Lesson1070
童心

「どうやって私たちは友達になったのだろう?」

いま、自分の友達について、

きっかけは何だったか?
どっちから声をかけたか?
そっからどうやって仲良くなったのか?

それがわかれば、
このさき新しい友達をつくるヒントにもなろう、
人生100年時代も楽しかろう。

けど、どうしても思い出せない。

私には30年以上40年以上の友もいるが、
長いつきあいになるほど、
自分も、むこうも、まったく覚えていない。

先日も、

かれこれ30年以上のつきあいになる3人組に、
私は、たわいもないLINEをした。

「純愛ドラマを一気見したよ。
そういや、まえ3人で、
純愛小説『マディソン郡の橋』読んで語ったね‥‥」

すると、すぐ、

「なんという偶然! つい最近、
“ええっとナントカの橋、なんの橋だっけ?”
って思い出してたとこ‥‥」

すぐ、また1人から、

「ほんとに偶然!
きのうスカイプ立ち上げたら、
あっ、やまんださんもオンになってる!
って思ったばかり‥‥」
(私=山田を2人は“やまんださん”と呼ぶ)

そこから一気にうちとけ、

わっ、と、おしゃべりに花が咲いては、終わり、
終わったかと思わせては、また、
だれからともなく話をふり‥‥と、

日曜の昼に始まって、月曜深夜、
日付変わって火曜になるまで、つづき。

よくそんなにLINEが持つな、

と思う人もいるだろう。
3人いると時間の流れが違う、いや、

「時が止まる。」

“アップルパイが焼けたよ”

と、途中、
料理上手な1人が写真を送ってきて、

うちらが話してる間に、
こんな見事なアップルパイが焼けたんだ‥‥で、
“はっ! 開始150分もたってる”と気づく。

けど、体感は一瞬だ。

昔からそうだった。

まだ働き方改革なんてなかったころ、

私たちは、同じ職場で、
平日は21時、会社の鍵が閉まるまで残業し、
それでも持ち帰り仕事をするくらい激務で。

でも週末はだれかのウチに泊まり込んで遊んだ。

毎日、職場で会えるのに、
よくそんな話すことがあるなと言われそうだ。
でも、私たちは意味のある話などせず、
たわいのないことばっかりやって、

ただただ夢中で遊んだ。

たとえば「料理の鉄人ごっこ」。

当時、料理バトルTVが人気で、まねて、
うやうやしくメニューを「お品書き」しては、
3人かわるがわる、一生懸命、料理をつくった。

旅行も行った。

それも毎年、3回続けて、「同じ島」。

激務の中、
予定を繰り合わせるのも大変で、
費用も結構いる海外旅行。

なのに、だれも、
「次はもっと違う国に行きたい」とか、
「あの国に行ってあれが見たい」とか言わず、
なんのうたがいもなく、

ただただ毎年同じインドネシアの島に行き続けた。

「なんでそういうことになったのかねー?」

だれも、ぜんぜん、覚えてない。
気づいたら、そうなってた。

考えてみたんだけど、それって、
3人一緒ならどこでもいい、とまでは言わんが、
「3人一緒なら行先に頓着はない」ってことだ。

しかも道中も島についてからもバカばっかり。

何かのきっかけで笑いが起きると、
それにかぶせて、ふざけて、笑って、
またかぶせて、笑い転げて。

笑いすぎて、お腹が痛くなって、
お腹さすりながら、涙流しながら、笑って、

時がとまる。

いま、離れてても一瞬でそこに戻る。

だれからともなく話す、いまの興味が、
ふしぎに3人重なり合っていく。

「つながってる。」

1人がそう言う、
するともう1人が、

「離れてても、すぐ、あの頃のように話せる。
たくさんの思い出を一緒に作ってきたからかな」

と言ったとき、私の胸を
ピカッ! と閃光のような何かが貫いた。

ああ! ああ!
そうだ、いまわかった!
私たちはどうして仲良くなったのか。

「童心」!

無心に遊んだ。

一緒にいると、あっという間に、
いちばん無垢な自分に戻った。

「私たちは童心でつながっている。」

きっかけは何だったか、
どっちから声をかけたか、
そっからどうやって仲良くなったのか、
だれも覚えてないのは、あたりまえ。

仲良くなろうと意図しなかったからこそ、
童心になれたのだ。

記憶をたどると、そもそも年齢もバラバラで、
センパイ後輩にはなれても、
友達になれるなんて一切思いもしなかった。

だから、なんの掛け値もなく、接していた。

無心にやりとりするなかで、
無心のボケが生まれ、無心にツッコミをいれ、
無心に笑い転げた。それがすべて、

一気に武装解除、

童心が呼び覚まされ、
童心と童心が呼び合った。

知的な会話とか、共通の話題とか、
趣味のいい服装とか、自分磨きとか、
そういうのについていけないと友達ができない、
と思い込んでる人は多い。

けど、そういう武装を全て取っ払ったところに、
童心に戻れる友はいるのではないか。

ならば、無心に人と接する、いやそれ以前に、

「無心に場にいる」

ってことが、案外友達への近道かもしれない。
そして、それなら、

「人生100年時代、
いくつになっても友達はできそう!」

と私は思う。

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「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
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お問い合せ 金城学院大学 入試広報部
TEL:0120-33-1791 Mail:nyushi@kinjo-u.ac.jp


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【満員御礼!】この講座は満席になりました。
キャンセル待ちも締め切りました。
たくさんのお申込みありがとうございました。

宣伝会議 表現力養成コース

編集・ライター養成講座20周年記念講座

山田ズーニー専門クラス
——–伝わる・揺さぶる!文章を書く

山田ズーニーです。
私は、これまで北は北海道から南は鹿児島まで、
大学・高校生から
ビジネスマン・プロのライターから作家まで
幅広い層に、数えきれないほど表現講座を開いてきました。
その原型が生まれたのが、
宣伝会議の編集・ライター養成講座でした。
現在も講師をつとめており、毎回、
受講者に次のような声をいただき手ごたえを感じています。

 

・自分の想いの根幹を探るという経験を
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コミュニケ―ションが苦手だったが、
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●詳細・お申し込み・お問い合わせは、すべて
こちらのページから
(株)宣伝会議 教育事業部 担当:小林Tel.03-3475-3030まで
*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。


表現して人とつながる勇気のレッスン!



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会社を辞めた私がツラかったのは、まわりが
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他ならぬ私をわかってほしい。

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かけがえなく必要とされたい。

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山田ズーニーワークショップ満員御礼!

いったんウェイトリストを締め切ります。

2017年6月開講したワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」
にたくさんのお申込みをありがとうございました。

大好評で即日満席、
2期、3期、4期と増設するも追いつかず、
1年待ちのウェイトリストのみ受け付けておりましたが、
現在までに12期分のお申込みがあり、
2年待ち以上の方が出てくる見込みが強くなりました。

責任を持って対応するため、
ここでいったんウェイトリストを締め切ります。

言葉の表現力をつけたいと
申し込んでくださった方々の想いを大切に
受け入れを進めてまいります。

 

●この講座に対するすべてのお問い合わせはこちらへ。

お問い合わせ先 
毎日文化センター東京 TEL03-3213-4768

http://www.mainichi-ks.co.jp/m-culture/each.html?id=699

2018年以降、東京開催、詳細未定、1年待ち。

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自分を知り、自分を表現することができる。

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山田ズーニーワークショップ型実践講座、
2017年6月東京で開講しました!


「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
題名を「山田ズーニーさんへ」として、
postman@1101.comまでメールでお送りくださいね。

注:講演など仕事の依頼メールは、
上記アドレスに送らないでください。
山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)に
直接ご連絡いただくか、
山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をお問い合わせのうえで、
ご依頼くださいますようおねがいします。


★出演情報などお知らせのあるときは
 山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)にも掲載します。



『半年で職場の星になる!
 働くためのコミュニケーション力』
 ちくま文庫

あなたが職場の星になる!コミュニケーション術の決定版。
一発で信頼される「人の話を聞く技術」、
わかりやすい報告・説明・指示の仕方、
職場の文書を「読む技術」、社会人としてメールを「書く技術」。
「上司を説得」するチカラ、通じる「お詫び」、クレーム対応、
好感をもたれる自己紹介・自己アピールのやり方。
人を動かし現場でリーダーシップを発揮する表現力から、
やる気が湧き・上司もうなる目標の立て方まで。
この1冊で仕事のフィールドで通じ合い、チームで成果を出していける!
自由はここにある!


ラジオで、山田ズーニーが、
『おかんの昼ごはん』について話しました!

録音版をぜひお聞きください。
「ラジオ版学問ノススメ」(2012年12月30日~)
 インターネット環境があれば、だれでもどこからでも
無料で聴けます。
 聴取サイトは、http://www.jfn.co.jp/susume/
 (MP3ダウンロードのボタンをクリックしてください)
 または、iTunesからのダウンロードとなります。


ほんとうにおかげさまで本になりました!
ありがとうございます!


『おかんの昼ごはん』河出書房新社
「親の老い」への哀しみをどう表現していいかわからない
私のような人は多いと思います。
読者と表現しあったこの本は、思い切り泣けたあと、
胸の奥が温かくなり、自分の進む道が見えてきます。
この本が出来上がったとき、おもわず本におじぎをし、
想いがこみ上げいつまでもいつまでも本に頭をさげていました。
大切な人への愛から生まれ、その先へ歩き出すための一冊です。



『「働きたくない」というあなたへ』河出書房新社
「あなたは社会に必要だ!」
ネットで大反響を巻き起こした、おとなの本気の仕事論。
あなたの“へその緒”が社会とつながる!



『新人諸君、半年黙って仕事せよ』
―フレッシュマンのためのコミュニケーション講座(筑摩書房)
私は新人に、「だいじょうぶだ」と伝えたい。
「あなたには、コミュニケーション力がある」と。
            ――山田ズーニー。



『人とつながる表現教室。』河出書房新社
おかげさまで「おとなの小論文教室。II」が文庫化されました!
文庫のために、「理解という名の愛がほしい」から改題し、
文庫オリジナルのあとがきも掲載しています。
山田はこれまで出したすべての本の中でこの本が最も好きです。



『おとなの進路教室。』河出書房新社
「自分らしい選択をしたい」とき、
「自分はこれでいいのか」がよぎるとき、
自分の考えのありかに気づかせてくれる一冊。
「おとなの小論文教室。」で
7年にわたり読者と響きあうようにして書かれた連載から
自分らしい進路を切りひらくをテーマに
選りすぐって再編集!



▲文庫版でました!
 あなたの表現がここからはじまる!

『おとなの小論文教室。』 (河出文庫)


ラジオ「おとなの進路教室。」
http://www.jfn.co.jp/otona/

おとなになっても進路に悩む。
就職、転職、結婚、退職……。
この番組では、
多彩なゲストを呼んで、「おとなの進路」を考える。
すでに成功してしまった人の
ありがたい話を聞くのではない。
まさに今、自分を生きようと
もがいている人の、現在進行形の悩み、
問題意識、ブレイクスルーの鍵を
聞くところに面白さがある。
インターネット、
ポッドキャスティングのラジオ番組です。



「依頼文」や「おわび状」も、就活の自己PRも
このシートを使えば言いたいことが書ける!
相手に通じる文章になる!

『考えるシート』文庫版、出ました。



『話すチカラをつくる本』
三笠書房

NHK教育テレビのテキストが文庫になりました!
いまさら聞けないコミュニケーションの基礎が
いちからわかるやさしい入門書。


『文庫版『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
ちくま文庫

自分の想いがうまく相手に伝わらないと悩むときに、
ワンコインで手にする「通じ合う歓び」のコミュニケーション術!


『17歳は2回くる―おとなの小論文教室。III』
河出書房新社


『理解という名の愛が欲しいーおとなの小論文教室。II』
河出書房新社


『おとなの小論文教室。』
河出書房新社


『考えるシート』講談社


『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
筑摩書房</small



『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
PHP新書

内容紹介(PHP新書リードより)
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、
私たちは日々、文章を書いている。
どんな小さなメモにも、
読み手がいて、目指す結果がある。
どうしたら誤解されずに想いを伝え、
読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?
自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、
心を揺さぶる表現の技術。
(書き下ろし236ページ)



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