おとなの小論文教室。

受験のテクニックとして、小論文の書き方を勉強した?
その後は、ナイスなテキストを書いていますか?
考えること伝えることの愉快を、ここで味わいましょう。
ありがたいことに、小論文というものを
考えたり、たのしんだり、たくさん読んできた
カジュアルで優しい先生がいるんです。
さぁ、山田ズーニー先生、お願いしまーす。

Lesson1061
苦しみの後には幸せがくる

「苦しい時期が続いた後、必ずよいことがある。」

そういうことをよく聞く。
“苦は楽の種”とか、
”禍(わざわい)転じて福と為す”とか。
ツラい心を鼓舞するための、
おまじないのようなものだと思ってきた。

でも、昨年、私は2つの“苦”を経て、いま思う。

「苦しい後に幸せはくる。」

これは気休めでなく、おまじないでも、迷信でもなく、
理にかなったことではないかと。

去年は1月1日から最悪のスタートだった。

1日1㎏のペースで体重が落ちる心労を経験した。
3日で3㎏近く落ちた。

夜は眠れず、1週間の睡眠時間を足し合わせても、
とても1日の睡眠時間=7時間に満たない。

とにかく食べなきゃと、
食べられる食材・料理を探して口に入れる、
これで体重減少は止まった、かに見えた、が、
しばらくして、

こんどは胃腸が受けつけない。

このまま弱って死ぬんじゃないか
という恐怖さえ感じた。

そんな去年の自分に、言ってやりたい。
ちょうど1年たって、私はいま、

「生きてるぞー!」

ちゃんと食べているし眠っている、
体も壊さず、心もすこやか、心配すんな、と。

今年の正月は、極めて質素に過ごした。

昨年、父が旅立って「喪中」。
どこに出かけることもなく、
なんの娯楽も求めず、
ただ故郷でつつましく暮らした。

にもかかわらず、ふと、

お茶をいれて、
コンビニで買ってきたスイーツを、
家族そろって、
「おいしいね」「うん、おいしい」
と口々に言いながら食べてる時や、

案外おもしろい正月番組に出くわして、
いつのまにか、
家族で心をひとつにして見入っている時や、

朝、よく寝て遅めに目覚めた瞬間とかに、

なんとも「ありがたい」気持ちになる。
「満たされる」ような感覚が、
うっすら、ふわーっ、と体の芯からこみあげてくる。

もしかしてこれは「幸せ」だろうか?

でもなんでだろう。
ほんの1年前、自分は苦痛のど真ん中にいた。
決定的な解決策が見つかったわけでも、
でっかい幸運が舞い込んだわけでもない。

質素な正月。
以前はこれよりにぎやか華やかな正月もあったのに、
それでもなぜか寂しく満たされないこともあったのに。

そうか! 苦しい時期があったからこそ、だ。

眠れない夜が続けば、夜眠れる、それだけで、
ありがたい、幸せな気持ちになる。

ごはんがのどを通らない日々が続くと、
何事もなくごはんが食べられる、
それだけで嬉しい、おいしい、ありがたい。

「基準値が、変わる。」

例えば、

職場でずっと無視をされていた人は、
異動になって今度の職場では無視されない、
それだけで、「この環境は自分に優しい」
と感じる。

自分が何か言って、
相手からふつうに返事が返ってくる、
それだけで嬉しくなる。

「ふつうに返事をよこしてくれる、
それだけで十分じゃないか。
無視される前の自分は、
相手の返事がぞんざいだとか、
何を気にして恐れていたんだろう。」

と。無視されなきゃそれでOK!
開き直れて、人に対して自然に積極的になれる。

そうして、ただの仕事のやりとりも、
ありがたがって、嬉しそうにやっていると、
やはりまわりも良い反応を返すようになり、
まわりに幸せが集まってくる。

これは決して、基準値が下がるのではない。

視野が広がった。
客観的に自分を見ることができた。
そこから、地に足のついた基準値に立ち戻る感覚だ。

基準値がわからなくなってる人も多い。

順調いっぺんとうで来た人には、
ごはんが食べられるだけで、夜眠れるだけで、
幸せ感じろと言われても、
もう当たり前すぎて、
わかっちゃいるけどとてもムリ、だろう。

それで、もっとあれがほしい、
これが達成されないと満たされない、となる。

でも、お酒の勉強をした時に(家族の健康のために)、
そういう刺激は、ドーパミン、快楽の方向で、
ひとつ達成されれば、もっと欲しくなる。
次は同じ刺激では満たされない。
もっと強い刺激でなきゃいけない。

そうして、追えば追うほど、「満たされない」も募って、
人と比べたりすると、さらに迷走し、
自分の幸せの基準値を見失う。

だけど、苦痛に跪(ひざまずき)、
天を仰いで救いを求めるような境地を体験した時は、
たとえ苦痛であってもそれは、

「未知」。

いままで生きてきた自分の小さな枠組みから、
踏み出して「未知」を体験したということだ。

ガラッと世界が違って見える。
意外な人間の素晴らしさに出逢うのもこんな時で、

自分がもといた場所がよく見える。

そこから、自分にとってかけがえのないもの、
それ失っちゃあ生きていけないというものが、
見極められる。

分別がつく。

だから、平常に戻った時、
いままで見過ごしてきたような何気ない日常に、
輝きを見つけられるようになる。

追うのでなく、気づける。
気づいた時にはもう、ひたひたと満ちてくる。

多幸感。

基準値が整う。
だから、

苦しみの後には地に足のついた幸せがある。

苦しい時は信じていい、と
私は思う。

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たくさんのお申込みありがとうございました。

宣伝会議 表現力養成コース

編集・ライター養成講座20周年記念講座

山田ズーニー専門クラス
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山田ズーニーです。
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こちらのページから
(株)宣伝会議 教育事業部 担当:小林Tel.03-3475-3030まで
*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
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かけがえなく必要とされたい。

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やっとそう気づいた私は、
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いったんウェイトリストを締め切ります。

2017年6月開講したワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」
にたくさんのお申込みをありがとうございました。

大好評で即日満席、
2期、3期、4期と増設するも追いつかず、
1年待ちのウェイトリストのみ受け付けておりましたが、
現在までに12期分のお申込みがあり、
2年待ち以上の方が出てくる見込みが強くなりました。

責任を持って対応するため、
ここでいったんウェイトリストを締め切ります。

言葉の表現力をつけたいと
申し込んでくださった方々の想いを大切に
受け入れを進めてまいります。

 

●この講座に対するすべてのお問い合わせはこちらへ。

お問い合わせ先 
毎日文化センター東京 TEL03-3213-4768

http://www.mainichi-ks.co.jp/m-culture/each.html?id=699

2018年以降、東京開催、詳細未定、1年待ち。

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山田ズーニーワークショップ型実践講座、
2017年6月東京で開講しました!


「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
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注:講演など仕事の依頼メールは、
上記アドレスに送らないでください。
山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)に
直接ご連絡いただくか、
山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をお問い合わせのうえで、
ご依頼くださいますようおねがいします。


★出演情報などお知らせのあるときは
 山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)にも掲載します。



『半年で職場の星になる!
 働くためのコミュニケーション力』
 ちくま文庫

あなたが職場の星になる!コミュニケーション術の決定版。
一発で信頼される「人の話を聞く技術」、
わかりやすい報告・説明・指示の仕方、
職場の文書を「読む技術」、社会人としてメールを「書く技術」。
「上司を説得」するチカラ、通じる「お詫び」、クレーム対応、
好感をもたれる自己紹介・自己アピールのやり方。
人を動かし現場でリーダーシップを発揮する表現力から、
やる気が湧き・上司もうなる目標の立て方まで。
この1冊で仕事のフィールドで通じ合い、チームで成果を出していける!
自由はここにある!


ラジオで、山田ズーニーが、
『おかんの昼ごはん』について話しました!

録音版をぜひお聞きください。
「ラジオ版学問ノススメ」(2012年12月30日~)
 インターネット環境があれば、だれでもどこからでも
無料で聴けます。
 聴取サイトは、http://www.jfn.co.jp/susume/
 (MP3ダウンロードのボタンをクリックしてください)
 または、iTunesからのダウンロードとなります。


ほんとうにおかげさまで本になりました!
ありがとうございます!


『おかんの昼ごはん』河出書房新社
「親の老い」への哀しみをどう表現していいかわからない
私のような人は多いと思います。
読者と表現しあったこの本は、思い切り泣けたあと、
胸の奥が温かくなり、自分の進む道が見えてきます。
この本が出来上がったとき、おもわず本におじぎをし、
想いがこみ上げいつまでもいつまでも本に頭をさげていました。
大切な人への愛から生まれ、その先へ歩き出すための一冊です。



『「働きたくない」というあなたへ』河出書房新社
「あなたは社会に必要だ!」
ネットで大反響を巻き起こした、おとなの本気の仕事論。
あなたの“へその緒”が社会とつながる!



『新人諸君、半年黙って仕事せよ』
―フレッシュマンのためのコミュニケーション講座(筑摩書房)
私は新人に、「だいじょうぶだ」と伝えたい。
「あなたには、コミュニケーション力がある」と。
            ――山田ズーニー。



『人とつながる表現教室。』河出書房新社
おかげさまで「おとなの小論文教室。II」が文庫化されました!
文庫のために、「理解という名の愛がほしい」から改題し、
文庫オリジナルのあとがきも掲載しています。
山田はこれまで出したすべての本の中でこの本が最も好きです。



『おとなの進路教室。』河出書房新社
「自分らしい選択をしたい」とき、
「自分はこれでいいのか」がよぎるとき、
自分の考えのありかに気づかせてくれる一冊。
「おとなの小論文教室。」で
7年にわたり読者と響きあうようにして書かれた連載から
自分らしい進路を切りひらくをテーマに
選りすぐって再編集!



▲文庫版でました!
 あなたの表現がここからはじまる!

『おとなの小論文教室。』 (河出文庫)


ラジオ「おとなの進路教室。」
http://www.jfn.co.jp/otona/

おとなになっても進路に悩む。
就職、転職、結婚、退職……。
この番組では、
多彩なゲストを呼んで、「おとなの進路」を考える。
すでに成功してしまった人の
ありがたい話を聞くのではない。
まさに今、自分を生きようと
もがいている人の、現在進行形の悩み、
問題意識、ブレイクスルーの鍵を
聞くところに面白さがある。
インターネット、
ポッドキャスティングのラジオ番組です。



「依頼文」や「おわび状」も、就活の自己PRも
このシートを使えば言いたいことが書ける!
相手に通じる文章になる!

『考えるシート』文庫版、出ました。



『話すチカラをつくる本』
三笠書房

NHK教育テレビのテキストが文庫になりました!
いまさら聞けないコミュニケーションの基礎が
いちからわかるやさしい入門書。


『文庫版『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
ちくま文庫

自分の想いがうまく相手に伝わらないと悩むときに、
ワンコインで手にする「通じ合う歓び」のコミュニケーション術!


『17歳は2回くる―おとなの小論文教室。III』
河出書房新社


『理解という名の愛が欲しいーおとなの小論文教室。II』
河出書房新社


『おとなの小論文教室。』
河出書房新社


『考えるシート』講談社


『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
筑摩書房</small



『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
PHP新書

内容紹介(PHP新書リードより)
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、
私たちは日々、文章を書いている。
どんな小さなメモにも、
読み手がいて、目指す結果がある。
どうしたら誤解されずに想いを伝え、
読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?
自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、
心を揺さぶる表現の技術。
(書き下ろし236ページ)



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