おとなの小論文教室。

受験のテクニックとして、小論文の書き方を勉強した?
その後は、ナイスなテキストを書いていますか?
考えること伝えることの愉快を、ここで味わいましょう。
ありがたいことに、小論文というものを
考えたり、たのしんだり、たくさん読んできた
カジュアルで優しい先生がいるんです。
さぁ、山田ズーニー先生、お願いしまーす。

Lesson1099
自分の意見なんていらない、のだろうか?

なんとなく
「普遍的なこと」を書かなきゃいけない、
と思い込んでいる人は多い。

いざ文章を書く、となったら、とたんに、

“広く多くの人に受け入れられなきゃいけない”、
“社会性がないといけない”、
“一般的なことを書かなきゃいけない”、
と、モードが変わってしまう。

おとなからそう指導された人もいるし、

だれも、なんにも、言っていないのに、
本人が「普遍」に忖度していることもある。

それは、
職場で文章が求められたとき、
高校生が小論文を書くとき、
学生が論文を書くとき、
ライターが記事を書くとき、
個人がブログなど社会に向けて書くとき、
いろんな文章書きに言える。

けど、普遍的に書くことはハードルが高く、
知識も思考も鍛錬した大学教授だって難しい。

で、不慣れな人が、
つい無自覚にやってしまいがちなのが、

「自分の意見を押し殺す」ことだ。

ちょっと考えたってわかる、
自分の意見を無きものにしたところで、
文章が普遍的になるわけじゃない。

結果、

広く多くの人にも届かない、
ごく少数にも刺さらない、
何より書いた本人にいちばん刺さらない文章になる。

なかには、書く以前の
「テーマ」や「論点」選びの段階で、

“とにかくSDGsと絡めておけば通りがいい
って先輩に言われて‥‥”
と、自分は関心がないのに、
そこの勝ちパターンみたいなテーマを選んで、
置きに行ったり、

“上司ウケがよさそうな問いにしておけば‥‥”
と、自分が「心から解きたい謎」はあるのに、
それと関係ない「問い=論点」を選んだり。

人は自分を表現せずにはいられない生き物だ。

自分の内面を書けないどころか、
自分を押し殺すような書き方をやっていると、
もう「書くこと」そのものが嫌いになってしまう。

インターネット時代、
書くことは、身近で誰もができる、
社会に通用する表現手段だ。

「想いをカタチにする装置」だ。

AIに文章を書かせるにしろ、
AIに指示を出すのは、自分の文章。
いまの時代、書くことを嫌いになってる場合じゃない。

では、どうすればいいのか?

「自分の意見」

「自分にとって切実なテーマ」

「自分が心から解きたい謎・問い・論点」

から始めるのがいい、と私は思う。
そこから始めるしかない、というか。

「自分の意見」を書くことは、
自己表現であり、

それが自分にとって「切実なテーマ」、
「心から解きたい謎」なら、
「問う」、「調べる」、「考える」、「書く」、
すべての行為が自己表現につながり、
やる気が持つ、書けば書くほど好きになる。

「でも、自分が書く文章には、
個人の意見なんて求められていない」

「いまさら、自分の意見を明らかにしたところで、
会社と食い違って、よけい働きづらくなる」

という人もいるだろう。
それでも私は、
人に伝えるかどうかは別として、
やはり自分の意見を書くことから
文章トレーニングを出発して
いいんじゃないかと思う。

「私の意見はこうだ。」

と書いてみた結果、
それが、組織の出した結論とは違うとする。

その時に、
「自分は自分、組織は組織」
で片づけるのではなく、

組織の考えの中にも、どこか、
自分にあてはまるところはないか?

自分の考えの中にも、どこか、
組織全体に普遍化できる部分はないか?

と考えてみる。

自分の意見と組織の結論を、
行ったり来たり、
これを何度か繰り返すうちに、

自分の意見が当初とはちがった
もっと深いものになったり、

深まったことで、
対立していると思っていた自分と組織の考えに、
思わぬつながりを見つけたり、

すると組織における自分の立ち位置を発見でき、
より組織に伝わる文章が書けるようになったりする。

逆に、最初から
組織に気に入られる文章を書こうとして、
自分の意見のありかを見ようともしないまま、
普遍を探りに行ったって、
いつのまにか無自覚に探っているのは、

「自分の意見」

だったりする。

「個人の意見だ。
他の人にも、社会にも、なんら役立つことはない」
と、ふりきって書かれた文章が、
この時代の多くの人に関心ある問いを
含んでいることがよくある。

いったん自分の意見を打ち出したあと、
それをより普遍的な視野から検討してみる。

そこから自分の意見を練り鍛える。

さらにそれを、より普遍的な視野で
検討してみる、というように、

自分の意見と、普遍的な視座とを、
行ったり来たり、

大切なのは、この、
「行ったり来たりできる筋力」を
鍛えていくことではないだろうか。

自分の意見のありかがわからない、
そこを見ようともしない場合には、
「行ったり来たり」の筋力が鍛えられるはずもなく、
そもそも、自分がどこに立っているかもわからない。

まず、自分の意見を書く。

そこから、
自分の意見と、普遍的なものの見方とを
何度も行ったり来たりすることで、

自分の書くものは、
自分と乖離することなく、
徐々に、より広く、より多くの人に通じる
普遍的な出口に進んで行ける!

「普遍性があり、かつ、書く歓びがある」

と私は思う。

ツイートするFacebookでシェアする

………………………………………………………………………

お申込みはこちらから
https://www.kinjo-gakuin.net/event/open/

お問い合せは→金城学院大学 入試広報部
TEL:0120-331791

………………………………………………………………………

「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
題名を「山田ズーニーさんへ」として、
postman@1101.com までメールでお送りくださいね。
★仕事のご依頼はここに送らないでください。
山田ズーニーtwitter( @zoonieyamada )へお願いします。
または山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をおたずねください。


お申込みはこちらから
→https://www.kinjo-gakuin.net/event/open/
※終了しました
お問い合せ 金城学院大学 入試広報部
TEL:0120-33-1791 Mail:nyushi@kinjo-u.ac.jp


お申込みはこちらから
→https://001.webexpo.jp/exhibition/USS
※終了しました
●お問い合わせは
株式会社ウチダシステムズ フェア事務局
TEL:03-3537-0888
e-mail:ussfair2021@uchida-systems.co.jp
*「ほぼ日」に問い合わせないようお願いします。


お申込みはこちらから
→http://www.kinjo-gakuin.net/event/open/202107/
※終了しました
お問い合せ 金城学院大学 入試広報部
TEL:0120-33-1791  Mail:nyushi@kinjo-u.ac.jp


お申込みURL:https://forms.gle/CWB7PorRGe9BJkYx6
※終了しました
お問い合せ先:北日本新聞就職情報センター(kinet) 
メールアドレス:kitanippon.kinet@gmail.com 
電話:076-445-3337(平日9:00〜17:00)「とやま就活」まで


【満員御礼!】この講座は満席になりました。
キャンセル待ちも締め切りました。
たくさんのお申込みありがとうございました。

宣伝会議 表現力養成コース

編集・ライター養成講座20周年記念講座

山田ズーニー専門クラス
——–伝わる・揺さぶる!文章を書く

山田ズーニーです。
私は、これまで北は北海道から南は鹿児島まで、
大学・高校生から
ビジネスマン・プロのライターから作家まで
幅広い層に、数えきれないほど表現講座を開いてきました。
その原型が生まれたのが、
宣伝会議の編集・ライター養成講座でした。
現在も講師をつとめており、毎回、
受講者に次のような声をいただき手ごたえを感じています。

 

・自分の想いの根幹を探るという経験を
こんなにじっくりと時間をかけてやったことはなかった、
得難い経験でした。

・終了したとき、この講義の意図が
身体にしみわたるように理解できた。
コミュニケ―ションが苦手だったが、
非常に楽しく有意義に受講できた。

・自己開示が苦手だったが、一気に開くことができた。

・現実の出来事を多角的に見て、表現のヒントを探すことは
全ての実務に活かせると思います。

・自分の可能性を信じようと思えた。
自分はつまらない人間ではない。

今回20周年を記念して、ご担当者の、
「この先を行く特別な講座をひらきたい。
表現力をつけたい気持ちはあるものの、
そもそも自分に伝えたいことはあるのか、
と悩む人も多く、その人たちに、
自分を貫くテーマを発見したり、
相手の心に響くように伝えるコミュニケーション力を
つけたりできる場を提供したい。」
という志に共感しました。
2時間×12コマで、
文章表現の本格的な基礎づくりから始まって、
相手に伝わる表現、社会に説得力を持って書く、
さらに、自分にしか書けない主題を発見して書く!
までを責任を持ってサポートします。
ひとりでは気づけない自分の潜在力も、
多彩な仲間とともに引き出しあえるから開花します!
表現を通して他の受講者と心底通じ合える
「感動」の授業です。
心を揺さぶる文章を書きに、ぜひ、来てください。

あなたには書く力がある。

●詳細・お申し込み・お問い合わせは、すべて
こちらのページから
(株)宣伝会議 教育事業部 担当:小林Tel.03-3475-3030まで
*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。


表現して人とつながる勇気のレッスン!



『理解という名の愛がほしい。』
河出文庫

会社を辞めた私がツラかったのは、まわりが
平日の昼間うろうろしている
無職のおばさんと見ることだった。

それまで仕事をがんばって経験を積んできた
他ならぬ私をわかってほしい。

この発想・考え・想い・感性が、
かけがえなく必要とされたい。

理解という名の愛がほしい。

「理解されたいなら、自分を表現しなきゃだめだ。」

やっとそう気づいた私は、
インターネットの大海原で
人生はじめての表現へ漕ぎ出した。


山田ズーニーワークショップ満員御礼!

いったんウェイトリストを締め切ります。

2017年6月開講したワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」
にたくさんのお申込みをありがとうございました。

大好評で即日満席、
2期、3期、4期と増設するも追いつかず、
1年待ちのウェイトリストのみ受け付けておりましたが、
現在までに12期分のお申込みがあり、
2年待ち以上の方が出てくる見込みが強くなりました。

責任を持って対応するため、
ここでいったんウェイトリストを締め切ります。

言葉の表現力をつけたいと
申し込んでくださった方々の想いを大切に
受け入れを進めてまいります。

 

●この講座に対するすべてのお問い合わせはこちらへ。

お問い合わせ先 
毎日文化センター東京 TEL03-3213-4768

http://www.mainichi-ks.co.jp/m-culture/each.html?id=699

2018年以降、東京開催、詳細未定、1年待ち。

*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。

 

ワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」

――3回で一生ものの書く力・話す力が育つ

書くことによって、人は考える。
自分の内面を言葉で深く正しく理解する。
そのことにより、納得のいく選択ができるようになり、
意志が芽生える。

さらに、

言いたいことを、相手に響くように伝えられるようになる。
インターネット時代に、広く社会に
説得力を持って自分の考えを発信できるようになる。

書く力=想い言葉で表現するチカラを鍛えれば、
自分を知り、自分を表現することができる。

自分の想う人生を、この現実に書いて創っていける。

あなたには表現力がある。

山田ズーニーワークショップ型実践講座、
2017年6月東京で開講しました!


「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
題名を「山田ズーニーさんへ」として、
postman@1101.comまでメールでお送りくださいね。

注:講演など仕事の依頼メールは、
上記アドレスに送らないでください。
山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)に
直接ご連絡いただくか、
山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をお問い合わせのうえで、
ご依頼くださいますようおねがいします。


★出演情報などお知らせのあるときは
 山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)にも掲載します。



『半年で職場の星になる!
 働くためのコミュニケーション力』
 ちくま文庫

あなたが職場の星になる!コミュニケーション術の決定版。
一発で信頼される「人の話を聞く技術」、
わかりやすい報告・説明・指示の仕方、
職場の文書を「読む技術」、社会人としてメールを「書く技術」。
「上司を説得」するチカラ、通じる「お詫び」、クレーム対応、
好感をもたれる自己紹介・自己アピールのやり方。
人を動かし現場でリーダーシップを発揮する表現力から、
やる気が湧き・上司もうなる目標の立て方まで。
この1冊で仕事のフィールドで通じ合い、チームで成果を出していける!
自由はここにある!


ラジオで、山田ズーニーが、
『おかんの昼ごはん』について話しました!

録音版をぜひお聞きください。
「ラジオ版学問ノススメ」(2012年12月30日~)
 インターネット環境があれば、だれでもどこからでも
無料で聴けます。
 聴取サイトは、http://www.jfn.co.jp/susume/
 (MP3ダウンロードのボタンをクリックしてください)
 または、iTunesからのダウンロードとなります。


ほんとうにおかげさまで本になりました!
ありがとうございます!


『おかんの昼ごはん』河出書房新社
「親の老い」への哀しみをどう表現していいかわからない
私のような人は多いと思います。
読者と表現しあったこの本は、思い切り泣けたあと、
胸の奥が温かくなり、自分の進む道が見えてきます。
この本が出来上がったとき、おもわず本におじぎをし、
想いがこみ上げいつまでもいつまでも本に頭をさげていました。
大切な人への愛から生まれ、その先へ歩き出すための一冊です。



『「働きたくない」というあなたへ』河出書房新社
「あなたは社会に必要だ!」
ネットで大反響を巻き起こした、おとなの本気の仕事論。
あなたの“へその緒”が社会とつながる!



『新人諸君、半年黙って仕事せよ』
―フレッシュマンのためのコミュニケーション講座(筑摩書房)
私は新人に、「だいじょうぶだ」と伝えたい。
「あなたには、コミュニケーション力がある」と。
            ――山田ズーニー。



『人とつながる表現教室。』河出書房新社
おかげさまで「おとなの小論文教室。II」が文庫化されました!
文庫のために、「理解という名の愛がほしい」から改題し、
文庫オリジナルのあとがきも掲載しています。
山田はこれまで出したすべての本の中でこの本が最も好きです。



『おとなの進路教室。』河出書房新社
「自分らしい選択をしたい」とき、
「自分はこれでいいのか」がよぎるとき、
自分の考えのありかに気づかせてくれる一冊。
「おとなの小論文教室。」で
7年にわたり読者と響きあうようにして書かれた連載から
自分らしい進路を切りひらくをテーマに
選りすぐって再編集!



▲文庫版でました!
 あなたの表現がここからはじまる!

『おとなの小論文教室。』 (河出文庫)


ラジオ「おとなの進路教室。」
http://www.jfn.co.jp/otona/

おとなになっても進路に悩む。
就職、転職、結婚、退職……。
この番組では、
多彩なゲストを呼んで、「おとなの進路」を考える。
すでに成功してしまった人の
ありがたい話を聞くのではない。
まさに今、自分を生きようと
もがいている人の、現在進行形の悩み、
問題意識、ブレイクスルーの鍵を
聞くところに面白さがある。
インターネット、
ポッドキャスティングのラジオ番組です。



「依頼文」や「おわび状」も、就活の自己PRも
このシートを使えば言いたいことが書ける!
相手に通じる文章になる!

『考えるシート』文庫版、出ました。



『話すチカラをつくる本』
三笠書房

NHK教育テレビのテキストが文庫になりました!
いまさら聞けないコミュニケーションの基礎が
いちからわかるやさしい入門書。


『文庫版『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
ちくま文庫

自分の想いがうまく相手に伝わらないと悩むときに、
ワンコインで手にする「通じ合う歓び」のコミュニケーション術!


『17歳は2回くる―おとなの小論文教室。III』
河出書房新社


『理解という名の愛が欲しいーおとなの小論文教室。II』
河出書房新社


『おとなの小論文教室。』
河出書房新社


『考えるシート』講談社


『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
筑摩書房</small



『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
PHP新書

内容紹介(PHP新書リードより)
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、
私たちは日々、文章を書いている。
どんな小さなメモにも、
読み手がいて、目指す結果がある。
どうしたら誤解されずに想いを伝え、
読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?
自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、
心を揺さぶる表現の技術。
(書き下ろし236ページ)



関連コンテンツ

今日のおすすめコンテンツ

「ほぼ日刊イトイ新聞」をフォローする