おとなの小論文教室。

受験のテクニックとして、小論文の書き方を勉強した?
その後は、ナイスなテキストを書いていますか?
考えること伝えることの愉快を、ここで味わいましょう。
ありがたいことに、小論文というものを
考えたり、たのしんだり、たくさん読んできた
カジュアルで優しい先生がいるんです。
さぁ、山田ズーニー先生、お願いしまーす。

Lesson1089
「胆力」で、理不尽に備える

睡眠がきちんと取れていて、
自炊を毎日忙しくても、少しでも、
健康的な食材を使ってやり、
ささやかでも運動を続けていれば、

つまり、
睡眠と食事と運動の習慣ができていれば、

物事に向かう「胆力」みたいなものが違う。

その胆力みたいなものがあれば、
不安に揺らいでも、芯までは揺るがず、
気落ちしても、落ち込んでしまうことはなく、

ものごとの受けとめ方がまるで違う。

………………

生きていくには、
いろいろなツライことがある。

私が近年、ツラいと感じるのは、
人の「負の感情を浴びる」ことだ。

失敗をして「迷惑がられる」ことも、
期待にそえず「がっかりされる」ことも、
個性を主張して「嫌われる」ことも、
人から負の感情を浴びることに違いはないが、

なかでも、とりわけ
内臓をえぐられるようにツライのは、

「理不尽に」人の負の感情を浴びることだ。

「わかってもらえない」、
という日常のちょっとしたことから、
無理解、誤解。
きっとこれが大きくなると、
社会的に差別や偏見と言われるとこまで
いってしまうのだろう。

これらに共通するのは、

たとえていえば、
ある人の内面が白でも、
まわりの人々からは黒と解釈される、
というように、

「本人の内実」と「外の人々の解釈」が
くいちがうことだ。

内実と外がくいちがうと、
本人に緊張がうまれ、
外の人々に負の感情がうまれ、
本人は、人々の負の感情を浴びてしまう。

本人のそれまでの努力の積み重ねとは、
まったく無関係に、
何かの手違いやミス、先入観、
運命のいたずらによって、
人の負の感情を浴びる時、

「理不尽」

を感じる。

「理不尽に備える」にはどうしたらいいんだろう?

さいきん私は、
人から見ればちっぽけな、
理不尽を浴びることがあった。

緊張がはしった。

しばらくして、みぞおちの下、
おへその奥あたりの内臓がぐるぐるした。

「そういえば、前もこんなことあったな‥‥」

2年くらい前、
理不尽に人の負の感情を浴びてしまったことがあった。

2年前と同じようなシチュエーション、
同じように内臓がぐるぐるしはじめ、
その時の感覚がリアルによみがえってきた。

次の瞬間、

「あれ、なんかちがう‥‥」

なんか、どっかが、というより全体的に、
負の受けとめ方が、
2年前とはカラダの感覚として、はっきりちがう。

何かな、これ、
と考えて、この言葉が出てきた。

「胆力」

武道とか、そういう方が言っていたのを
聞いたことはあっても、
自分では、これまでの人生で
ほぼつかったことのない言葉、

けど、この時の感覚に、
これ以上しっくりくる言葉はなかった。

2年前は、
人の負の感情が、
なんのヨロイも服も皮もない、
「むき身」の内臓にグリグリ入ってくる感覚だった。
一瞬で芯までやられてしまった。
回復にも時間がかかった。

けど、2年を経て、
うっすら、「はねかえすチカラ」を感じるのだ。

ポヨンと弾力のある何かが、
内臓の手前で守ってくれてる感じ。
うっすらだけど、はねかえそうとしている。

にもかかわらず、
人の負の感情は強く、
グリグリ内臓に入ってこようとする。

けど、2年前のように、
気づいたら芯まで刺さっていたということがなく、
刺さるスピードがちょっとだけ遅く、
そこに一瞬の余裕ができる。

その一瞬をとらえて考えた。

「人から負の感情を浴びたからといって、
なんで自分まで揺らぐんだ?」

人から何を言われたって、
自分で自分を信じていれば揺らがない。

揺らぐな自分。

自分はここまで頑張ってきた。
信じられる自分を思い出せ。

「この両親のもとに生まれ‥‥」

と、私は、自分のルーツをたどり、
努力してきたこと、
のりこえてきたこと、花咲いたこと、
自信につながる人生の事実を、
一つ、また、一つ、口に出して言ってみた。

すると、その言葉を受けて、
胆力みたいなものが強められるのを感じた。
ふたたび負の感情をはねかえそうとしている。

結局、ツライことはツライし、
ダメージは受けたけれども、
前ほど一瞬でボロクソにやられはしなかった。

希望が湧いた。

「胆力」

ここ2年で変わったことと言えば、

「初級」だった運動が、中級へと進み、
さらに進んで「上級」になったこと。

自炊は、質素だけれど、
体によい食材を選んでコツコツ頑張って続けている。
メタボ気味の家族のために
お酒の勉強をした結果、酒から離れ、
もう1年半以上、まったく口にしていないのも、
飲食の習慣で大きく変わったところだ。

そして、睡眠に対する意識も習慣も変わった。
とくにストレスがある時は、「眠り以外に効くものはない」
くらいの勢いでたくさん、たくさん、眠るようにしている。

どれも1日1日は小さいけれど、
運動と食事と睡眠、コツコツコツコツ、
鍛錬を積み重ねてきてその結果、

「胆力」

みたいなものができている!と実感があった。

胆力のあるなしは大きい。
同じツライことでも受け止め方がまるで違う。

2年前、私はそれがなかったんだな。
だから一瞬で、モロ、やられた。

「理不尽に備える」

何か一つあげるとしたら、私は、
睡眠・食事・運動習慣からくる胆力をあげる。

いざというとき自分を守ってくれる「胆力」。

これからもつくっていこう、
と、私は思う。

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キャンセル待ちも締め切りました。
たくさんのお申込みありがとうございました。

宣伝会議 表現力養成コース

編集・ライター養成講座20周年記念講座

山田ズーニー専門クラス
——–伝わる・揺さぶる!文章を書く

山田ズーニーです。
私は、これまで北は北海道から南は鹿児島まで、
大学・高校生から
ビジネスマン・プロのライターから作家まで
幅広い層に、数えきれないほど表現講座を開いてきました。
その原型が生まれたのが、
宣伝会議の編集・ライター養成講座でした。
現在も講師をつとめており、毎回、
受講者に次のような声をいただき手ごたえを感じています。

 

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身体にしみわたるように理解できた。
コミュニケ―ションが苦手だったが、
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・現実の出来事を多角的に見て、表現のヒントを探すことは
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「この先を行く特別な講座をひらきたい。
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心を揺さぶる文章を書きに、ぜひ、来てください。

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●詳細・お申し込み・お問い合わせは、すべて
こちらのページから
(株)宣伝会議 教育事業部 担当:小林Tel.03-3475-3030まで
*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。


表現して人とつながる勇気のレッスン!



『理解という名の愛がほしい。』
河出文庫

会社を辞めた私がツラかったのは、まわりが
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かけがえなく必要とされたい。

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「理解されたいなら、自分を表現しなきゃだめだ。」

やっとそう気づいた私は、
インターネットの大海原で
人生はじめての表現へ漕ぎ出した。


山田ズーニーワークショップ満員御礼!

いったんウェイトリストを締め切ります。

2017年6月開講したワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」
にたくさんのお申込みをありがとうございました。

大好評で即日満席、
2期、3期、4期と増設するも追いつかず、
1年待ちのウェイトリストのみ受け付けておりましたが、
現在までに12期分のお申込みがあり、
2年待ち以上の方が出てくる見込みが強くなりました。

責任を持って対応するため、
ここでいったんウェイトリストを締め切ります。

言葉の表現力をつけたいと
申し込んでくださった方々の想いを大切に
受け入れを進めてまいります。

 

●この講座に対するすべてのお問い合わせはこちらへ。

お問い合わせ先 
毎日文化センター東京 TEL03-3213-4768

http://www.mainichi-ks.co.jp/m-culture/each.html?id=699

2018年以降、東京開催、詳細未定、1年待ち。

*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。

 

ワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」

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書くことによって、人は考える。
自分の内面を言葉で深く正しく理解する。
そのことにより、納得のいく選択ができるようになり、
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言いたいことを、相手に響くように伝えられるようになる。
インターネット時代に、広く社会に
説得力を持って自分の考えを発信できるようになる。

書く力=想い言葉で表現するチカラを鍛えれば、
自分を知り、自分を表現することができる。

自分の想う人生を、この現実に書いて創っていける。

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山田ズーニーワークショップ型実践講座、
2017年6月東京で開講しました!


「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
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注:講演など仕事の依頼メールは、
上記アドレスに送らないでください。
山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)に
直接ご連絡いただくか、
山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をお問い合わせのうえで、
ご依頼くださいますようおねがいします。


★出演情報などお知らせのあるときは
 山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)にも掲載します。



『半年で職場の星になる!
 働くためのコミュニケーション力』
 ちくま文庫

あなたが職場の星になる!コミュニケーション術の決定版。
一発で信頼される「人の話を聞く技術」、
わかりやすい報告・説明・指示の仕方、
職場の文書を「読む技術」、社会人としてメールを「書く技術」。
「上司を説得」するチカラ、通じる「お詫び」、クレーム対応、
好感をもたれる自己紹介・自己アピールのやり方。
人を動かし現場でリーダーシップを発揮する表現力から、
やる気が湧き・上司もうなる目標の立て方まで。
この1冊で仕事のフィールドで通じ合い、チームで成果を出していける!
自由はここにある!


ラジオで、山田ズーニーが、
『おかんの昼ごはん』について話しました!

録音版をぜひお聞きください。
「ラジオ版学問ノススメ」(2012年12月30日~)
 インターネット環境があれば、だれでもどこからでも
無料で聴けます。
 聴取サイトは、http://www.jfn.co.jp/susume/
 (MP3ダウンロードのボタンをクリックしてください)
 または、iTunesからのダウンロードとなります。


ほんとうにおかげさまで本になりました!
ありがとうございます!


『おかんの昼ごはん』河出書房新社
「親の老い」への哀しみをどう表現していいかわからない
私のような人は多いと思います。
読者と表現しあったこの本は、思い切り泣けたあと、
胸の奥が温かくなり、自分の進む道が見えてきます。
この本が出来上がったとき、おもわず本におじぎをし、
想いがこみ上げいつまでもいつまでも本に頭をさげていました。
大切な人への愛から生まれ、その先へ歩き出すための一冊です。



『「働きたくない」というあなたへ』河出書房新社
「あなたは社会に必要だ!」
ネットで大反響を巻き起こした、おとなの本気の仕事論。
あなたの“へその緒”が社会とつながる!



『新人諸君、半年黙って仕事せよ』
―フレッシュマンのためのコミュニケーション講座(筑摩書房)
私は新人に、「だいじょうぶだ」と伝えたい。
「あなたには、コミュニケーション力がある」と。
            ――山田ズーニー。



『人とつながる表現教室。』河出書房新社
おかげさまで「おとなの小論文教室。II」が文庫化されました!
文庫のために、「理解という名の愛がほしい」から改題し、
文庫オリジナルのあとがきも掲載しています。
山田はこれまで出したすべての本の中でこの本が最も好きです。



『おとなの進路教室。』河出書房新社
「自分らしい選択をしたい」とき、
「自分はこれでいいのか」がよぎるとき、
自分の考えのありかに気づかせてくれる一冊。
「おとなの小論文教室。」で
7年にわたり読者と響きあうようにして書かれた連載から
自分らしい進路を切りひらくをテーマに
選りすぐって再編集!



▲文庫版でました!
 あなたの表現がここからはじまる!

『おとなの小論文教室。』 (河出文庫)


ラジオ「おとなの進路教室。」
http://www.jfn.co.jp/otona/

おとなになっても進路に悩む。
就職、転職、結婚、退職……。
この番組では、
多彩なゲストを呼んで、「おとなの進路」を考える。
すでに成功してしまった人の
ありがたい話を聞くのではない。
まさに今、自分を生きようと
もがいている人の、現在進行形の悩み、
問題意識、ブレイクスルーの鍵を
聞くところに面白さがある。
インターネット、
ポッドキャスティングのラジオ番組です。



「依頼文」や「おわび状」も、就活の自己PRも
このシートを使えば言いたいことが書ける!
相手に通じる文章になる!

『考えるシート』文庫版、出ました。



『話すチカラをつくる本』
三笠書房

NHK教育テレビのテキストが文庫になりました!
いまさら聞けないコミュニケーションの基礎が
いちからわかるやさしい入門書。


『文庫版『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
ちくま文庫

自分の想いがうまく相手に伝わらないと悩むときに、
ワンコインで手にする「通じ合う歓び」のコミュニケーション術!


『17歳は2回くる―おとなの小論文教室。III』
河出書房新社


『理解という名の愛が欲しいーおとなの小論文教室。II』
河出書房新社


『おとなの小論文教室。』
河出書房新社


『考えるシート』講談社


『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
筑摩書房</small



『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
PHP新書

内容紹介(PHP新書リードより)
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、
私たちは日々、文章を書いている。
どんな小さなメモにも、
読み手がいて、目指す結果がある。
どうしたら誤解されずに想いを伝え、
読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?
自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、
心を揺さぶる表現の技術。
(書き下ろし236ページ)



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