おとなの小論文教室。

受験のテクニックとして、小論文の書き方を勉強した?
その後は、ナイスなテキストを書いていますか?
考えること伝えることの愉快を、ここで味わいましょう。
ありがたいことに、小論文というものを
考えたり、たのしんだり、たくさん読んできた
カジュアルで優しい先生がいるんです。
さぁ、山田ズーニー先生、お願いしまーす。

Lesson1084
応援するとはどういうことか

ほんとうに相手が喜ぶ応援になっているだろうか?

アイドルの応援、
スポーツ選手の応援、
連載マンガ家など作家の応援、
受験をがんばってる我が子の応援、などなど、

もしも相手にとって、
ありがた迷惑になっているとしたら?

喜ばれる応援と「どこが」違うんだろう。

私は、それを、「読者の声」に学んだ。

先週のコラムに寄せられた読者の声、
さっそく一緒に見てみよう!

(*先週のコラムは→こちら

…………………………………………………

<寸前で不安をつぶやくのを止めた私>

こんにちは。
今週の「おとなの小論文教室。」を読みました。
まさに私にとってタイムリーな話題でしたので
思わずメールを書きます。

私は毎週月曜に更新される某サイトの日記を
読むことを楽しみにしています。

週明けの月曜は気分が乗らず
仕事が捗らないことが多々あるため、
この日記を心の拠り所としている節があります。

ところが、通常お昼ごろに更新される日記が
今週はなかなか更新されませんでした。

私は不安になり、

更新されない理由をあれこれと考えました。

日記には最近著者の体調不良についての
記述が増えてきていたので、
それが悪化したのではないかとか、
仕事の出先で何か不都合なことが起こった
のではないかとか、
色々と思いを巡らせました。

日記がいつもの時間に読めない
と思うと落ち着かず、

その不安な気分を公につぶやこうとさえしました。

ですが寸前のところで手を止めました。

月曜に更新することは
著者と読者の特別な約束事ではないこと。
(通常そのペースというだけで特に決まっていません)、

私の不安を他人に撒き散らしても
日記が読めるようになるわけではないこと。

さらに

知らず知らず日記に依存している自分が
恥ずかしくなりました。

他人のプライベートを覗くより
自分の生活を充実させるのが先だ
と思い至りました。

著者からすれば、
不安に駆られた私は悪い意味で
「そんなふうにとるかなぁ」でした。

しかも私は著者が発信したことではなく、
著者が何も発信していないことにまで
とやかく理由を付けようとしていました。

沈黙にまで反応しようとするなんて重症です。

ちなみにその後
程なくして日記は更新されました。

自分が書く側だとしたら伝え方を隅々まで考え抜く、

読む側だとしたら書かれたものを全力で受け止める、
そこに不安や憶測を持ち込まない。

読む側としての節度も試されているのだな
と改めて思いました。

文章、特にインターネット上で更新される文章との
良いお付き合いの方法を日々考え続けようと思います。

…………………………………………………

いいなあ! このかた。

考え方が素敵で光っている。

「火の無い所に煙が立つ」インターネット。

“更新が無い、体調を崩したんだろうか”
と、だれか、たった1人がつぶやく。

すると、それが、
おなじく不安にかられ検索していた人の
目にとまる。

すると、その人が、
“いったいどこが悪いんだろう?”
とつぶやく。

それを見たまた1人が、
“えっ! 先日亡くなった有名人みたいに癌とかやめてよ”
と、つぶやき、

それをたまたま目にしたもう1人が‥‥、と

不安が不安を呼び、憶測が憶測を生み、
なんにもないところに重病説までもちあがる。

そういうつぶやきは悪い風評に、

見たクライアントが
“体調が悪いようだから依頼をひかえよう”
となる。

だから、

「不安をネットにつぶやかないでいてくれて、
思いとどまってくださって、本当にありがとう!」

と私からもこの読者に御礼を言いたい気持ちだ。

それ以上に、この読者から学んだのは、
「応援するとはどういうことか」だ。

というのも、私は常日頃、

ひと口に“アイドルのファン”と言っても、
SNSにくりひろげている世界観は、
人によりずいぶん違う、と思っていた。

ファンどうし言い争ったり、
運営やアーティストに不満を言ったり、
やがてアンチにまわって攻撃したり、
と、あまり楽しそうに見えない人もいる。

一方で、ファンの人々からも慕われている、
「ファンの鑑(かがみ)」のような人もいる。

私が注目していた「ファンの鑑」のような人は、

アイドルグループのメンバー全員に、
わけへだてなく愛を注ぎ、

世の中が、メンバー不祥事とか、
解散危機の噂とか、熱愛の噂に騒然となっても、
まったく動じず、平常どうりに、
メンバーやそのパフォーマンスを愛し、

この愛は尽きず、

同じファンどうしからも好かれ、尊敬され、
どんどん仲間や友達が増え、

海外のコンサートも自由に行けるようにと、
仕事の選択を工夫し、キャリアを伸ばし、
お金を稼ぎ、語学にも磨きをかけ、

好きなもので世界を自由に飛び回っている。

「応援すればするほど
自分も相手も自由にする人と、
自分も相手も辛くなる人、
いったい何がちがうんだろうか?」

その問いが、今回の「読者の声」で1つ解けた。

「表現者の何を受け取るか?」

読者はこういう意味のことを言っている。

「私は表現者が表現したことではなく、
表現者が何も発信していないことにまで
とやかく理由を付けようとしていた。

沈黙にまで反応しようとするなんて重症。

受けとる側は“表現されたもの”を
全力で受け止める、
そこに不安や憶測を持ち込まない。」

たしかに!

応援するほど辛くなっていく人が、
熱愛の噂とか、明かされない活動休止の理由とか、
「何も発信してないこと」にまで、「沈黙」まで、
反応しているのに対し、
「ファンの鑑」さんは、一貫して

「表現されたもの」にのみ全力で反応している。

CDやDVDなどをすべて買う、
曲を聴きこむ、パフォーマンスを繰り返し見て味わう、
作品の理解が深い、のはあたりまえ、

それ以上に、とにかくよくライブに行っている。

日本のライブはもちろんだけど、
アジア、アメリカ、ヨーロッパと、
時間を使って、労力を使って、
お金をきれいにつかって、

生の表現に、じかに、しょっちゅう触れている。

だからブレない。

それ以外の憶測をしない、というのもあるが、
それだけライブに行って、
そのために仕事もがんばって、
作品の視聴に時間をかけていたら、
憶測する暇がないのも現実。

「表現されたものを全力で受け止める」

これを、受験期の子どもを応援する、
ということで言えば、

子どもの話を全力で聴いているか?

子どもの言おうとしていることをまるで聴かず、
何も言ってないことにまで、沈黙にまで、
自分の不安や憶測でとやかく理由づけして、
あれこれうるさく言ってないか。

私は今回、読者の声に、
「受け手の品格」を教えられた。

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お問い合せは→金城学院大学 入試広報部
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「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
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【満員御礼!】この講座は満席になりました。
キャンセル待ちも締め切りました。
たくさんのお申込みありがとうございました。

宣伝会議 表現力養成コース

編集・ライター養成講座20周年記念講座

山田ズーニー専門クラス
——–伝わる・揺さぶる!文章を書く

山田ズーニーです。
私は、これまで北は北海道から南は鹿児島まで、
大学・高校生から
ビジネスマン・プロのライターから作家まで
幅広い層に、数えきれないほど表現講座を開いてきました。
その原型が生まれたのが、
宣伝会議の編集・ライター養成講座でした。
現在も講師をつとめており、毎回、
受講者に次のような声をいただき手ごたえを感じています。

 

・自分の想いの根幹を探るという経験を
こんなにじっくりと時間をかけてやったことはなかった、
得難い経験でした。

・終了したとき、この講義の意図が
身体にしみわたるように理解できた。
コミュニケ―ションが苦手だったが、
非常に楽しく有意義に受講できた。

・自己開示が苦手だったが、一気に開くことができた。

・現実の出来事を多角的に見て、表現のヒントを探すことは
全ての実務に活かせると思います。

・自分の可能性を信じようと思えた。
自分はつまらない人間ではない。

今回20周年を記念して、ご担当者の、
「この先を行く特別な講座をひらきたい。
表現力をつけたい気持ちはあるものの、
そもそも自分に伝えたいことはあるのか、
と悩む人も多く、その人たちに、
自分を貫くテーマを発見したり、
相手の心に響くように伝えるコミュニケーション力を
つけたりできる場を提供したい。」
という志に共感しました。
2時間×12コマで、
文章表現の本格的な基礎づくりから始まって、
相手に伝わる表現、社会に説得力を持って書く、
さらに、自分にしか書けない主題を発見して書く!
までを責任を持ってサポートします。
ひとりでは気づけない自分の潜在力も、
多彩な仲間とともに引き出しあえるから開花します!
表現を通して他の受講者と心底通じ合える
「感動」の授業です。
心を揺さぶる文章を書きに、ぜひ、来てください。

あなたには書く力がある。

●詳細・お申し込み・お問い合わせは、すべて
こちらのページから
(株)宣伝会議 教育事業部 担当:小林Tel.03-3475-3030まで
*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。


表現して人とつながる勇気のレッスン!



『理解という名の愛がほしい。』
河出文庫

会社を辞めた私がツラかったのは、まわりが
平日の昼間うろうろしている
無職のおばさんと見ることだった。

それまで仕事をがんばって経験を積んできた
他ならぬ私をわかってほしい。

この発想・考え・想い・感性が、
かけがえなく必要とされたい。

理解という名の愛がほしい。

「理解されたいなら、自分を表現しなきゃだめだ。」

やっとそう気づいた私は、
インターネットの大海原で
人生はじめての表現へ漕ぎ出した。


山田ズーニーワークショップ満員御礼!

いったんウェイトリストを締め切ります。

2017年6月開講したワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」
にたくさんのお申込みをありがとうございました。

大好評で即日満席、
2期、3期、4期と増設するも追いつかず、
1年待ちのウェイトリストのみ受け付けておりましたが、
現在までに12期分のお申込みがあり、
2年待ち以上の方が出てくる見込みが強くなりました。

責任を持って対応するため、
ここでいったんウェイトリストを締め切ります。

言葉の表現力をつけたいと
申し込んでくださった方々の想いを大切に
受け入れを進めてまいります。

 

●この講座に対するすべてのお問い合わせはこちらへ。

お問い合わせ先 
毎日文化センター東京 TEL03-3213-4768

http://www.mainichi-ks.co.jp/m-culture/each.html?id=699

2018年以降、東京開催、詳細未定、1年待ち。

*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。

 

ワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」

――3回で一生ものの書く力・話す力が育つ

書くことによって、人は考える。
自分の内面を言葉で深く正しく理解する。
そのことにより、納得のいく選択ができるようになり、
意志が芽生える。

さらに、

言いたいことを、相手に響くように伝えられるようになる。
インターネット時代に、広く社会に
説得力を持って自分の考えを発信できるようになる。

書く力=想い言葉で表現するチカラを鍛えれば、
自分を知り、自分を表現することができる。

自分の想う人生を、この現実に書いて創っていける。

あなたには表現力がある。

山田ズーニーワークショップ型実践講座、
2017年6月東京で開講しました!


「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
題名を「山田ズーニーさんへ」として、
postman@1101.comまでメールでお送りくださいね。

注:講演など仕事の依頼メールは、
上記アドレスに送らないでください。
山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)に
直接ご連絡いただくか、
山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をお問い合わせのうえで、
ご依頼くださいますようおねがいします。


★出演情報などお知らせのあるときは
 山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)にも掲載します。



『半年で職場の星になる!
 働くためのコミュニケーション力』
 ちくま文庫

あなたが職場の星になる!コミュニケーション術の決定版。
一発で信頼される「人の話を聞く技術」、
わかりやすい報告・説明・指示の仕方、
職場の文書を「読む技術」、社会人としてメールを「書く技術」。
「上司を説得」するチカラ、通じる「お詫び」、クレーム対応、
好感をもたれる自己紹介・自己アピールのやり方。
人を動かし現場でリーダーシップを発揮する表現力から、
やる気が湧き・上司もうなる目標の立て方まで。
この1冊で仕事のフィールドで通じ合い、チームで成果を出していける!
自由はここにある!


ラジオで、山田ズーニーが、
『おかんの昼ごはん』について話しました!

録音版をぜひお聞きください。
「ラジオ版学問ノススメ」(2012年12月30日~)
 インターネット環境があれば、だれでもどこからでも
無料で聴けます。
 聴取サイトは、http://www.jfn.co.jp/susume/
 (MP3ダウンロードのボタンをクリックしてください)
 または、iTunesからのダウンロードとなります。


ほんとうにおかげさまで本になりました!
ありがとうございます!


『おかんの昼ごはん』河出書房新社
「親の老い」への哀しみをどう表現していいかわからない
私のような人は多いと思います。
読者と表現しあったこの本は、思い切り泣けたあと、
胸の奥が温かくなり、自分の進む道が見えてきます。
この本が出来上がったとき、おもわず本におじぎをし、
想いがこみ上げいつまでもいつまでも本に頭をさげていました。
大切な人への愛から生まれ、その先へ歩き出すための一冊です。



『「働きたくない」というあなたへ』河出書房新社
「あなたは社会に必要だ!」
ネットで大反響を巻き起こした、おとなの本気の仕事論。
あなたの“へその緒”が社会とつながる!



『新人諸君、半年黙って仕事せよ』
―フレッシュマンのためのコミュニケーション講座(筑摩書房)
私は新人に、「だいじょうぶだ」と伝えたい。
「あなたには、コミュニケーション力がある」と。
            ――山田ズーニー。



『人とつながる表現教室。』河出書房新社
おかげさまで「おとなの小論文教室。II」が文庫化されました!
文庫のために、「理解という名の愛がほしい」から改題し、
文庫オリジナルのあとがきも掲載しています。
山田はこれまで出したすべての本の中でこの本が最も好きです。



『おとなの進路教室。』河出書房新社
「自分らしい選択をしたい」とき、
「自分はこれでいいのか」がよぎるとき、
自分の考えのありかに気づかせてくれる一冊。
「おとなの小論文教室。」で
7年にわたり読者と響きあうようにして書かれた連載から
自分らしい進路を切りひらくをテーマに
選りすぐって再編集!



▲文庫版でました!
 あなたの表現がここからはじまる!

『おとなの小論文教室。』 (河出文庫)


ラジオ「おとなの進路教室。」
http://www.jfn.co.jp/otona/

おとなになっても進路に悩む。
就職、転職、結婚、退職……。
この番組では、
多彩なゲストを呼んで、「おとなの進路」を考える。
すでに成功してしまった人の
ありがたい話を聞くのではない。
まさに今、自分を生きようと
もがいている人の、現在進行形の悩み、
問題意識、ブレイクスルーの鍵を
聞くところに面白さがある。
インターネット、
ポッドキャスティングのラジオ番組です。



「依頼文」や「おわび状」も、就活の自己PRも
このシートを使えば言いたいことが書ける!
相手に通じる文章になる!

『考えるシート』文庫版、出ました。



『話すチカラをつくる本』
三笠書房

NHK教育テレビのテキストが文庫になりました!
いまさら聞けないコミュニケーションの基礎が
いちからわかるやさしい入門書。


『文庫版『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
ちくま文庫

自分の想いがうまく相手に伝わらないと悩むときに、
ワンコインで手にする「通じ合う歓び」のコミュニケーション術!


『17歳は2回くる―おとなの小論文教室。III』
河出書房新社


『理解という名の愛が欲しいーおとなの小論文教室。II』
河出書房新社


『おとなの小論文教室。』
河出書房新社


『考えるシート』講談社


『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
筑摩書房</small



『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
PHP新書

内容紹介(PHP新書リードより)
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、
私たちは日々、文章を書いている。
どんな小さなメモにも、
読み手がいて、目指す結果がある。
どうしたら誤解されずに想いを伝え、
読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?
自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、
心を揺さぶる表現の技術。
(書き下ろし236ページ)



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