Lesson1080
読者の声 ―
人は、ただ想いを表現できるだけで
2023-07-05
少年の孤独は、ケタちがいだった。
小学校に入るとき、
彼は、「時間割」がなんなのかわからなかった。
どういうものなのか、何につかうのか、さっぱり。
先生は、
「ただ、やる気のない子」
「言ってもしかたがない子」
と片づけてしまった。
学校時間の歯車は、時間割で回っている。
生徒も、先生も、職員も、保護者も‥‥。
彼だけが、時間割のない世界にいて、
学校の歯車から完全にはぐれてしまった。
この方のことを書いた先週の
「人は、ただ想いを表現できるだけで」に、
読者からお便りが届いた!
…………………………………………
<声>
こんばんは。本日更新の
「人はただ、想いを表現できるだけで」の、
時間割がわからなかった男の子の話を読んで
メールします。
私も幼少期、同じ経験をしました
(という人、多かったりして汗)。
自分の場合は、
視力がすごく低かったからなのですが、
よく見えていないことを周りに気づかれず、
自分でも知覚できてなかったので、色んな面で
「一生懸命やってるけど、皆んなと同じようにできない。
どうも自分はバカに生まれついたみたい」
と感じていました。
周りから一段下に扱われても、恥ずかしくても、
バカなのに一人前に憤ってはならない、、、
とヘンな照れ笑いを返すだけだったことも覚えています。
その後は、渡邊さんのような壮絶な人生ではない、
視力検査をもとに色々手を打ってもらえる
幸せな人生になりましたが、あの頃の
「世界には私の声は届かない」
って感覚は残っています。
もし声を出せたとしても、
ほかの人と同等に扱ってもらえなさそう、
そもそも
「普通の人と同じことを感じてはいけないんだ」
という感じ。
今、とっさに感情を隠すクセがあるのですが、
そのとき思考は
「普通の人はこういうとき、どうするんだっけ?
怒るんだっけ? 泣くんだっけ?
間違えたら変人だから気をつけなきゃ」
という動きをしてるので、
もしかして、あの幼少期が影響してるのかなあ、
と思ったり、
それとも皆んな同じなのかなあと思ったり。
そんなことを考えてメールしました。
毎週水曜日の更新を楽しみにしています。
丁寧に心を探られている記事を読むと、
それこそ、こちらの気持ちも昇華されるときがあります。
(S)
…………………………………………
ズーニーです。
「世界には私の声は届かない」
という言葉が、深く深く心にしみた。
声は届いているか?
教室に、「時間割」のわからない子はいないか。
大多数が「わかってあたりまえ」のことを
なんらかの事情で「わかれなくてあたりまえ」なのに、
取り残されてしまっている人はいないだろうか。
「そんな人はいない」、ことに
されてしまっている人はいないだろうか。
「できない子」「へんな人」のレッテルを
貼るスピードが、いまの世の中、早すぎる。
難しいことだけれど、
できない子のレッテルを貼る、その前に、
へんな人の烙印を押す、その前に、
「声を聴こう」
と、私は思う。
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『おかんの昼ごはん』について話しました!
録音版をぜひお聞きください。
●「ラジオ版学問ノススメ」(2012年12月30日~)
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無料で聴けます。
聴取サイトは、http://www.jfn.co.jp/susume/
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ほんとうにおかげさまで本になりました!
ありがとうございます!
▲『おかんの昼ごはん』河出書房新社
「親の老い」への哀しみをどう表現していいかわからない
私のような人は多いと思います。
読者と表現しあったこの本は、思い切り泣けたあと、
胸の奥が温かくなり、自分の進む道が見えてきます。
この本が出来上がったとき、おもわず本におじぎをし、
想いがこみ上げいつまでもいつまでも本に頭をさげていました。
大切な人への愛から生まれ、その先へ歩き出すための一冊です。
『「働きたくない」というあなたへ』河出書房新社
「あなたは社会に必要だ!」
ネットで大反響を巻き起こした、おとなの本気の仕事論。
あなたの“へその緒”が社会とつながる!
『新人諸君、半年黙って仕事せよ』
―フレッシュマンのためのコミュニケーション講座(筑摩書房)
私は新人に、「だいじょうぶだ」と伝えたい。
「あなたには、コミュニケーション力がある」と。
――山田ズーニー。
▲『人とつながる表現教室。』河出書房新社
おかげさまで「おとなの小論文教室。II」が文庫化されました!
文庫のために、「理解という名の愛がほしい」から改題し、
文庫オリジナルのあとがきも掲載しています。
山田はこれまで出したすべての本の中でこの本が最も好きです。
『おとなの進路教室。』河出書房新社
「自分らしい選択をしたい」とき、
「自分はこれでいいのか」がよぎるとき、
自分の考えのありかに気づかせてくれる一冊。
「おとなの小論文教室。」で
7年にわたり読者と響きあうようにして書かれた連載から
自分らしい進路を切りひらくをテーマに
選りすぐって再編集!
▲文庫版でました!
あなたの表現がここからはじまる!
『おとなの小論文教室。』 (河出文庫)
ラジオ「おとなの進路教室。」
http://www.jfn.co.jp/otona/
おとなになっても進路に悩む。
就職、転職、結婚、退職……。
この番組では、
多彩なゲストを呼んで、「おとなの進路」を考える。
すでに成功してしまった人の
ありがたい話を聞くのではない。
まさに今、自分を生きようと
もがいている人の、現在進行形の悩み、
問題意識、ブレイクスルーの鍵を
聞くところに面白さがある。
インターネット、
ポッドキャスティングのラジオ番組です。
「依頼文」や「おわび状」も、就活の自己PRも
このシートを使えば言いたいことが書ける!
相手に通じる文章になる!
『考えるシート』文庫版、出ました。
『話すチカラをつくる本』
三笠書房
NHK教育テレビのテキストが文庫になりました!
いまさら聞けないコミュニケーションの基礎が
いちからわかるやさしい入門書。
『文庫版『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
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自分の想いがうまく相手に伝わらないと悩むときに、
ワンコインで手にする「通じ合う歓び」のコミュニケーション術!
『17歳は2回くる―おとなの小論文教室。III』
河出書房新社
『理解という名の愛が欲しいーおとなの小論文教室。II』
河出書房新社
『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
PHP新書
内容紹介(PHP新書リードより)
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、
私たちは日々、文章を書いている。
どんな小さなメモにも、
読み手がいて、目指す結果がある。
どうしたら誤解されずに想いを伝え、
読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?
自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、
心を揺さぶる表現の技術。
(書き下ろし236ページ)
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