おとなの小論文教室。

受験のテクニックとして、小論文の書き方を勉強した?
その後は、ナイスなテキストを書いていますか?
考えること伝えることの愉快を、ここで味わいましょう。
ありがたいことに、小論文というものを
考えたり、たのしんだり、たくさん読んできた
カジュアルで優しい先生がいるんです。
さぁ、山田ズーニー先生、お願いしまーす。

Lesson1087
表明しておく

自己が表現されないとき人は虚しい。

場合によっては、
自分の真ん中に穴があく。

自己表現は人間の本能的希求。

だから人は、自分の想いで、
人とかかわっていこうとする。

けど、これはハードルが高い。

当然、相手にわかってもらえないことも、
否定されることも、攻撃されることもある。

「もしも、自分の想いを伝えたとしても、
わかってもらえないどころか
相手を苦しめるだけだとしたら、
それでも、伝えるか、伝えないか?」

私は、今年、
この問いに「伝えない」選択をした2人の
生々しい体験談を、じかに聞く機会を得た。

その1人は、

以前ここでも紹介した
依存症を克服された人の体験談だ。

彼は、幼い頃、
働きに出なければならない母親に、
“さみしい”を伝えようとしたところ、
親が予想以上に困惑したことに驚き、
まわりからも咎められ。

以降、その想いを殺す選択をした。

「もしも自分の想いを伝えたとしても、
永遠にかなわないし、相手を苦しめるだけなら、
言ってもしょうがない、想ってもいけない」

という道を選んだ。

彼は、中学から依存症と自傷行為を繰り返すことになる。

私は、大きな衝撃を受け、
こう思わずにはおられなかった。

「人は、ただ想いを表現できるだけで」

かなわなくても、言ったら親が苦しんでも、
さみしいの「感情」はあっていい。

誰にも見せない日記に書く、とか、
短歌を詠む人なら短歌に、絵を描く人は絵に、

相手に言えなくても、
ただ何かに、どっかに、表現するだけで、
想いは出口を得るし、
自分をいたわることができる。

2人目は、

これから書く本のために
取材させてもらったもので、
内容は言えないのだが、

その女性は、

「もしも、自分の想いを伝えたとしても、
わかってもらえないどころか
みんなを苦しめるだけだとしたら、伝えない」

という選択をしただけでなく、さらに、

「自分の想いと真反対なことを、
みんなを喜ばせるために頑張ってやりきろう」
とした。

長期間にわたって、自分の想いを殺し、
相手やまわりのために頑張り続けたところ、
彼女は、死をおもいつめるようになった。
もちろん、そこをのりこえて、
現在、元気にされているので安心してほしいのだが。

お2人の話から、
人間の「想い」の強さに打ちのめされるような気がした。

自分の「想い」ひとつ、
言わずにすませられる、無きものにできる、と、
多くの人が思いがちだ。

しかし、実際やってみると本能に逆らう行為で。

お一人目の人のように、
自傷というかたちで自分を傷つけてでも、
お二人目の人のように、
場合によっては自分の存在が消えそうになってでも、
人は想いを果たそうとする。

彼女の話を聴き終わって強く思ったのは、

「表明しておく」

ことの大切さだ。

ことが起こる前に、
まわりを巻き込む前に、
引き返せなくなる前に、
ふだんの何気ない場で、
まずは気持ちの通じる1人の人に、

自分の想いをきちんと表明しておく。

「自分はこういうことが嫌だ。」
「自分はこういうやり方が好きだ。」
「自分はこうしたいと思っている。」と。

ちいさな例をあげよう。

例えば、SNSに、
しょっちゅうママ友の愚痴を書いている人がいる。

自分は大人数のママ友の集まりが苦手だと、
今日も嫌々行って、こんな嫌な想いをしたと。

たぶんはたから見ている人は、
「だったら行かなければいいのに」
と思うだろう。

しかし、いざ誘われ、流れができてしまってから、
そこで断るのはハードルが高い。

もちろん、集まりの最中に、
「私はこんな集まりは嫌だ」というのは、
それよりも、もっとめちゃくちゃハードルが上がるし、
大きな波風が立つ。

済んでから言ってもしょうがないし、相手にも気の毒だ。

まだ誘われないうちに、
なんにもない日常で、
まずは気持ちの通じる1人に、
しっかりと言葉を選んで自分の想いを表明しておく。

例えばこんなふうに、

「ママ友たちの一人一人は好きだし、
あなたのことも好きだし、
お話もしたいと思っている。

でも、どうしてか、
大勢のママ友で集まる場がどうにも苦痛で。

私は、つきあいはいい人間だから、
誘われたら行くし、
これからも断れないのだけど、

私は苦痛に想っている。

これを言ったからって、
あなたにどうこうしてくれというわけじゃないんだけど、
聞いてくれてありがとう。」

相手によいリアクションを期待するわけではないし、
ましてや、相手や周りにどうこうしてくれと
望むわけではない。

「何も望まない」と手放して、表明する。

平常時に、心にゆとりがある時に。

実際、表明を聴いた人が配慮してくれることも多々ある。
そこに期待してはいけないのだけど。

少なくとも、相手や周りが
「知らないために神経を逆なですることを
えんえんと自分にやり続ける」
ということだけは、減るのではないか。

もし、表明しても周りが何一つ変わらなかったとしても、
いざ、どうにも我慢ができなくなった時、
すでに相手や周りが事前に知って
心の準備ができていれば、
話をすすめやすいのではなかろうか。

「表明しておく」

何も求めず、
ただ知ってもらっておく。
ただそれだけで、

「想いはずいぶんラクになる」

と私は思う。

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お問い合せは→金城学院大学 入試広報部
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「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
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【満員御礼!】この講座は満席になりました。
キャンセル待ちも締め切りました。
たくさんのお申込みありがとうございました。

宣伝会議 表現力養成コース

編集・ライター養成講座20周年記念講座

山田ズーニー専門クラス
——–伝わる・揺さぶる!文章を書く

山田ズーニーです。
私は、これまで北は北海道から南は鹿児島まで、
大学・高校生から
ビジネスマン・プロのライターから作家まで
幅広い層に、数えきれないほど表現講座を開いてきました。
その原型が生まれたのが、
宣伝会議の編集・ライター養成講座でした。
現在も講師をつとめており、毎回、
受講者に次のような声をいただき手ごたえを感じています。

 

・自分の想いの根幹を探るという経験を
こんなにじっくりと時間をかけてやったことはなかった、
得難い経験でした。

・終了したとき、この講義の意図が
身体にしみわたるように理解できた。
コミュニケ―ションが苦手だったが、
非常に楽しく有意義に受講できた。

・自己開示が苦手だったが、一気に開くことができた。

・現実の出来事を多角的に見て、表現のヒントを探すことは
全ての実務に活かせると思います。

・自分の可能性を信じようと思えた。
自分はつまらない人間ではない。

今回20周年を記念して、ご担当者の、
「この先を行く特別な講座をひらきたい。
表現力をつけたい気持ちはあるものの、
そもそも自分に伝えたいことはあるのか、
と悩む人も多く、その人たちに、
自分を貫くテーマを発見したり、
相手の心に響くように伝えるコミュニケーション力を
つけたりできる場を提供したい。」
という志に共感しました。
2時間×12コマで、
文章表現の本格的な基礎づくりから始まって、
相手に伝わる表現、社会に説得力を持って書く、
さらに、自分にしか書けない主題を発見して書く!
までを責任を持ってサポートします。
ひとりでは気づけない自分の潜在力も、
多彩な仲間とともに引き出しあえるから開花します!
表現を通して他の受講者と心底通じ合える
「感動」の授業です。
心を揺さぶる文章を書きに、ぜひ、来てください。

あなたには書く力がある。

●詳細・お申し込み・お問い合わせは、すべて
こちらのページから
(株)宣伝会議 教育事業部 担当:小林Tel.03-3475-3030まで
*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。


表現して人とつながる勇気のレッスン!



『理解という名の愛がほしい。』
河出文庫

会社を辞めた私がツラかったのは、まわりが
平日の昼間うろうろしている
無職のおばさんと見ることだった。

それまで仕事をがんばって経験を積んできた
他ならぬ私をわかってほしい。

この発想・考え・想い・感性が、
かけがえなく必要とされたい。

理解という名の愛がほしい。

「理解されたいなら、自分を表現しなきゃだめだ。」

やっとそう気づいた私は、
インターネットの大海原で
人生はじめての表現へ漕ぎ出した。


山田ズーニーワークショップ満員御礼!

いったんウェイトリストを締め切ります。

2017年6月開講したワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」
にたくさんのお申込みをありがとうございました。

大好評で即日満席、
2期、3期、4期と増設するも追いつかず、
1年待ちのウェイトリストのみ受け付けておりましたが、
現在までに12期分のお申込みがあり、
2年待ち以上の方が出てくる見込みが強くなりました。

責任を持って対応するため、
ここでいったんウェイトリストを締め切ります。

言葉の表現力をつけたいと
申し込んでくださった方々の想いを大切に
受け入れを進めてまいります。

 

●この講座に対するすべてのお問い合わせはこちらへ。

お問い合わせ先 
毎日文化センター東京 TEL03-3213-4768

http://www.mainichi-ks.co.jp/m-culture/each.html?id=699

2018年以降、東京開催、詳細未定、1年待ち。

*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。

 

ワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」

――3回で一生ものの書く力・話す力が育つ

書くことによって、人は考える。
自分の内面を言葉で深く正しく理解する。
そのことにより、納得のいく選択ができるようになり、
意志が芽生える。

さらに、

言いたいことを、相手に響くように伝えられるようになる。
インターネット時代に、広く社会に
説得力を持って自分の考えを発信できるようになる。

書く力=想い言葉で表現するチカラを鍛えれば、
自分を知り、自分を表現することができる。

自分の想う人生を、この現実に書いて創っていける。

あなたには表現力がある。

山田ズーニーワークショップ型実践講座、
2017年6月東京で開講しました!


「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
題名を「山田ズーニーさんへ」として、
postman@1101.comまでメールでお送りくださいね。

注:講演など仕事の依頼メールは、
上記アドレスに送らないでください。
山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)に
直接ご連絡いただくか、
山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をお問い合わせのうえで、
ご依頼くださいますようおねがいします。


★出演情報などお知らせのあるときは
 山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)にも掲載します。



『半年で職場の星になる!
 働くためのコミュニケーション力』
 ちくま文庫

あなたが職場の星になる!コミュニケーション術の決定版。
一発で信頼される「人の話を聞く技術」、
わかりやすい報告・説明・指示の仕方、
職場の文書を「読む技術」、社会人としてメールを「書く技術」。
「上司を説得」するチカラ、通じる「お詫び」、クレーム対応、
好感をもたれる自己紹介・自己アピールのやり方。
人を動かし現場でリーダーシップを発揮する表現力から、
やる気が湧き・上司もうなる目標の立て方まで。
この1冊で仕事のフィールドで通じ合い、チームで成果を出していける!
自由はここにある!


ラジオで、山田ズーニーが、
『おかんの昼ごはん』について話しました!

録音版をぜひお聞きください。
「ラジオ版学問ノススメ」(2012年12月30日~)
 インターネット環境があれば、だれでもどこからでも
無料で聴けます。
 聴取サイトは、http://www.jfn.co.jp/susume/
 (MP3ダウンロードのボタンをクリックしてください)
 または、iTunesからのダウンロードとなります。


ほんとうにおかげさまで本になりました!
ありがとうございます!


『おかんの昼ごはん』河出書房新社
「親の老い」への哀しみをどう表現していいかわからない
私のような人は多いと思います。
読者と表現しあったこの本は、思い切り泣けたあと、
胸の奥が温かくなり、自分の進む道が見えてきます。
この本が出来上がったとき、おもわず本におじぎをし、
想いがこみ上げいつまでもいつまでも本に頭をさげていました。
大切な人への愛から生まれ、その先へ歩き出すための一冊です。



『「働きたくない」というあなたへ』河出書房新社
「あなたは社会に必要だ!」
ネットで大反響を巻き起こした、おとなの本気の仕事論。
あなたの“へその緒”が社会とつながる!



『新人諸君、半年黙って仕事せよ』
―フレッシュマンのためのコミュニケーション講座(筑摩書房)
私は新人に、「だいじょうぶだ」と伝えたい。
「あなたには、コミュニケーション力がある」と。
            ――山田ズーニー。



『人とつながる表現教室。』河出書房新社
おかげさまで「おとなの小論文教室。II」が文庫化されました!
文庫のために、「理解という名の愛がほしい」から改題し、
文庫オリジナルのあとがきも掲載しています。
山田はこれまで出したすべての本の中でこの本が最も好きです。



『おとなの進路教室。』河出書房新社
「自分らしい選択をしたい」とき、
「自分はこれでいいのか」がよぎるとき、
自分の考えのありかに気づかせてくれる一冊。
「おとなの小論文教室。」で
7年にわたり読者と響きあうようにして書かれた連載から
自分らしい進路を切りひらくをテーマに
選りすぐって再編集!



▲文庫版でました!
 あなたの表現がここからはじまる!

『おとなの小論文教室。』 (河出文庫)


ラジオ「おとなの進路教室。」
http://www.jfn.co.jp/otona/

おとなになっても進路に悩む。
就職、転職、結婚、退職……。
この番組では、
多彩なゲストを呼んで、「おとなの進路」を考える。
すでに成功してしまった人の
ありがたい話を聞くのではない。
まさに今、自分を生きようと
もがいている人の、現在進行形の悩み、
問題意識、ブレイクスルーの鍵を
聞くところに面白さがある。
インターネット、
ポッドキャスティングのラジオ番組です。



「依頼文」や「おわび状」も、就活の自己PRも
このシートを使えば言いたいことが書ける!
相手に通じる文章になる!

『考えるシート』文庫版、出ました。



『話すチカラをつくる本』
三笠書房

NHK教育テレビのテキストが文庫になりました!
いまさら聞けないコミュニケーションの基礎が
いちからわかるやさしい入門書。


『文庫版『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
ちくま文庫

自分の想いがうまく相手に伝わらないと悩むときに、
ワンコインで手にする「通じ合う歓び」のコミュニケーション術!


『17歳は2回くる―おとなの小論文教室。III』
河出書房新社


『理解という名の愛が欲しいーおとなの小論文教室。II』
河出書房新社


『おとなの小論文教室。』
河出書房新社


『考えるシート』講談社


『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
筑摩書房</small



『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
PHP新書

内容紹介(PHP新書リードより)
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、
私たちは日々、文章を書いている。
どんな小さなメモにも、
読み手がいて、目指す結果がある。
どうしたら誤解されずに想いを伝え、
読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?
自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、
心を揺さぶる表現の技術。
(書き下ろし236ページ)



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