![](images/p_03/01.jpg)
目を覚ますと、すでにフミ子さんは台所に。
お味噌汁のいい香りがただよってます。
ふあぁ。なんて良い朝でしょう。
こちらの家に遊びに来ると、大体いつもこんな感じな私。
寝ぼけた顔で
「おふぁようございます。今日の朝ごはんはなんですか?」だなんて、
昔のお嫁さんならありえないんだろうなぁ‥‥。
![](images/p_03/23.jpg)
ぼんやり頭でぼんやり反省しつつも、
居心地のよさと美味しい香りに包まれて、
実家以上に甘えちゃってるヨメなのでした。
「カオリさんはよく寝れましたかね。
長旅で大変だったろうに、
昨日も遅くまで付き合わしてから」
といつも優しいフミ子さん。
今日の朝ごはんは、庭の朝摘みトマト、出汁巻き玉子、
手作りところてん、具沢山味噌汁とごはんです。
う〜ん、美味しそう‥‥。
![](images/p_03/03.jpg)
と、そこへゆず胡椒が登場。
![](images/p_03/04.jpg)
このラインナップの中で何に使うのかと思いきや、
ツウは、程よきところでお味噌汁にイン!
![](images/p_03/05.jpg)
いりこ出汁と米味噌をつかった甘めの味噌汁は
そのままでも十分に美味しいんですが、
ゆず胡椒がちょこっと入るとこれまた合うんです。
さっきまでの心がぬくもるようなお味噌汁が
「おふくろの味」なら、
新鮮な柚子の香りと唐辛子の程よいパンチが加わることで、
一気に「料亭の味」に大変身。
ゆず胡椒ってすごい。
料理初心者の強い味方を発見しちゃったもようです。
ふふふ。
美味しいごはんで力をつけて、
さぁ柚子の藤嶋さんのお宅へ出発です。
![](images/p_03/06.jpg)
車を走らせること20分。
周りが山と田んぼだけになってきました。
田んぼに映る青空もきもちいい。
目指していた住所の辺りへつくと、
暑い中、藤嶋さんが外へでて待っていてくれました。
![](images/p_03/07.jpg)
▲真ん中が、藤嶋さん。
「ちょっと分かりにくい場所ですけんね。
大丈夫でしたか」
と、藤嶋さん。
今回の旅は、この藤嶋さんに会うのが目的なんです。
藤嶋さんに会って、
木になっている柚子を予約しないと!
で? その、柚子はどこに‥‥?
![](images/p_03/02.jpg)
藤嶋さんのお宅では、奥様とふたりで
いろんな農作物をつくっておられるんだとか。
トマトやキュウリ、茄子、にんにく、桃、お米も。
![](images/p_03/09.jpg)
柚子もそうした農作物のひとつなのですが‥‥
ここではなく、山の中の畑にあるとか。
もちろん見せていただくことに。
さあ、山へ!
山までの道のりは狭くてガタガタなので、
藤嶋さんの軽ワゴンに乗り換えて進みます。
ガタガタ道の揺れに興奮して
「潮騒のメモリー」を熱唱し始めるひとも出現。
![](images/p_03/10.jpg)
そういう時、あまりフミ子さんは反応しません。
車窓から見える山の緑に釘付け。
![](images/p_03/24.jpg)
「ほら、あまちゃんの歌を歌ってるんですよ」
と声をかけるとようやく‥‥
フミ子 「ああぁ。あまちゃんのね。
ヒヨちゃん上手ねえぇ」
とほめてくれました。
車内が混沌としてきたころ、山の中の畑に到着!
![](images/p_03/12.jpg)
そこは畑というイメージとは全然ちがって、
山を切り開いて平らにした場所という感じで、
その中にポツポツと木が生えておりました。
藤嶋 「ここにね、柚子やカボスなんかを植えてます。
ほら、これ、見えます?」
![](images/p_03/13.jpg)
お! いた!
かわいい赤ちゃん柚子がいました。
![](images/p_03/14.jpg)
まだピンポン球よりちょっと小さいくらいの柚子。
こんにちは! 大きくなったら迎えに来るからね!
と、心で盛り上がっていたのに‥‥
藤嶋 「今年は柚子のつきがちょっと良くないんですよね。
あんまり穫れんかもしれません」
![](images/p_03/15.jpg)
えー! どうしよう!?
20kg欲しいのですが、足りないんでしょうか。
藤嶋 「あ、20kg。それは大丈夫でしょうね」
ほーっとひと安心。
ドキドキしたぁ。
藤嶋 「まあ、いろいろ手がかかりますけんね。
こういう山ん中は鹿やらも食べにきますけん。
ほら、この木、下の方が葉っぱないでしょ」
![](images/p_03/25.jpg)
藤嶋 「これ、鹿が食べよるとですよ」
はぁー、鹿がくるんですかー。
うろうろ歩いていたら、足下にふと鶏ふん袋が。
![](images/p_03/11.jpg)
藤嶋 「これが柚子の肥料です。
柚子にはもう、これだけ。
虫もつきませんけん農薬もいらんです。
無農薬にこだわっとるとか
そういうことじゃないんですけどね、
柚子は強いんですわ」
そうなんですね。
だから安心して皮を使えるってわけだ。
いろいろ勉強になります。
![](images/p_03/17.jpg)
藤嶋 「いやぁそれにしても暑いですなぁ。
(この日の気温は35度くらいでした)
そろそろ降りましょうか」
山からの帰り道、
ウワサの鹿に遭遇!!
![](images/p_03/18.jpg)
まだ体に斑点があるからバンビでしょうか。
遠くからじっと澄んだ瞳でこちらを見つめて、
すぅっと山へ消えていきました。
山に鹿はいるといっても、
姿を見かけるのは珍しいんだとか。
こりゃまたラッキー!
ゆず胡椒の神様に
応援してもらっているような気にさえなります。
(えぇ。基本、バカがつく前向き人間なんです)
最後に、藤嶋さんとトモさんで、男の握手を。
![](images/p_03/20.jpg)
トモ 「秋にまた来ます。
美味しいゆず胡椒をつくりに」
ぎゅぎゅっ。
藤嶋さん、本当にありがとうございました!!!
![](images/p_03/21.jpg)
そして楽しかった柚子さがしの旅もおしまい。
東京に帰ってまた普段の生活が始まります。
ゆず胡椒づくりは2ヶ月後の9月。
あのチビ柚子たちが、豊かな山のなかで
どれだけ大きくなってるのか、楽しみです。
![](images/p_03/22.jpg)
フミ子さん、次に来る時はいよいよ、
ゆず胡椒づくりをよろしくお願いします!
(つづきまーす) |