絵を描くふたりは 国境を超えて。  アンネ・ヴァスコ(FIN) + 福田利之(JPN)  〜 ムーミンの国とカッパの国を、いったりきたりの物語 〜
─── しかし、ほんとうに、
ある意味ですごいです、この歌は。
福田 自分でもそう思います。
─── もういっかい、聞いてみましょう。
福田 ‥‥う‥‥うぅ‥‥うわあああ!(止める)
─── なんで再生をとめるんですか?!
福田 恥ずかしい、恥ずかしい、恥ずかしい!
─── だ、大丈夫です福田さん!
そのきもちはみんなもいっしょです!
福田 ああ‥‥。
─── 要するに、そもそもの目的は、
「魂がつながる」ことなんです。
国境を超えて
魂がつながったかどうかが大切なんです。
歌のヘタさは関係ないんですよ。
福田 そ、そうですよね。
─── ‥‥で? どうでしたか? 魂は。
福田 えーっとですね‥‥
あの‥‥うーん‥‥
まったく、何の変化もなかったです。
─── ないんだ。
福田 歌い終わってすぐ、
ふつうに淡々とバーベキューになりました。
─── 何もなかったように。
福田 何もなかったように。
─── そうでしたか‥‥。
福田 でも「歌う」という約束は果たしたので、
もう、よしとします。
─── うーん‥‥。
福田 気を取り直しましょう。
その翌日です。
今度はアンネさんのお宅にお邪魔しました。
─── そうですね、気を取り直して。
アンネさんのおうちへ、1年ぶりに!
福田 はい、行ってきました。
─── これは行くときの電車ですね。
福田 はい。
─── 何を持ってるんですか?
福田 ぼくの誕生日にアンネさんがくれた花です。
─── ほお〜。
福田 お宅に着きました。
─── 1年ぶりのルミちゃんだ!
おおきくなってる!
福田 2歳になったので、
前よりいっぱい
おしゃべりするようになってました。
─── あ、トトロ。
福田 お土産に、トトロを。
─── ‥‥ところで福田さん、
なんでシャツに
カリフォルニアって書いてあるんですか?
福田 あ、これは(笑)。
─── 日本の妖怪が
カリフォルニアと書かれたシャツを着て
フィンランドにいるっていうのは、これ、
わけがわからない状態です。
福田 向こうでずっと言われてました。
「何でカリフォルニアなんだ」って。
─── 黄色が着たかっただけなんですよね?
きっと。
福田 そのとおりです。
─── あれ? この男の子は?
福田 コンスタンくんです。
ルミちゃんのお兄ちゃん。
─── へえー、お兄ちゃんはじめまして。
福田 お兄ちゃんには、ゴジラの人形をお土産に。
─── また歓迎されてますねぇ、福田さん。
福田 はい。
アンネさんの作品も見せてもらいました。
─── おお、やはり絵を前にすると、
ふたりとも顔つきが変わりますね。
福田 そうでしょうか。
─── ええ‥‥。

福田 そうだ、それで急に、
「ふたりで絵を描こう」ってなったんです。
─── 絵を。
福田 アンネさんの家族がいつもいっしょにいる
リビングの暖炉のわきの壁に、
絵を描くことになりました。
─── 壁に‥‥。
福田 自由に描いていいとおっしゃるので、
ぼくが描いていたら、
アンネさんも描きはじめたんです。
─── はあー。
─── ああ‥‥。
─── すごい‥‥。
─── すばらしいです、ふたりとも。
─── ‥‥そうかぁ、そういうことかぁ。
福田 なんですか?
─── やっぱり絵を描く人は、
「絵」で魂がつながるんですね。
福田 え‥‥。
─── 歌じゃなかった。
福田 い、いまさら!(笑)
─── 申し訳ない。
福田 そんな謝られても‥‥。
─── ごめんなさい福田さん、
まったく、歌じゃなかった!
福田 えええーーーー?!(笑)。
─── そうです、あたりまえです、
ふたりは「絵」でつながってください!
福田 ‥‥ま、まあ、
ぼくも、うすうす、
そうなんじゃないかなぁとは思っていました。
─── すみませんでした!
福田 これが‥‥オチ?
─── いやいや、まだ終わりではないです。
‥‥ほらほら、この写真。
これはICレコーダー。
ということは‥‥。
福田 そう、第2のミッションです。
─── インタビュー。
福田 インタビュー。
─── アンネさんへインタビュー。
ここでやったんですね。
福田 はい、ここで。
─── 聞きましょう。
福田 聞きますか‥‥。
─── 聞きますよ。
(つづきまーーす)

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2011-04-30-SAT