絵を描くふたりは 国境を超えて。  アンネ・ヴァスコ(FIN) + 福田利之(JPN)  〜 ムーミンの国とカッパの国を、いったりきたりの物語 〜
カッパの愛称ですっかりおなじみ、 イラストレーター・福田利之さんが、 フィンランドの女性アーティストと 「2人展」を開くことになりました。 相方のお名前は、アンネ・ヴァスコさん。 いまフィンランドで最も期待されている作家のひとりです。 「福田さん、すごいじゃないですか! ここはひとつ、応援をさせてください!」 と熱いきもちをたっぷり込めているうちに、 なんだか風変わりな応援コンテンツに仕上がりました。 風変わりですが、真剣です。 どうぞのんびりお付き合いください。 ほぼ日・山下の担当でお送りします。

アンネ・ヴァスコさんプロフィール 福田利之さんプロフィール
その1 ふたりの出合いは。 2011-04-27
その2 いってらっしゃい福田さん。 2011-04-28
その3 おかえりなさい福田さん。
2011-04-29
その4 ごめんなさい福田さん。 2011-04-30
その5 インタビューをする福田さん。 2011-05-01
インタビュー終了。
そして、2人展へ!
2011-05-02

─── いつもはコーヒーのお話
お会いしている福田さんですが。
福田 はい。
─── きょうはそれとはちがう企画で。
福田 またお世話になります。
─── よろしくお願いします。
福田 お願いいたします。
─── またぼくが相手で(山下)、申し訳ありません。
新鮮さがなくて。
福田 いえいえ、とんでもない、
緊張しないで話せるのでありがたいです。
─── お気遣いのことば、ありがとうございます。

さて、「絵」ですね。
イラスト。
今回は、福田さんの本業のお話。
福田 そうです、はい。
─── いきなりですが、
コンテンツのタイトルを考えておきました。
これです。
福田 ほおー。
「絵を描くふたりは、国境を超えて。」
ほおー。
─── つまりは、こういうことかなぁと。
ちょっとなんだか
結婚するふたりみたいですけどね。
福田 ほんまや(笑)。
─── そういうことではなく。
福田 そういうことではなく。
─── ちがう国のアーティストが出合うお話です。

アンネ・ヴァスコ、
フロム・フィンランド。
福田 はい。
─── 福田利之、
フロム・ジャパン。
福田 はい、ニッポン。
─── 「ニッポン」ということで、
きょうはこの和室をご用意したわけです。
福田 あ、そうか、なるほど。
─── ムーミンの国とカッパの国を
いったりきたりの物語。
福田 いったりきたり(笑)。
たしかにそうですね、いったりきたりです。
─── で、どういうコンテンツかというと。
福田 はい。
─── この5月に開催される、
「2人展」を応援する内容になります。
福田 ありがとうございます。
─── 「2人展」のお相手は、
アンネ・ヴァスコさんという
フィンランドの女性作家で。
福田 吉祥寺と、神戸の2カ所で開催します。
くわしくは、ぼくのホームページ
ぜひみにきてください。
─── そもそものお話をきかせてください。
アンネ・ヴァスコさんというかたとは、
どうやってお知り合いに?
福田 えーっと、
1年前にフィンランドで個展をやりまして。
─── それは、レポートしましたよね。
福田 はい。
そのとき向こうでコーディネーターをされてる
森下圭子さんにすごくお世話になって、
─── なるほど、
森下さんがふたりを引き合わせた。
福田 そうです。
「福田さんに紹介したいアーティストがいます。
 そのご家族も紹介したい。
 行きましょう!」
─── 森下さん、すごいバイタリティですからね。
福田 パワフルです。
ぐいぐい進めてくれるんです。
─── 今回も、ぐいぐい紹介していただいた。
福田 いきなりアンネさんのお宅にお邪魔しました。
─── へえーー。
福田 そのときの様子がですね、
ちょっと写真がありますよね。
─── はい、はい。
データをいただいています(パソコンを操作)。
福田 この女性がアンネさんです。
─── おおー。
福田さん、ご自分の絵本を渡してますね。
福田 恥ずかしながらお渡ししました。

で、こちらがアンネさんのご家族です。
もうひとりお兄ちゃんがいるんですけど、
このときはお出かけ中でした。
─── なんだか福田さん、
すごく歓迎されていませんか?
福田 そうなんですよ、
ものすごく歓迎していただいて。
─── アンネさん、すてきな女性ですねー。
福田 ご主人もまたすてきなんです。
ヤーッコさん。
─── 「ヤーッコ」さん?
発音、合ってます?
福田 合ってます。
ヤーッコさんもアーティストなんですよ。
立体作品が特徴的で。
─── わ、すごい。
福田 これもヤーッコさんの作品です。
─── おもしろーーーーい。
福田 そしてお嬢さんの、ルミちゃん。
─── お嬢さんもアーティストっぽいですね(笑)。
福田 彼女はアーティストです、確実に。
─── 「芸術は爆発だー!」
福田 ははははは。
─── バナナをつかって
カッパの餌付けに成功した写真があります。
福田 ふぉふぉふぉふぉふぉ(←笑い声)。
─── それにしても、アンネさんのおうち‥‥。
─── ちょっとした写真がぜんぶ‥‥。
福田 かわいいでしょ?
もう、家のなかにかわいいものが
ぎっしりなんですよ。
どこを撮っても絵になるんです。
─── こういう食器もひとつひとつが‥‥。
─── ちゃんとムーミンもいたりして。
福田 ちょうどイースターだったので、
卵に絵を描いたりしてきました。
─── この場面で絵を描くのは、
ちょっと緊張しましたか。
福田 そうですね、
とくにこのアーティストがじーっと見てるので。
─── ははははは。
福田 カッパを描きました。
─── すばらしい(笑)。
アンネさんたちは、
「カッパ」が何かを知ってるんですか?
福田 日本の妖怪であると。
ぼくがそれに似ていると。
そのあたりはあらかじめ、
森下さんが説明してくれていたみたいです。
─── なにもかもすばらしい(笑)。

ところで、
福田さんのカッパの絵もすばらしいのですが、
このあたりでぜひ、
アンネさんの絵をご紹介したいと思います。
福田 そうですね。
具体的にはアンネさんのホームページ
たくさん作品が公開されているんですけど、
ここでもいくつかお見せしたいですよね。
─── そう思って、勝手ながら、
ぼくの好みでいくつか選んでみました。
福田 さすがです。
─── では、
一気にご紹介いたしましょう。
アンネ・ヴァスコさんの作品の一部です。
福田 すごいですよね。
─── 個人的には、もう、うっとりです。
ポップで、かわいくて、ユーモアがあって。
福田 はい。
─── フィンランド国内でも、
やはり高い評価をされている
作家さんなんですよね?
福田 ええ。
ことしの2月に大きな賞をとられました。
─── 大きな賞。
福田 ルドルフ・コイヴ賞という、
フィンランドでの絵本の最高賞です。
『ムーミン』の作者の、
トーベ・ヤンソンもかつてとったという。
─── へえええー。
福田 この絵本で、その賞をとられました。
─── 当然ですが、
フィンランド語の絵本ですね。
福田 これが、日本語訳で出版されます。
で、その翻訳が、森下圭子さんなんです。
─── すごーい、森下さん。

‥‥福田さん、
ほんとにすごい人と2人展をするんですね。
福田 ありがたいことです。
─── それで、福田さん。
福田 はい。
─── じつは明日、
福田さんはフィンランドに旅立つそうで。
福田 明日、フィンランドに行きます。
フィンエアーに乗って。
─── いったりきたりですね。
福田 いったりきたりです。
─── そこでですよ、福田さん。
福田 はい。
─── ある意味で、このコンテンツは、
ここからが本題になります。
福田 そうですか、ここからですか。
─── はい。
‥‥福田さん、
インタビューをしてきてください。
福田 ‥‥え?
(え? 福田さんがインタビュー?
 つづきまーーす)

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2011-04-27-WED



出合いは、1年前のことでした。
お互いの絵に魅せられたふたりは、約束をひとつ。
「いつか一緒に何かをやりましょう」

この5月、東京・吉祥寺と神戸の2カ所で、
ふたりの約束が果たされます。

この2人展のテーマは、「森」。
会場にはアンネさんの絵本原画も展示されます。

【吉祥寺展】
 会期/2011.5.2(月)〜9(月)
 時間/12:00〜19:00
 会場/ギャラリー・フェブ

【神戸展】
 会期/2011.5.12(木)〜21(土)
 時間/11:00−19:00(最終日は18:00まで)
 会場/ギャラリー・ヴィー

展示会についての詳細は、
福田利之さんのHPでご覧ください。

『ぼくって 王さま』
 作/アンネ・ヴァスコ
 訳/もりしたけいこ
 出版社/講談社
 価格/1,680円(税込)

テキスタイルデザイナーとしても活躍したアンネさんが、
画材に「布」をつかった、
ポップでキュートな絵本です。


ね? 布で描かれているでしょ?

そうそう、
ちなみにこの画像はフィンランド版です。
これを日本語に翻訳したのが、
今回とてもお世話になった、われらの森下圭子さん


かわいいですねー。
ぜひ、日本語版を読んでくださいね。

アンネ・ヴァスコさんはこの絵本で、
2011年のルドルフ・コイブ賞を受賞しました。
『ムーミン』の作者、トーベ・ヤンソンも
この賞を受賞しているんですよ。

日本語版の帯の言葉は、小林聡美さんです。

ぬいぐるみネコ、イエロナの
やんちゃでかわいい物語。
アンネさんの世界を、ぜひあなたのおうちにも!
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