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※通訳/森下圭子さん
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福田 |
はい、あ、もう、スタートしました。
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アンネ |
オッケー?
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福田 |
赤いボタンを押したから大丈夫だと思いますが。
‥‥録れてんのかな、これ?
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アンネ |
ふふふふふ。
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福田 |
はい、えーっとですね、うーん‥‥(笑)。
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アンネ |
がんばってください(笑)。
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福田 |
いまぼくは、フィンランドに来ています。
何で来ているかといいますと‥‥
えーっと、何で来てるんでしたっけ?
えっとですね‥‥。
アンネ・ヴァスコさんに会いに、
やってきています、うん。
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アンネ |
はい。
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福田 |
去年、森下圭子さんに紹介していただいてから、
いつか何かいっしょに、
作家同士なので、
いっしょに何かできたらいいなということで、
それから約1年経ったわけです。
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アンネ |
そうですね。
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福田 |
1年経って、日本で「2人展」を
開催することになりました。
つきましては、
これを機会にアンネさんがどういうかたかを
日本の人にご紹介したいと。
ぼく、福田が、慣れないんですが、
インタビューをしてみたいと思うんです。
オッケーですか?
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アンネ |
もちろん、オッケーです。
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福田 |
はい。
えーっとですね‥‥
何から訊けばいいんでしょうかね、
こういうの(笑)。
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アンネ |
ふふふ。
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福田 |
ええと‥‥。
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アンネ |
‥‥‥‥。
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福田 |
‥‥あ、そうだ、子ども時代。
子どものころのお話をきかせてください。
どうして絵を描こうと思ったんですか?
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アンネ |
それは、答えが長くなる質問です。
いま、自分の小さな子ども、
ルミを見てると思うんですけど、
あたしはちっちゃいころ、
ずーっと何かを描いていて、
それを自分の言語として使っていました。
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福田 |
うん、うん。
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アンネ |
それを描いてるとき、
自分が描いてるときは、
それがすごく安全な場所なんです。
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福田 |
安全な場所。
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アンネ |
すごく、安心できるところだった。
自分の世界にいれることが。
だから絵を描くことはごく自然に。
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福田 |
なるほど。
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アンネ |
それで、職業としては、
いろいろ考えて、
デザイナーという選択肢もあったけど、
フィンランドのこの地場で考えたときには
やっぱり絵本とか子どもの児童文学とか、
そういうところに行き着いたところあります。
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福田 |
そうですか。
アンネさんはこれまでに、
ちょっとこう、なんというか、
ブラックな感じの絵を描かれたりとか、
デザイン的な仕事もされたりとか、
ほんとに多岐にわたってご活躍ですよね。
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アンネ |
たしかに私は、
いろいろな癖を持っているところがあります。
たとえばドローイングだと、
大人向けのややブラックな方向にいったりとか。
常に方向性を探しているようなところがあって、
そういうことで自分がバランスを
保っていたりもするんです。
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福田 |
ああ、なるほど。
うん、わかります。
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アンネ |
探しているんです、常に。
すごくそれは自然の流れで、
いろいろなマテリアルを手にしながら、
手にすることでどんどん分かってくる。
絵を描くときは、
いろいろな素材を手にしているうちに
その素材にぴったりの絵を自分で探してる。
そういう感じだと思います。
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福田 |
頭で考えるよりも、
まず手を動かすことで
作品をどんどん作っていくタイプ。
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アンネ |
はい。
色が、様々な匂いを持ってるんです。
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福田 |
匂い?
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アンネ |
匂い、手触り、見た感じ‥‥。
だから五感がきちんと動いてないと
できないですね。
頭でもいろいろ考えてるけれど、
でもやっぱり、五感が絶対的なところを持ってる。
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福田 |
なるほど、五感が。
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アンネ |
はい。
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福田 |
すこし質問を変えてしまいますが、
今度の「2人展」の
「森」というテーマについては
そう思われますか?
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アンネ |
それは今回の展示の、
すごくたのしみにしている理由のひとつです。
私は長い間、挿し絵の仕事をやってきました。
それは文章を生かすための仕事です。
もちろん、それもたのしいことですが、
今回はもっとのびのびできます。
それがうれしくてしょうがないですね。
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福田 |
なるほど、わかりました。
じゃあ、あの‥‥
あえてこういうこと訊きますけど、
なぜぼくといっしょに
展示をしたいと思ってくださったんですか?
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アンネ |
あー‥‥光栄です(笑)。
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福田 |
ふぉふぉふぉふぉ(←笑い声)。
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アンネ |
なぜ(笑)、そんな質問をするんですか?
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福田 |
いやいやこっちが。
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アンネ |
福田さんの絵を見たときに感じたのは、
世界を広げていくっていうことです。
その、絵だけで。
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福田 |
ありがとうございます。
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アンネ |
だから、去年、
「何かいっしょにやりましょう」
という話になったときも、
福田さんが帰ってから、
ヤーッコとふたりで、
もう、飛び跳ねながら喜んだんですよ!
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福田 |
こちらこそ、うれしかったです‥‥。
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アンネ |
福田さんはすごく喜んでやっている。
喜びを感じました。
この人はすごい情熱をもちながら、
すごく喜んでやってる感じがしたんです。
そしてそれは、
わたしとすごく共通してると思いました。
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福田 |
光栄です、ありがとうございます。
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アンネ |
日本での「2人展」、すごくうれしいです。
もう、ウキウキしちゃって、
たのしみでたのしみで(笑)。
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福田 |
ぼくも、たのしみです。
‥‥ちょ、ちょっと休憩してもいいですか。
(音声ファイル前半終了)
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