ひとつ、ひとつの展示室を巡っていくうちに、
外から展示を”観る”目がいつしか、
展示物のうちから世界をみる目線に
変わっていったように感じました。
指の間から落ちていく
砂のようなきらきらとした瞬間、
天地の間に立ち込める殺気や生気、
祈るように、唸るように
かたち取ろうとする神の存在、
無限に広がる夕闇のなかの
小さな笑いとため息、
愚直にも積みかさねていく
美しいかけらたち・・・
いつしか、観るものまでも
それらと同化され
うちから息づき、鼓動する一体になれたような、
時空を超えてまわり始める
三千世界のような展示でした。
これだけのことをして、人間は、生きてきたんだな。
さまざまな思いをとびこえて、
ひたすらに、今はそう感じています。
このような思いは、すべての人間に届いてほしいです。