- 松岡
- サッカーがうまい人よりうまい人が、
そのまたうまい人よりうまくてプロになり、
そんなプロから選りすぐられた人たちが日本代表。
そう考えると、とてつもないですね。 - 厚志
- 我々なんぞ、足元にも及びません。
ピラミッドの下から見上げて、
太陽がまぶしくて目をそらすレベルです。 - 松岡
- それでも世界を見渡してみると、
日本代表はまだまだ中堅クラスですよね。
下位とは言わないけれど、強い国とは見られていない。
- 厚志
- そう!
あんなに卓越してうまい人たちでも敵わない
「雲の上の世界」が存在するんですよね。
世界トップレベルの試合を観ていると
同じ人間じゃないと思うときがあります。
有名なアルゼンチンのメッシ選手は以前、
「まるでプレイステーションのようだ」と
相手チームの監督に脱帽されてましたね。
テレビゲームみたいで凄すぎると。 - 松岡
- メッシのプレーは人間離れしてますよね。
スローモーションのリプレイを何度見ても
なにが起きたのか理解できないときがある。 - 厚志
- 上には上がいる。
当たり前といえば当たり前ですし、
言葉にすれば平凡な表現なのですが、
「本当にそうだよなあ」と実感を込められるのが
ぼくにとっての日本代表なんですよね。 - 松岡
- そうか、そこがサッカーの、
サッカー日本代表の面白いところ。
ぼくたちはそこが好きなんですよね。 - 厚志
- そうなんです。
ぼくは、ぼくたちは「上には上がいる世界」で
チャレンジし続ける日本代表が大好きなんですよ。
- 松岡
- ワールドカップに出ていない国のなかにも
日本より強そうな国がまだまだありますよね。 - 厚志
- そう!
とくにヨーロッパや南米は強い国が多すぎて、
実力は申し分ないのに惜しくも予選でつまずいて
本大会に出られない「影の強豪国」がいくつもあります。
優勝したフランスや準優勝したオランダでさえ
予選で負けて出場できなかったことがあるくらいで。
世界は広いし、ライバルたちはみんな強い。 - 松岡
- どうでしょう、日本はいつ
ワールドカップで優勝できると思いますか。
女子のなでしこは優勝しましたが、男子の方は。 - 厚志
- サッカーにはジャイアント・キリングという言葉があって、
勝負にならないと思われた強豪チーム対弱小チームで
まれに弱小チーム側が勝つことがあります。
一試合だけを切りとれば、勝負がひっくり返るときがある。
でもワールドカップは計7試合戦いますし、
少なくとも4試合は勝たなきゃいけない。
しかもその4試合は決勝戦や準決勝で、
世界のトップクラスに対して連続勝利が必要になる。
ピラミッドの底辺にいる人間が言うのもなんですが、
まだちょっと時間がかかるのかなあ。 - 松岡
- でも可能性は感じますよね。
- 厚志
- ええ。
最近は本田圭佑選手や香川真司選手、
イングランドで優勝した岡崎慎司選手のように
世界の舞台で活躍している選手が増えています。
地球上で一番の国になるにはまだ遠いけど、そう遠くない。
いつの日かピラミッドの上の、雲の上の世界に
日の丸を立てられる日がくると信じています。
- 松岡
- ぼくたち、いま何歳でしたっけ。
- 厚志
- 38歳です。
- 松岡
- 仮に平均寿命の80歳まで生きるとしたら・・・
- 厚志
- あと10回しか観られないんですよ。
ワールドカップは4年に一度しかありませんので。
それまでに、なんとか優勝してほしいなあ。 - 松岡
- 頑張って長生きしましょう。
- 厚志
- そうですね。
下手なりにフットサルでもして健康を維持して、
ワールドカップを観られる回数を増やします。 - 松岡
- フットサルでは毎回、脚がつって、
周りの人たちに迷惑をかけてますけどね。 - 厚志
- まずは次の2018年ロシア大会に
日本代表が出場できるよう、みんなで応援しましょう。
そもそも本大会に出られなかったら、
その分、優勝できる回数が一回減りますからね。
でも今度のアジア最終予選も一筋縄ではいかなそうだなあ。
でもハリルホジッチ監督には期待できそうだし。
でもでも若い世代の突き上げが足りないし・・・。 - 松岡
- あの。
- 厚志
- はい。
- 松岡
- 熱が入っているところ申し訳ないのですが、
そろそろタイムアップです。 - 厚志
- まだロスタイムがあるでしょう!
- 松岡
- 審判の笛はもう鳴りましたよ。
また我を忘れてしまいましたね。 - 厚志
- いやはや、話が尽きないくらい
サッカー日本代表が好きってことで。 - 松岡
- ぼくたちの「好き」は見つかりました。
今まで気づいていなかったけど、
ちゃんと胸を張って説明できる理由もね。
それではぼくたち、そろそろひとつになりましょう。 - 厚志
- ええ。
- 松岡厚志
- これからも頑張れ、日本代表!
(終わります)