- ――
- あの、今更なんですけど、
モザイクタイルの基準は、
一辺が8センチ以下でしたっけ? - 村山
- ええっと、面積にして、
50平方センチ以下ですね! - ――
- それ以下のタイルは、
みんなモザイクタイルなんですね。 - 村山
- はい。
- ――
- モザイクタイルを並べた柄って、
すごくレトロなものが多い気がするんですが、
職人の人たちはどうやって柄を作っていたんですか? - 村山
- 私もまだちゃんと調べてられていないんですけど、
一つは、その柄を考えるのに洋服のファッション誌などを
参考にしていたみたいです。 - ――
- すごく身近なところのものですね。
京都の古典柄のような古いけど新しい感じっていうか、
初めて見るのに昔からあるような懐かしいさとか、
そういった感じの力のようもの・・・
着物の柄のような雰囲気を感じました。 - 村山
- あながち全然違うものじゃないと思います。
古典柄なんかも着物を参考にしてたみたいなので。 - ――
- 展示を見たときに、部屋に飾りたいとか、
コレクションしたいって思ったのですが、
モザイクタイルには、彫刻のような
アート性があるんでしょうか? - 村山
- うーん。
アート性って、本当はなんでしょうね。
今、全体的に問われてきていると思うんです。
芸術に長けた人でないとできないものなのか。
芸術家っていうものが独立した存在として認められる前は、
日々の人々の、営みの中で生まれているものの中にも、
そうじゃない人たちの生み出してきたものが
生活を彩ってきたわけで。 - ――
- 確かにそうですね。
- 村山
- そういったところが今、
いろんな美術館や博物館でどう見直すかの議論もあって、
そこに対して、
このミュージアムが何かしらの問いかけが
できる可能性があるのかなっていう気もしますね。 - ――
- 面白いですね。
モザイクタイルは建築資材なので、
民芸や工芸でもない、
新しい分野からの問いかけかもしれませんね。 - ――
- そもそも、どうしてモザイクタイルを収集が
始まったんでしょうか? - 村山
- 最初は、自分たちの作ってきたタイルが
建物と一緒に壊されていくので、
「なんかもったいないな」っていうところからですね。 - ――
- それは何年くらい前からですか?
- 村山
- 自分たちが作ってきたものを、
もう一回集めてみようっていうことを始めて、
もう20年近く前らしいです。 - ――
- 20年!そんな前からだったんですね。
- 村山
- はい。
そこから、どんどんタイルが集まって相当な数になってきて、
これは誰かに見せたいっていう思いが高まってきたようで、90年代後半からミュージアム構想みたいな声が
少しずつ高くなってきました。当初は手段として「道の駅」として開発するのが
有効と思って、この制度を使おうとしていたんです。
駅の中で産業振興の一環として、
タイルも売りたいっていうことになっていたんですけど。
2006年、多治見市と笠原町が合併するということになって、
合併特例債という制度を使うことになったのですが、
道の駅にするメリットがあまりないと分かってきて、
道の駅自体は重要じゃないから、
切り離して考えることになったそうです。
それで、もう少し規模を縮小して、場所も検討しなおして、
こういう施設にしようっていう。 - ――
- 元の道の駅には、ミュージアムも
一緒に併設して建てるような構想があったんですか? - 村山
- ミュージアム併設だったのかは、
私もよくは知らないんですけど。
あの、ちょっと聞いた話では、
温泉を作って
タイルいっぱい貼ろうっていうことも・・・ - ――
- そっちの方が、
もしかしたらメインだったのかもしれないですね(笑) - 村山
- その計画がうまくいっていれば、
温泉ができてたかもしれませんね(笑) - ――
- この辺、温泉は出るんですかね?
- 村山
- どうですかね。
多治見市って、意外とないんですよね、天然温泉は。
隣りの土岐市はあるんですけど。 - ――
- あ、そうなんですか。
もしかしたら、掘れば出るかも・・・
もしかしたら、これから出来るかもですね(笑) - 村山
- かもですね。
- ――
- 先日来た時に、館長の各務さんから、
温泉施設に対して、かなり熱い思いがあるって伺ったので、いつかは・・・ - 村山
- ふふふ。(笑)
- ――
- 温泉は載ってなかったですけど、
市役所のHPに、
このミュージアム建設までの流れがわかる年表があって。
最初の構想から、もう10年以上経っていました。 - 村山
- そうですね(笑)
- ――
- 20年前から活動している地元のタイル団体の方たちは、
いつかいつか何かの形でっていう思いが
ずーっと冷めずにあり続けていたんですね。 - 村山
- それに対する思いっていうのは、
館長の各務や事務局長の堀江は、
そうとう強いものがあるので、たぶん語らせたら、
ちょっと一泊していかなきゃいけないくらい(笑) - ――
- ぜひ聞きたいですけどね(笑)
≪※後日聞きまして、第4回以降に載っています!≫
(つづきます)