ぼくとアフリカの出会いは突然やってきました。
ぼくが20才の時、新宿駅行きのバスの隣の
席に偶然座っていたのが、ベナン共和国出身の
ゾマホンさんでした。
ゾマホンさんという方は
約20年前に『ここがヘンだよ 日本人』という
番組にレギュラー出演していた人です。
彼はタレントではなく、
当時は上智大学の院生で留学生でした。
街中でスカウトされてテレビに出演したのですが、
そこで人気者になり、本まで出版するまでにいたりました。
その印税でベナン共和国に小学校を3つ作り、
名前も「たけし小学校」「江戸小学校」「明治小学校」と
名づけました。
「たけし小学校」は『ここがヘンだよ 日本人』の司会を
されていたビートたけしさんに感謝の気持ちを込めて
名づけました。
今もベナン共和国の奥地にあり、子供たちも1,000名以上が
通っています。
そんなゾマホンさんとバスの中で
出会い、新宿駅につくまでのおよそ20分間、小学校のこと
教育のことなどを話しました。
その話の中で衝撃を受けたのは
「日本の世界史の授業ではアフリカ史を学ばないよ。
学んだとしても奴隷政策やアパルトヘイトで暗い歴史ばかり。
アフリカにあった文化や文明は、先進国の日本の教育でも
取り上げられないよ。」
という言葉でした。
なんでも情報が手に入ると思い込んでいたぼくは
その事実に言葉も出ませんでした。
本当の世界とは一体何だろう。
事実を知りたい。
その思いが一気にこみ上げてきました。
そしてぼくは就職という周囲の声に耳も貸さず
ゾマホンさんと一緒になにかをしようと決心しました。
今から思えば不思議な縁で、まったく接点が
なかった二人が、16年前にバスで出会い、
そこから始まりました。