- 糸井
- お相撲さんとかがさ。
- 古賀
- はい。
- 糸井
- 「触らしてください」とかって言われるじゃない。
触って何になるわけじゃないんだけど、
でも「触らしてください」って。
で、実際に触って喜んでくれる人がいる。
お相撲さんだって、ちょっと面倒くさいはずで。 - 古賀
- ふふ。
- 糸井
- でも気休めでその人が元気になるなら、
もうそれでいいのかなって。 - 古賀
- おっしゃる通りですね。
- 糸井
- 僕は古賀さんがやってる仕事よりも
「自分が苗を植えた」みたいな仕事が
いくぶん増えてるんですね。
自分が主役じゃないタイプの仕事が。 - 古賀
- そうですね。
- 糸井
- そうすると、苗から実った米やら果物やらを
食べて喜ぶ人がいるっていう、
その循環そのものを作るようになって
「飽きない面白さ」になったんですよ。
- 古賀
- それは最初から、その喜びを得ようと思って
やったことじゃないですよね。 - 糸井
- そう、大元はね。
解決してほしい問題があるからやる。
って形はとってるけど、でも、
問題がなくてもやりたいんじゃないかな。 - 古賀
- ええ、ええ。
- 糸井
- 僕がおじいちゃんの時計職人だったとしてさ、
近所の中学生が「時計壊れちゃったんだ」。
すかさず「貸してごらん。おじさんは昔、
時計職人だったんだよ」って。
僕の仕事って、そんなことのような気がする。
ただし1回だけ「どうだ」って言わせてほしい(笑)。
- 古賀
- わかります(笑)。
- 糸井
- もう、それで十分だから。
お礼なんて要らないけど、
1回だけ「どうだ」って言わせて感は、
歳を取ってもちょっと残るね。 - 古賀
- 僕もライターの立場からいえば、
そばに編集者がいるので
まずは彼をビックリさせたいと思ってます。
全然期待されてなかったはずの原稿に
120点で返したときの「どうだ」。
そういう喜びはありますね。 - 糸井
- 「100万部の古賀」が、次は何を見せてくれるのか。
- 古賀
- ええ。
- 糸井
- また近いうちにお会いしましょう。
- 古賀
- はい、ぜひ。
- 糸井
- 今日はありがとうございました。
- 古賀
-
ありがとうございました。
(終わります)