もくじ
第1回どんなこども? 2016-12-06-Tue
第2回大人もこどもも一緒 2016-12-06-Tue
第3回私たちができること 2016-12-06-Tue

文学を研究する関西在住の大学院生です。
容姿が母親と瓜二つで、会った人ほとんどに「そっくり!」と言われるほど。
本や映画、音楽の世界に浸る時間が大好きで、将来は海辺に住みたいと考え中です。

母と話す、こどものこと。

母と話す、こどものこと。

担当・あき

第2回 大人もこどもも一緒

子供が自分の気持ちや考えを
うまく表現できるようになったり、
信頼や安心を得るようになったりするには、
お話を聞いてもらう、という経験が大切です。

お話を聞いてもらうという経験を積み重ねて
子供から大人へと歳を重ねていきます。
だから、これは子供に限ったことではないのです。

自分の気持ちを
代弁してくれているかのような
歌詞の曲に出会ったり、
映画を観て、うまく言い表せないけど
どうしようもなく感動したとき、
「これが言いたかった!」と思えるような
レビューに出会って、改めて自分の感動を知る。
こうしたことも、
似ているような気がしますよね。

そうした言葉を得る機会である
お話を聞いてもらうという大切な経験ですが、
子供の世話をしていると、どうしても
子供にかかりっきりではいられません。
仕事があったり用事があったり、
そのときはどうしても子供の希望を
叶えてあげられないことがあります。

子供のうちはそういう状況に直面したときに、
どうして願いを聞いてくれないのか
わからないでしょう。
でも、年を重ねて、仕事をしたり用事が重なったり
するようになっていくうちに、
当時のことを改めて気がつくことができます。

いろいろな経験をしていく中で、
振り返って「ああ悪いことをしたなあ」、
という気持ちが生まれるのは、大人も同じです。
親切な態度や理解しようとしてくれる姿勢を
素直に受け入れることができず、
腹を立ててしまったこと。
相手の状況や事情を慮ることができていなかったこと。
そうしたことに振り返って気づき、
感謝したり後悔していくことで
思いやりの心を育んで大人になっていくのです。

その点では大人も子供も一緒です。
ただ、子供にはその助けがとりわけ必要だ、
ということなのだろうと思います。

また、
じゃあ十分にお話を聞いてあげられなかった
保護者や大人が悪いのかというと、
もちろんそうではありません。

なぜ学意識して学ぶことをしなくても
子育ての方法がわかるかというと、
自分の育てられた方法を覚えていて、
それをお手本にしている部分があるのです。

そう考えると、
お話を聞いてあげられなかった大人もまた、
あまりお話を聞いてもらえなかった
かつての子供なのです。

(つづきます)

第3回 私たちができること