母が臨床心理士として学校に向かうようになって
6年が経ちました。
娘の私はまだ、親になる予定はないものの、
その日は遠くない未来に来るかもしれません。
その時までに、私ができることとして
母がアドバイスしてくれたのは、
意外なことに「自分自身を振り返ること」でした。
その時が来るまで、どんな子供とともに
過ごすことになるかはわかりません。
その子のことは、その子の持ち味に合わせて
やっていくものなので、
ある意味では事前に手の打ちようがないのです。
でも、どんな子と生涯をともにするとしても、
自分自身と一緒にいることは決められたことです。
だから、まず自分のことを
十分に知っておくことから始めるといい、というのです。
自分がどういうことに強いのか、弱いのか。
どういうことが得意で、どういうことが苦手なのか。
どういうときに嬉しくて、どういうときに悲しいのか。
嬉しいときにどんなことをよくして、
怒ったときにどんなことをよくしてしまうのか。
それを自分自身がわかっておくことが大切なのです。
「この性格が嫌だとか、
この性格を直したいとかあるじゃない。
それは『直さないで』って言うの。
『直すのは大変なことだから』って。(笑)
最大の欠点が最大の長所になるってお話をしていくの。
そのままでいいのよ。
別に直さないといけないということもないし、
何かにならないといけないこともないし。
でも、じゃあどうしていこうか? というのを考えるの。
欠点を長所としてを発揮できるよう
考えていったらいいじゃない。
そういう話をする前には、自分がどういう人なのかを
わかってないといけないから。」
そして、自分の幼少期も振り返って、
ずっと引っかかっていることを
紐解いてみることも大切だと言います。
些細なことのはずなのに
ずっと引っかかっていることは、
その時点で「手当て」してもらえなかったこと、
つまりそのお話を聞いてもらえなかったということ。
もしそれが何なのかを理解して、話すことができれば、
新たな思いやりが芽生えるきっかけにも
なるかもしれません。
実家を離れて7年、
一緒に住んでいた頃には全くしなかったような
お話をする機会が得られました。
もし私に子供ができて、この話を思い返したら、
きっとまた違った感じ方をするでしょう。
本当の意味で理解することができることもあれば、
新しく私自身の考えが生まれることも
あるかもしれません。
そんな時は、また母や大切な友人たちに
お話の続きを聞いてもらおうと思います。
数年後、そう遠くない未来が楽しみです。
(おわります。ありがとうございました!)