行列のできる八百屋さん
担当・小森谷 友美
第4回 「八百屋は仕事場じゃなくて、家です」
- 私
-
本当にすごく仕事が楽しそうで。
- 牛島さん
-
楽しいですね。
でも俺、仕事とは思ってない。
仕事・仕事って考えるとウツになっちゃうから。
お店は家だし、庭だし。
自分の家はきれいにしておきたいじゃないですか。
- 私
-
本当に家みたいです!みんな仲が良さそうで、
お店のなかも無駄がないですよね。
どこにどの野菜を置くっていうのも、
自分で考えられたんですか?
- 牛島さん
-
野菜のレイアウトは自分で考えてますね。
じぶんの家だから、「いい眺め」を求めて、
じぶんが見ていて気持ちいいように並べています。
- 私
-
いつも季節の野菜が店頭に並んでいるのが
パッと目に入るので、買いたくなります。
- 牛島さん
-
野菜の色どりもけっこう狙っていますね。
同じ色は、なるべくかぶせないようにしたり。
季節野菜はレジの近くに並べておいて、
「ああこんな野菜が入ってるな」と
パッとわかるようにしたり。
- 私
-
すごく誇りをもっていらっしゃるのが伝わります。
- 牛島さん
-
八百屋であることに、誇りはもっています。
しかも絶対、誰にも負けないっていう。
- 私
-
誰にも負けない。すごい。
八百屋さんはいま、
閉店に追い込まれるところもありますが、
そういったことを気にすることもあるのですか?
- 牛島さん
-
八百屋が減っている、いまこそチャンスで。
こういう路面店の八百屋としては、
お客さんとの信頼関係は、
うまいこと築けている気がします。
- 私
-
信頼関係を築くために、
どんなことを大事にしていらっしゃいますか?
- 牛島さん
-
こっちも素で、いつわりなく付き合うこと、ですかね。
それはお客さん、市場の人、
お店の従業員や、誰に対しても。
だってそれがいちばん気が楽だし。
人相にもでちゃうから(笑)
- 私
-
ばれちゃいますからね。
- 牛島さん
-
人間性みがくには、
八百屋っていい場所だと思うんですよ。
いろんなひとがいるからね。
それに順応していかなきゃいけない。
- 私
-
なるほど‥‥
今日は、すごく良いお話がたくさん聞けて、
とてもおもしろかったです。
最後によかったら、
好きなくだものをおしえてください。
- 牛島さん
-
ももとマンゴーかな。
山梨の塩山のももは、
かたさといい、味といい、好みで。
ももってだいたい、硬いももが好きな派と、
やわらかいのが好きな派と、二分するんです。
俺は硬い派なんです。
- 私
-
シャキシャキするやつですよね。
わたしは‥やわらかい派です。
- 牛島さん
-
やっぱそうでしょ?(笑)
でも「やわらかい派」っていうひとに、
その硬いももを食べさせると、
「ああ、硬いのもおいしい」っていうんです。
ももなんてだいたい、皮のまま食べられるんです。
- 私
-
ええ!皮のままですか!
- 牛島さん
-
そう。洗って、そのままガリッて。
皮にぜんぜんくせがないから。
- 私
-
今年の夏、その硬いももを
皮ごと食べてみます!
- 牛島さん
-
うん、まじでおすすめだから。
- 私
-
今日は本当に、ありがとうございました!
- 牛島さん
-
ありがとうございました。