職場である書店の閉店時間間際に、オフィスに残っていた方にもらった、
岐阜の有名店「すや」の栗きんとん。
「どうぞ〜」と手渡された瞬間、
「あ、やばい。これ、栗だ。」と思いました。
「嫌いなんでいりません」なんて言えるわけもなく、
「かわいい〜!ありがとうございます!」
と、つい受け取ってしまいました。
でも、さっき言った「かわいい〜」は、嘘ではないなと、
その後すぐに思いました。
指先にちょこんと乗るくらい小さくって、丸っこいところ。
白くて薄い紙に包まれていて、
ちょっとだけ中の黄色が透けて見えているところ。
その薄い紙に、手書き風の朱色の文字で
「栗きんとん」って書いてあるところ。
それらが私に、「かわいい」と思わせたからです。
とっさにその姿を記録したいと思い、
深夜0時を回って閉店した、誰もいない真っ暗な店内で、
一人撮影会をしました。
こっちを向かせてみたり、あっちに向かせてみたり、
手に乗せてみたり、本の上に乗せてみたり。
かわいくって楽しくって、とっても愛おしくなりました。
一通り撮影して満足した後、包みを開いてみました。
中には、やっぱりかわいい、薄い黄色の小さなかたまり。
そして・・・
そっとつまんで、食べてみました。
好きじゃないはずなのに。
なぜか一口で、パクリと。
「お・・・お・・・おい・・・し・・・い・・・」
2013年10月1日、深夜0時半を過ぎたその瞬間、
私は、栗に目覚めました。
こんなに美味しいものを、今まで嫌いと思っていたなんて!
天津甘栗も、モンブランも、お正月のおせちに入っている
つやつや輝く栗きんとんも!
なんで今まで食べて来なかったんだろう!?
後悔と、それ以上に、未来への喜びに震えました。
これから私は、栗を食べる!うんと食べるんだ!!!!