もくじ
第1回好き勝手生きたあとに 2017-12-05-Tue
第2回社長としてはじめての小さな仕事 2017-12-05-Tue
第3回同僚でもある母に聞く 2017-12-05-Tue
第4回社長としての決意 2017-12-05-Tue

岐阜で生まれ育ち、現在は東京・武蔵野で家族三人、猫一匹と暮らしています。ファッションを中心に編集やライターの仕事をしています。狂おしいほどナッツが好き。最近のおすすめは中国発のスパイシーピーナッツ。

なりたくなかった“社長”になった日。

なりたくなかった“社長”になった日。

担当・なちまさと

第4回 社長としての決意

今回、家業のことを考えたおかげで
直視せず両手で目を覆っていたぼくに
ヒントをもらえたような気がしている。
家業を継ぐことは重荷でしかないという
先入観にとらわれすぎていたんだと思う。
母が何を考えてきたのか少しは理解できたし、
「守る」ことを優先したゆえの行動なのだ。
そのときの選択は自分とは違う考えだとしても、
母に感謝するべきことはある。
だから、以前のようなあきらめの感情はもうない。
誰にも強制されず自分で選択したことに意味がある。

家業を継いで社長になるというのは
変わらないものを受容することだと思っていた。
決してそうではなく、変化させたければ
変化させていける余地がある。
会社員だってエイヤ! と辞めてみれば
気に入った服に体をフィットさせたくて努力するように
活動範囲も人との交流も自然に広がっていった。
変わることは、こわくない。
本当にこわいのは、変わったつもりで
何も変わろうとしないことなのだ。

家業を継いだことで、
今後大事にしてきたいことがふたつある。
「思いをつなぐこと」
「居場所を作ること」
何かを受け継いでいくのは
見えないバトンを受けとっているようなもの。
ただ、右から左へ渡すようなことではなく、
武道や茶道で使われる“守破離”の言葉のように
段階を踏んで自分なりの創意工夫をすること。
そして、建物があるのだから、
使い方次第で交流地になる。
誰かの止まり木のような存在になれるかもしれない。
日本のおへそに当たる地点にあるから、
企業の中継地としても使えるかもしれない。
開かれたところとして、人が集まれる場を作る。

このふたつを、東京と岐阜を行き来しながら
考え、深め、行動に移していくこと。
まだまだ手探りではあるけれど
あちこちにおでこをぶつけながらでも
回り道することになっても進んでいこうと思う。
半人前の社長は、歩き出したばかり。

(最後まで読んでいただき、ありがとうございました!)