オーディション番組は最高のコンテンツだった
きっかけは、「ASAYAN」というオーディション番組だった。
日曜日の夜、家族団らんのときに見るのが習慣になっていた。
歌手、デザイナーなどのオーディションに臨む人の選考や、
個々の感想や苦悩などの本来なら見ることのできない、
本音を見られるのが面白かった。
さらに「どこにでもいる普通の人」だった彼らが、
どんどんあか抜けていくのにわくわくした。
今でこそそういった素人の反応を楽しめたり、
リアルタイムで明かされていく感があるコンテンツは多いが、
まだ誰もがインターネットを使う時代ではなく、
YouTubeもニコニコ動画もLINELIVEもなかった当時、
10代のわたしにとってこのASAYANは
このうえなく面白いコンテンツだったのだ。
前置きが長くなったが、モーニング娘。は
「シャ乱Q女性ロックボーカリストオーディション」から生まれた。
彼女たちはオーディションの合格者ではなく落選者だった。
合格した人に比べると劣ったところがあるが、
このまま終わらせてしまうのは惜しい、という
可能性を持った最終選考メンバーの5人。
中澤裕子さん、石黒彩さん、飯田圭織さん、
安倍なつみさん、福田明日香さん。
この5人がCD5万枚を5日で売り切ったことで、
モーニング娘。の継続が決まった。
「好きになれる人たち」が現れるのを待ってた
母と祖母はピアノの先生で父も音楽が好き。
土日に車で出かけるときは
必ず歌謡曲のカセットテープが流れてた。
さらに、テレビをつければ何かしらの
歌番組がやっている時代だったので、
比較的いろんな音楽に触れてきたほうではないかと思う。
好きな曲や好きなアーティストはたくさんいたけど、
年齢が近い女性のグループがあまりいない時代だった。
もっと好きになれるグループが登場するのをずっと待っていた。
SPEEDも好きだったしCDも持っていたけど、
ちょっとスキルが高度過ぎて、憧れられる感じではなかった。
もっとこう、手が届きそうで届かない感じの親近感がほしかった。
だからモーニング娘。が生まれたとき、これだ‥‥! と思った。
明るい曲より暗くてかっこいい曲が好きだったので、
『サマーナイトタウン』、『抱いてHOLD ON ME!』の路線にグッと来た。
「ファン」になったのは後藤真希さんの加入から
はじめはものすごく好きなメンバーはいなかった。
彗星のごとく後藤真希さんが加入して、決定的に好きになった。
寺合宿(お寺で合宿を行い、実技のレッスンをさせつつ
本人たちの本気度や協調性を見るという
初期のオーディション恒例の選考方法)
の時から誰ともつるまず、
一人であぐらをかいて
イヤホンで音楽を聴いていた
金髪メッシュのギャルっぽい子。
本人はおそらく集中していただけだが、
その光景を見て「怖っ!」と思った人は多いだろう。
見た目は大人っぽいけど実は13歳。
クールに見えるけど歌声が高めでかわいい。
子どもらしくへにゃっと笑う。
いろんなギャップが面白かった。
また、後藤さんが入ったのをきっかけに
ずっと安倍なつみさんだった
モーニング娘。のセンターに
変化が出たのも個人的には嬉しかった。
どんな子でも主役になれる可能性があるグループ
後藤さんに続いて4期メンバー
(石川梨華さん、吉澤ひとみさん、
辻希美さん、加護亜依さん)が入り、
『ザ☆ピ~ス!』では石川梨華さん、
『Mr.Moonlight 〜愛のビッグバンド〜』
では吉澤ひとみさんがセンターをつとめた。
当時歌もダンスも得意ではなかった2人が
センターになったことでグループの幅が広がった。
モーニング娘。はいろんな子がいて、
ども子も主役になれる可能性があるところが
魅力のひとつだと思う。
ほかのグループに関しては固定制もいいなと
思うこともあるが、モーニング娘。に関しては
いろんな子がセンターになるグループでいてほしい。