定価で本を買うタイプではないのですが、
ツイッターで目に入り、ものすごく気になり購入しました。
40ページ程で、我ながら驚くほど泣き、
何故泣いているのか周囲に説明できず困惑しました。
読みやすい文章は興味のある懐かしいことばかり。
その日付け、その固有名詞に
いつしか記憶の糸のようなものがどんどん絡めとられて、
主人公と同化していった。
突然、たまらない思いに涙が溢れだす。
ああ、わたしもこうだった。
同じことをした。ガンダムを教えてくれた人がいた。
人類補完計画を語った相手がいた。去年死んでしまった。
その日々もその価値観もあまりにも古すぎて
あまりにもわたしの一部になってしまって、
もうなんとも思わなくなっていた。
それなのに、今、心の底で爆発するみたいに
わたしを泣かせ続けている。
この小説は、わたしに起こしたような
深い部分での共鳴を多くの人に引き起こす、
そんな不思議な小説だ。
すごくいい俳句を読んだときに起こる、言葉からの共鳴が、
その何倍もの大きさで襲いかかってくるみたいだった。
淡々と描写されるビューティフルドリーマーのあらすじが、
何故こんなに染みるのだろう。
(あや)