
起床のベル。
(古賀史健)
午前5時20分、スマホのアラーム音が鳴り響く。
誰だか知らないけど、まったく気が早いなあ。
だって、まだ5時だぜ?
おれが目覚ましセットしたのは5時20分だぜ?
もう少し寝かせておくれよハニー、
おれはいささか疲れているんだ。
・・・・という寝起き特有の
意識混濁を5分間ほど続けたものの、
そういうこともあろうかと昨夜のぼくは、
ベッドから手の届かない場所にスマホを置いていた。
きのうの自分を、ほめてあげたい。
予定通りに寝坊しかけた自分を、なでてあげたい。
這い出るようにベッドから起き上がり、
暖房のない部屋の寒さにぶるっと震えつつ、
ぼくはスマホの目覚ましアラームをオフにした。
さあ、きょうはいよいよコタンだ。
YouMeスクールだ。
苛酷な山坂道を9時間、
四輪駆動車に揺られて突き進むのだ。
歯みがきしている最中、げっぷが出た。
げっぷがもう、辛かった。
ネパール唐辛子は、二度と食べまい。