PHILADELPHIA
遙か彼方で働くひとよ。
フィラデルフィアの病院からの手紙。

手紙54 胸が痛いとき4
     紺野さんからのメール

    
前回の「胸が痛いとき3」が掲載された日の夜
沖縄の栄養士・紺野さんからのメールが
ほぼ日の金澤さんから転送されてきました。

紺野さんは脳梗塞の多い脳外科で働いていて
患者さんや家族に
食事について説明することが多いそうなのですが、
その際、コレステロールについての今回の話を
そのまま使ってもいいか、という問い合わせでした。

前回の話は心臓の血管を例にとって進めましたが、
同じことは全身の血管で起きています。
血管が豊富な脳も、例外ではありません。

心臓の血管が詰まってしまうのが心筋梗塞で、
それが脳の血管に起これば
脳梗塞、いわゆる脳卒中です。

紺野さんがお話になる相手は
すでに脳梗塞を起してしまって
しかも幸運なことに、治療がうまくいって
自宅へ帰る患者さんが主だと思うのですが、
そんな方々にも
これ以上脳血管障害を起さないようにするために
コレステロールのバランスを保つことはとても大切です。

しつこいですが、心臓を例にとれば
LDL(悪玉)÷HDL(善玉)の値が
3以下だとまあ合格、
5以上だと
虚血性心疾患に罹る危険性が高くなるといわれています。

栄養のプロの方に
わたしの話を使っていただける、というのは
とてもうれしいお知らせでした。

また以前、喘息について
ここから始まって、
ご紹介したとき、
昨年の暮れに、喘息の重積発作で
呼吸が止まっているところを見つかって
集中治療室へ運ばれた経験のある、
若いご夫婦からメールをいただいたことがあります。

その方の場合は、
もちろん人工呼吸器につながれて
1カ月も意識不明のままだったそうですが
奇跡的に(ほんとうに、奇跡的だと思います)意識が戻り
療養の後、仕事に復帰できるほど回復できた、
というメールでした。

その中でお二人が強調していたのは、
自分の病気についてちょっとでも知っていることが
とても大切だということと、
そういった意味からは
そのとき掲載されていた「喘息のはなし」のシリーズは
今後、彼らのような不幸な出来事を
少しでも防ぐことができるんじゃないか、
ということでした。

このときも、ここで書いていることが
どなたかの役に立っているんだなあ、と
実感できて、とてもうれしかったです。

今日は狭心症や心筋梗塞の胸の痛みって
どんな感じか、ということについて書くつもりでしたが
それは、次回に。

みなさま、どうぞお元気で。
本田美和子

2000-07-02-SUN

BACK
戻る