2018/08/23
13:55
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貧困地域の村から
最難関のダッカ大学合格者を出す、
というプロジェクトをやっていました。
そのプロジェクトが注目されて、
いろんなところで
講演をしたり本を出したりしましたけど、
今日「なぜ早稲田大学に受かったのか」
「どんな勉強方法をしていたのか」
考えていたときに、
僕はいまさらになって
大きな認識の違いに気がついたんです。
これまで、合格者0だった地域から
ダッカ大学合格者を出せたのは、
いい先生の授業をDVDにまとめて
教育機会を与えられたからだと
話していたんですね。
でも、それがいちばん大事なことではないんです。
映像授業よりもマヒンくん、という
実際にこのプロジェクトを通して
ダッカ大学に合格して
大学に通ったマヒンくんが彼らに、
動機づけをしたことが大事だったんですね。
彼は村中の子たちに
大学のおもしろさ、
これから待っている開けた未来、
ユニークな友人たちの話をしました。
その大学で楽しそうにしている姿が
村の子たちのロールモデルとなって、
彼らは「ダッカ大学に行きたい!」
と思ったのだと思います。」
なるほど。
マヒンくんの楽しそうな姿に、
大学へのあこがれの気持ちをつのらせて、
勉強に励んだんですね。
「だから勉強方法というのは、
究極的なことを言うと
自分にあっていれば
どんな方法でもいいんだと思います。
実際の例を話すと、
このプロジェクトはとても大きくなって
助成金をもらい、
バングラディシュのさまざまな村で
取り入れることになりました。
ですが、そううまくはいきませんでした。
DVDの授業をパックにして村に持っていき、
簡単なオリエンテーションをするだけでは
結果が出なかったんです。
そのときに気がついたんですね。
みんなをダッカ大学に合格させた火種は
DVD授業じゃなくてマヒンだった、と。
マヒンの人間としての情熱やエネルギーが
村の高校生たちに影響を与えて、
たまたま目の前に
DVD授業という勉強方法があっただけ。
ちなみにマヒンがいた村からは、
8年連続で合格者を出し続けています。」
マヒンくんの情熱を、
次の子たちが引き継いだんですね!
「大事なことは
どうやって好奇心を育てるのか、
だと思います。
そしてその好奇心が
勉強のパワーになるはずです。
僕も受験勉強をしていたときは、
大学に出たら好きなことを学べたり、
いろんなところに旅に行けたり、
すごくわくわくしていました。
早稲田大学に行きたい、というよりも
なぜ早稲田に行きたいのか、という理由を
宝探しみたいに好奇心を持って考えて、
とても具体的にイメージしたから、
受かったんだと思います。
なのでどんな勉強方法をしたとしても、
受かったと思いますね。」
税所くんは、
彼女との夢のキャンパスライフも
大きな動機でしたよね?
「恋は究極の好奇心ですよ。
オープンキャンパスで
かわいい先輩を見つけたり、
同級生の気になる女の子が
志望していたりするほうが、
シンプルに力が出ると思います。」