ほぼ日の読みものチームの田中です。
突然ですが、ダンスに興味はありますか?
僕はいま37歳ですが、
1年ほど前に習いはじめたところ、
想像をはるかに超えておもしろく、
生活がダンスを中心にまわるようになりました。
教室にいくのが毎回たのしみで仕方ないし、
時間があれば練習をしたい。
「どうしていままでやらなかったんだろう?」
「もっとみんなやればいいのに」
と考えるようになりました。
とはいえ自分自身がそうだったように、
ダンスというのは、未経験の人が
「やってみようかな」と思うには、
すこしハードルが高い趣味という気がします。
そこで、未経験の人がダンスをはじめる
きっかけになる記事を作れたらと、
TRFのSAMさんに「ダンスのはじめかた」について
聞きにいってみることにしました。
というのもSAMさんはいま、普通の人に
ダンスの魅力を伝える活動をされているから。
動画の「SAMさんのミニダンス講座」も
ありますので、よければぜひご覧ください。
ここからダンスの世界に足を踏み入れる
人がいたら、僕はとても嬉しいです。
- ──
- たくさんの人に教えてきたSAMさんから見て、
「この人は上手くなるな」というのは、
どういう人ですか。
- SAM
- なんだろうな……
勘のいい子というのはいるんですけどね。
でも、不器用だけど、時間をかけて
じっくり上手くなる子もいるし、
ある日突然化けるみたいな子もいます。
気が付いたらすごい、
パッと上手くなってるみたいな。
だから、一概には言えないですね。
- ──
- あぁ。
- SAM
- ただ、ダンスの能力って、はじめると最初は
緩やかに上っていくんですけど、
そのうち必ずちょっと停滞するんですよ。
- ──
- そういうものですか。
- SAM
- うん。そうすると本人も飽きはじめるんだけど、
それでも頑張り続けていると、
そのあいだに中身が、
どんどんどんどん詰まっていくわけです。
そして、ある日いきなりそれが開花して、
ボンッと上手くなる。
ダンスの上達ってそういうものですね。
ずっと直線で
まっすぐ上がっていくんじゃなくて、
階段状にガンッ、ガンッって
登っていく感じです。
- ──
- 上達したときって、自分でわかるものですか?
- SAM
- わかると思いますよ。
うちのスクールに通ってる子たちでも、
「手応えあるよね?」って聞いたら、
みんな絶対「うん」って答えると思います。
なんか掴むんでしょうね、
コツというか、ニュアンスみたいなものを。
ずっとその「何か」がわからなくて、
モヤモヤしてるんだけど、
ある日、なんか1個掴んだらボンッと上手くなる。
だからその横ばいの時期を、
いかに耐えるかが大事なんです。
「全然自分は変わらない」と思っている人でも、
一所懸命レッスン受けてると、
いつか急に上手くなります。
- ──
- そのとき、モチベーションを保つには、
どうすればいいでしょうか。
- SAM
- やっぱり目標を立てるのがいいと思いますね。
「3カ月後・半年後・1年後の自分は、
こうなりたい」って。
スクールに行きはじめたばかりの人なら、
1年後の発表会とかを目指すといいと思います。
あとは仲間を作る。
教室で友だちとかライバルを作っていく。
お互いに刺激を与えあえますから。
- ──
- これは僕自身が知りたいことなんですけど、
いまダンスをはじめて1年くらいなんですが、
「振付」は踊れても、
「自由に」となると全然できないんです。
そのうち踊れるようになりますか?
- SAM
- つまりアドリブってことですよね。
アドリブ、けっこう大変ですよね。
でも週1のレッスンを続けていれば、
2年ぐらいでできるようになると思います。
1年で最低限の振付を覚えられて、
もう1年やると、アレンジが効くようになる。
そのくらいの感じですかね。
- ──
- じゃあ、2年くらい頑張れば。
- SAM
- はい。早くできるようになりたかったら、
ジャンルやスタイルを決めるといいと思います。
「ロッキング」なのか「ポッピング」なのか
「ハウス」なのか「ヒップホップ」なのか。
ソロでアドリブで踊るときには、
ジャンルを決めたほうがわかりやすくできます。
- ──
- たしかにそのほうが、覚えたものを立体的に
組み合わせやすそうですね。
- SAM
- あと、YouTubeで上手い人たちの動きを
漠然と見まくるのもいいと思いますよ。
イメージトレーニングになりますから。
- ──
- では、アドリブに限らず、
「うまくなりたかったら、
こういう動画を見るといいよ」という
SAMさんのおすすめはありますか?
- SAM
- 僕はそれを言われたときには、
もうひたすら
「外国人の動画を見ろ」って言うんです。
- ──
- 外国人の動画、ですか。
- SAM
- 海外コンプレックスとかではなくて、
ダンスをはじめたばかりのときって、
身近な日本人の先生とか、
日本人のグループに憧れることが多いんです。
だけどそいつらも、もともとは
海外の連中から学んでいることが多いんです。
「だったらオリジナルをダイレクトに
見たほうがいいじゃん?」ってことですね。
やっぱり海外の連中って、
各ジャンルごとに第一人者みたいな連中がいたり、
旬の若手でも、頭ひとつ飛び抜けてるんですよ。
それを直接見たほうが、
インスピレーションをいっぱい貰えると思いますから。
- ──
- それはYouTubeでいいんですか?
- SAM
- もう確実にYouTubeです。
- ──
- あと、アドリブではなく、
「振付」で踊るのが上手くなるコツって
ありますか?
- SAM
- 振付の場合は「振付に慣れていく」ことですね。
反復練習はやっぱり大事で、同じステップでも、
最初は力が入ってやってたものが、
やればやるほど力が抜けてくるんです。
だから
「力が抜けて、楽にできるところまで練習する」
ということ。
当たり前のように聞こえるかもしれないですけど、
そこがすごく大事だと思ってますね。
(つづきます)
2019-10-04-FRI
4.「ランニングマン」と
「シングル・ダブル」
今日は「ランニングマン」という
ステップの解説と、そのバリエーション、
そしてさまざまなステップに使える
「シングル・ダブル」という応用法をご紹介します。
「ランニングマン」のやりかた
「ランニングマン」という、
ヒップホップの代表的なステップの
やりかたを紹介します。
「ランニングマン」の
「シングル・ダブル」
「ランニングマン」に、
ステップをかっこよく見せる
「シングル・ダブル」を応用すると、
こんなバリエーションをつけられます。
横の「ランニングマン」
「ランニングマン」を
横のステップにすると、こうなります。
「クラブ」の「シングル・ダブル」
第1回でご紹介した
「クラブ」というステップを、
「シングル・ダブル」でやってみると、
こんな動きになります。
こんなふうに「シングル・ダブル」は、
ほかのステップに応用できます。
(一気にたくさんご紹介しているので、
すぐにできなくてもご安心を。つづきます!)
(C) HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN