スマートフォン版で見る

LIFEのBOOK ほぼ日手帳 2017

LOFT手帳部門12年連続NO.1

ほぼ日手帳 2017

かっこいい革ってなんだ? 佐藤卓さんと「革会議」

第2回見たこともない革が、
続々登場。

B Vegetable tanned leather 遊び心を感じる
イタリアの植物タンニン革

田辺
Aに続いて、ここからは
B植物タンニンなめしの革です。
クロームのような化学薬品を使わない、
ほとんどが植物の渋(タンニン)でなめした革です。
植物由来なので、燃やしても有害な物質が出ません。
タンニンなめしの特徴は、
加工に時間と手間がかかることや、
革本来の味があり、経年変化が出やすいこと
などが挙げられます。
  • 5

    ペコス

    イタリア

    使うほどツヤが出る。少しグレーっぽい黒。

  • 6

    インベキアート

    イタリア

    イタリアらしいツヤが特徴。

  • 7

    マキャート

    イタリア

    アンティーク加工をほどこした革。

  • 8

    ストライプ/レイク

    イタリア

    レーザー加工でデザインをつけた革。

  • 9

    フォッシル

    イタリア

    エナメル調ツヤ仕上げ後、ウォッシュ加工した革。

  • 10

    タラ

    イタリア

    タラの花から抽出したタンニンを使用。やさしい色合いが特徴。

  • 11

    サンバ

    イタリア

    エナメルのクラッキング仕上げをほどこした革。

  • 12

    チベット

    イタリア

    白革に黒のクラッキング仕上げをほどこした革。

  • 13

    ブラックドモパック

    イタリア

    黒革に銀の箔をつけ、サンドペーパーでこする加工をした革。

田辺
植物タンニンなめしの中でも、
おもしろい加工をした革を集めてみました。
たとえば、ストライプ/レイクは、
タンニンなめしなので、焦げる特徴を活かして、
レーザー加工でデザインをつけているんです。
フォッシル ウォッシュドは、
エナメル調ツヤ仕上げをしてから
洗って(ウォッシュ加工して)います。
佐藤
は、カラメルみたいでおいしそう(笑)。
こんなこともできるんですね。
田辺
これはもう、イタリアならではの発想ですね。
佐藤
イタリアって感じがするねえ。エッチだねえ。
こういう靴、イタリア男子が履きそうな感じ。
なにしろ、イタリアのデザインって、いい意味で
エッチな感じがするものが多いと思うんですよ。
なんとも言えない深い味わいを出すのが
うまいんですよね。
淡白な日本人とは違うよね。惹かれるなあ。
田辺
黒ではないのですが、
12みたいなのも入れてみました。
佐藤
おお!「TSホワイト」もアリですね。
こんな革のカバー、あったら良くない?
こういう色だったら、どんな服の色にも合うし、
スーツでも、カジュアルでも、合わせやすいですよね。
田辺
黒台に箔を貼っている13もあります。
佐藤
ええっ! これ、箔? 
どうやって作っているんですか。
田辺
タンニンなめしの黒いヌメ革に、
箔を貼って、サンドペーパーを巻きつけて
こすっているんです。
これは、日本では思いつかないような発想です。
佐藤
かっこいいと思います‥‥かなり。
田辺
あ、ちょっと目が輝きましたね(笑)。
佐藤
こんな革が出てくると思ってなかったな。
なんか、ロックオンしちゃいました。
「TSシルバー」、アリかもしれない。
これ、いいなあ。表情もいいし。
田辺
そうですね。
革の特性で、けっこうランダムな表情になります。
でも、僕もうれしいです。
これを「いい」と言っていただけて。
佐藤
すばらしいです。勉強になります。
今日はいいものを見せていただいて、
本当によかったです。
田辺
あ‥‥まだもうちょっとあります(笑)。
佐藤
あ、続きをお願いします(笑)。

C Made in Japan 手間ひまをかけた
メイド・イン・ジャパンの革

田辺
最後に、日本製の革もご用意してみました。
革といえば、やはりイタリアやフランス、
というイメージもあるかと思うのですが、
日本でも数少ない、世界に誇れる
タンナー(なめし革業者)さんを見つけたんです。
  • 14

    キップクラシック

    日本

    やわらかく、なめらかに仕上げた革。

  • 15

    キップヌメ アニリン

    日本

    透明感のあるアニリン染料を使って仕上げた革。若干しっとりしている。

  • 16

    キップヌメ カゼイン

    日本

    カゼインワックスを使って仕上げた革。若干ツルツルしている。

  • 17

    キップヌメ シュリンク
    カゼイン

    日本

    カゼイン仕上げ後に、シュリンクした革。シボが出ている。

  • 18

    ブライドル

    日本

    数回に分け、時間をかけてワックスを塗りこんだ革。硬めになめしている。

  • 19

    イレギュラーシュリンク

    日本

    シボをきれいに出すためにしっかりとシュリンクしている革。

  • 20

    キップ ガラス

    日本

    高い技術のガラス加工をしている革。ツヤが特徴。

  • 21

    ガラス アンチック

    日本

    手作業で、二重に色を重ねるアンチック加工をした革。使うほどに色が変化する。

  • 22

    グローブ

    日本

    硬式野球グローブに使う、丈夫で高級な革。カジュアル感がある。

  • 23

    3M プリズム

    日本

    完全防水であるほか、防油・防汚効果がある革。

  • 24

    エルボックス

    日本

    ボックスカーフ調の仕上げをほどこした革。

田辺
14は世界に通用する革です。
普段は人を褒めないイタリア人が
「よくできている」って褒める革ですよ(笑)。
原皮は北米キップ(生後半年〜1年の牛)で、
なめしのバランス、オイル入れのバランス、
染色のきれいさ、ムラのなさ…。
完成度がとても高いんです。
佐藤
すごいですね。
田辺
18は、ブライドルレザーを日本で再現したものです。
イギリスが本場なんですが、馬の手綱用の革を
真似して作ったものですね。
もともと水に弱いヌメ革に、
ワックスを、手で何回も塗ることで
割れたり切れたりしないようにしているんです。
一度塗ったら3、4日置いて、また塗って。
それを4回ぐらい繰り返んです。
佐藤
色の層が、しっかりありますもんね。
田辺
22は、プロ野球やメジャーリーグが使うレベルの
グローブの革です。
検査基準も高く、引き裂き強度が抜群に強いんです。
佐藤
なるほど。丈夫なんですね。
田辺
23は、完全防水の革です。
もう、おもしろいぐらいに、
お水が革の上で転がります。
油も大丈夫です。
佐藤
あ、そんな物があるんですか。
こういうのって、どんなことに使うんですかね?
田辺
やっぱり、靴と鞄が多いですね。
手帳も毎日触るものなので、
向いているかもしれないです。
佐藤
なるほど、なるほど。
田辺
さて、これで24種類を見ていただきました。
佐藤
ちょっと、マズイですね。
魅力的なものが多すぎる(笑)。
うーん。迷います‥‥。
(つづきます)

今回選んだ革「Black Domopack」で
トートバッグをつくりました。
受注期間は9/1(木)11:00~9/12(月)11:00です。
くわしくはこちらのページ
をごらんください。