あるところに
チョコレートチャンククッキーが
だいすきな おんなのこがいました
行きつけのコーヒーショップで
毎日食べていたそれを ある日
自分で作ってみることにしました
理由は 焼きたてを食べてみたかったから
とろりと溶けたチョコレートで
舌をやけどしないよう
注意しながら食べるクッキーは
想像を遥かに超えるおいしさでした
“ もっと食べたい
もっともっと食べたい ”
おんなのこは クッキーのサイズを
どんどん大きくしていって それに伴ない
コーヒーも相当量必要だわ と気がついて
大きな大きなマグカップを手に入れました
いちいち継ぎ足さなくてもいいように
大きなマグカップの難点は
いきおいよく傾けると口の端から
コーヒーがダラッと溢れ流れちゃうこと
同じ失敗を毎日繰り返すものだから
お気に入りのエプロンの胸のところには
コーヒーのシミがいっぱいです
そうだ こないだもらった
ペンギン親子のワッペンを貼付けて
カモフラージュしてみましょ
あら かわいい~
でもまぁ明日も同じ失敗しちゃうから
この親子 コーヒーの海を
泳ぐことになっちゃうわね ふふふふふ
***
なみなみ注がれた巨大マグカップを
筋を浮かび上がらせながら片手で持ち
カメラの前でそんな物語を想像しながら
ふるえぬように耐えていた
(横尾香央留)
*価格はすべて、税込・配送手数料別
コウテイペンギンの親子です。
赤ちゃんペンギンは、あどけない表情。
おとなペンギンは、ちょっと悪い目つき。
その組み合わせがたのしいデザインです。
横尾さんが描く動物は、
「ちょっと悪い目」が魅力なんです。
ワッペンの周りにある白いパーツは、
冷たい海の氷を表現しているんですよ。
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