10年にわたり、田附勝は、
愛車の「軽」に乗って東北に通っていた。
そうやって撮った作品が、
木村伊兵衛賞を受賞した『東北』となり、
『その血はまだ赤いのか』となり、
『おわり。』となり、
『KURAGARI』となり、
『魚人』となっていったわけである。
愛車の総走行距離は、実に16万キロ超。
ガタも、そうとうきていたらしいのだが、
このたび都内で事故って、
ついに「廃車」となってしまったという。
以下は、その事故のすこし後に交わした、
愛車の思い出話からはじまって、
愛犬の死や、
写真を撮るという行為について‥‥まで
なんとなく広がっていった
ひとつづきの対話の記録です。
漫然と録音していたものではありますが、
おもしろかったので、公開します。