2013年あんこの旅 とらや見学。
こよなくあんこを愛する男、 あんこ世界の大統領(自称)、 糸井重里と巡る「2013年あんこの旅」の第2弾です。 第2弾なのに、もうゴールに着いたような展開? だって、なんと、創業約500年を誇る和菓子の老舗、 「とらや」さんの工場を見学できたんですよ。 まさに、あんこのメッカを訪ねる旅でした。 いっしょに旅してくださったのは、 同じくあんこを愛する女性、なかしましほさん。 そもそもは、気仙沼で開催するワークショップの 打ち合わせを兼ねた見学でした。 それがあまりにたのしかったので、おすそわけです。 どうぞどうぞお召し上がりください。  ※3月の気仙沼で、「とらや」さんのご協力により、  「甘くておいしいあんこのワークショップ」を開催します。  くわしくはこのページの下をご覧ください。
 
とらや WEB PAGE なかしましほさんプロフィール
 
第1回 あんこのワークショップ、やりましょう。
第2回 御殿場工場にて。(職人さんと大統領)
第3回 御殿場工場にて。(あんこ=笑う食べもの)
第4回 「とらや工房」は和菓子屋の原点。
第5回 なんてたのしいリハーサル。
第1回 あんこのワークショップ、やりましょう。

甘いもの好きなみなさん、お待たせしました。
お正月にご好評をいただいた「2013年あんこの旅」、
その第2弾のはじまりです。

糸井重里が珍しく「講演」というスタイルで語る、
このコンテンツをまだお読みでない方は、ぜひご一読を。
あんこの話をするときだけ「大統領」と化す糸井の、
熱くまじめな一面をご堪能いただけることでしょう。

この講演の中で糸井は何度か、
和菓子の「とらや」さんについて触れています。

「とらやについては、あらためてじっくり話します」
「まったく、とらやはすごいです」
「ぜーんぶおいしいんです。あそこんちは」

そんな「とらや」さんに、
なんとわれわれは
早くもお会いすることができてしまいました。
あんこの旅は、はじまったばかりなのに!


▲1月初旬、「ほぼ日」にご来社くださいました。

いくつかのご縁が重なって
「とらや」さんとのつながりができてからは、
スピーディーに話が進みました。
この時点ではすでに、気仙沼で開催される
「甘くてたのしいあんこのワークショップ」への
ご協力をいただけることになっていたのです。
(※ワークショップの詳細は下に)

この日は初の打ち合わせで、
お互いに「はじめまして」という場面です。

写真の手前、左から右に向かって‥‥
事務局の中田洋子さん、
広報担当の松平斉忠さん、
最高技術者の染谷武徳さん、
製造担当の本田順子さん。
4名の「とらや」の方々が、いらしてくださいました。
おいしいお土産もいただきました。
(↑リンク先に、ある事件の報告が‥‥)

その奥に、「ほぼ日」ではおなじみの姿が見えます。
なかしましほさん。
おやつといえばこの人、ということで、
ワークショップをお手伝いしていただくことになりました。

打ち合わせはたのしく進みます。

「あんこをその場でつくって食べるというのを
 実現してみたい。
 それ以上のことはなんにも思っていないんです」
と、まじめに語る糸井重里。

「とらや」の最高技術者、染谷さんがそれを受け止め、
気仙沼のキッチンでできそうなあんこの作り方を
提案してくださいます。

その場でできたあんこをどうやって食べるのか。
これも、決まりました。
発表しましょう。

・お汁粉
・あんこトースト
・おはぎ

この3つを、できたてのあんこで食べるんです。
‥‥ね?
もう、おいしそうでしょう?
たのしそうでしょう?

さらに、なかしましほさんは、
ワークショップの直前に更新する
「ちいさなレシピを1ダース」のレシピを
あんこを使ったおやつにしてくださるとか。
それもたのしそう!

わくわくする内容がどんどん決まった打ち合わせでしたが、
最初にあいさつを交わしたとき、
糸井はこんなことを言いました。

「今日、ぼくはあんまりしゃべらないようにします。
 だって、ワークショップのときに
 新鮮な気持ちで話をしたいですから」

なのですが‥‥
目の前にいらっしゃるのは「とらや」の最高技術者です。

最初は質問を控えていた大統領。
でも、あんこへの好奇心・探究心を抑えるのは難しく‥‥。

気がつけば、たくさんお話をうかがっていました。

その一部をお届けいたしましょう。


糸井 ワークショップの中で、
「とらや」さん独自のあんづくりの秘密というのは、
やはり公開できないですよね。
染谷さん ‥‥公開してもかまいませんが、
誰もそれをやらないと思います。
糸井 そうですか。
それは、技術的な意味で。
染谷さん ええ。
あんな面倒なことはやらないと思います。
糸井 ぼくも、こしあんは難しいと思っていました。
すごいですよね、工程の多さが。
染谷さん でもですね、こしあんよりも、
実はつぶあんのほうが難しいんです。

糸井 へええー、そうなんですか。
染谷さん 工程は多くても、こしあんはつぶしますから。
つぶあんは
豆を割らないで皮を柔らかく煮るのが難しい。
糸井 なっるほどぉ‥‥。
もう、そのお話だけですばらしいです。
染谷さん ただ、おっしゃるように、
こしあんは工程が多いので
ワークショップには不向きだと思います。
糸井 そうですか。
では、できるもののレシピを。
染谷さん わかりました。
糸井 希望としては、作ったあんこをすこしでも
参加者の方に持って帰っていただきたいですね。
次の日にも食べてほしい。
「翌日、もう一回食べてみてください」
と言ってもらえることは、
あんこ側の本望だと思います。

ほぼ日 あんこ側!
糸井 私は代弁者ですから。
この前も小倉山の碑を拝んできました。

ほぼ日 大統領‥‥。
糸井 できたてのとき「おいしい」って言われても、
次の日になって
「昨日のほうがおいしかった」って言われたら、
それはもう、あんこではないですよ。
おおもとは保存食ですから。
ほぼ日 ああー、保存食。
染谷さん 戦時中、軍に羊羹を納めていたんですよ。
南方の方に向かうわけですから
かなり砂糖を入れてあそこまで硬いものにしないと
持たなかったと思うんです。
カビなんか生えたらたいへんで。
軍のお仕事ですから。
糸井 その経験を生かしてあの硬さなんですね。
染谷さん そういう記録はないんですが、
私の想像では、そうだったのではないかと。

糸井 なるほど。
記録ということでいうと、
「とらや」さんの和菓子の作り方は
どういうかたちで残されているんですか。
染谷さん 見本帳というものがありまして、
基本的にはそれに沿って作られています。
糸井 昔からの技術がそこに。
染谷さん ええ。
糸井 「とらや」さんが新しいものを作るときに
変な終わり方をしていないというか、
こう、着地がビシっとしているのは
それがあるからなんですね。
青い羊羹とか、平気で作るじゃないですか。
フェルメールの羊羹。
(※東京都美術館とのプロジェクトで作られた
 特製羊羹『蒼ノ調べ』のこと)
染谷さん ああ、よくご存知で。
糸井 たぶんあれもおそらくは
「青の出し方」が江戸時代とかにはもうあって、
それを応用しているんじゃないかと思うんです。
フェルメールと言いながら実は古典なんだと、
ぼくは勝手に理解していました。
これができる会社は強いですよねぇ。

染谷さん 長いあいだ御所の御用をつとめてきて、
現在の「とらや」の流儀というのでしょうか、
それがしっかりできている気がします。
糸井 強いですよ。
つまり、「うちの図書館に全部あるよ」
ってことですから。
染谷さん そうですね。
新しいことをやろうとしても、
どうしてもできないことがあるんですよ。
頭のなかで考えればできるはずなのに、できない。
なぜかというと、
それはもう先人たちがやっているんですよね。

糸井 なるほどねぇ。
染谷さん その記録は残ってないから、
やっちゃうんです。
糸井 そうか! 
先人たちがやって失敗したものの記録はない、わけだ。
染谷さん そう。ないんです。
だから失敗してから、載っていない理由がわかる。
でもそれが自分たちの勉強になるんです。
やってみて、挫折しますから。
糸井 染谷さんほどでもしますか、挫折。
染谷さん します、まだまだします。
糸井 そうですかぁ、すごいなぁ。
‥‥けっきょくたくさんしゃべっちゃった(笑)。

一同 (笑)
糸井 まあいいや。
ワークショップ、たのしみです。
あんこを煮ているところを中継するって、
そんなの見たことない(笑)。
いいねぇ、ぼくは見るね、最後まで見ます。
染谷さん 御殿場の工場に
あん作りの専門家がいますので、
よろしければ話を聞いてきてください。
ワークショップもその者がうかがいますので。
糸井 そうですか、それはごあいさつに行かないと。
‥‥工場ということは見学ができますか。
染谷さん ええ、もちろんです。
糸井 そうですか、「とらや」さんの工場を。
‥‥たっのしみだなぁ(笑)。
(いよいよ御殿場の工場見学へ、つづきます)
 
予告!  気仙沼に おいでよ ワークショップ みっつめ 3  甘くてたのしい あんこのワークショップ。 ── 先生は「とらや」さん


気仙沼でワークショップをやります。
皆川明さん、矢野顕子さんにつづいて3回目。
今度は「とらや」さんに、あんこ作りを教わる教室です。
ワークショップは、ユーストリームで生中継!

2013年3月3日(日)
11時30分頃〜16時頃

気仙沼斉吉商店
「ばっぱの台所」よりUST中継

気仙沼においでよ! 「あんこの旅人」を10名募集!
※「あんこの旅人」の募集は締め切らせていただきました。
 たくさんのご応募ありがとうございました。
※「あんこの旅人」当選の方には、
 2/19(火)の16時ごろに、
 メールをお送りいたしました。
 残念ながら選からもれてしまった方には、
 特にメールをお出ししておりません。
 あしからずご了承ください。

「あんこの旅人」とは、
今回のワークショップに参加するために
気仙沼の現場まで「自費で」来てくださる人のことです。

「甘くてたのしいあんこのワークショップ」は
ユーストリーム中継でみなさんにお届けするものですが、
抽選で10名様のみ、現場で気仙沼のみなさんと一緒に
あんこづくりを体験していただくことができます。

開催日時
2013年3月3日(日)
11時から受付開始
11時45分頃からワークショップ開始予定

開催場所
「ばっぱの台所」(気仙沼 斉吉商店2階)
JR気仙沼駅よりタクシーで約10分。
現地集合現地解散です。
(くわしい場所はあらためてお知らせします)

参加費
2,000円(税込)
※当日受付にてお支払いください。
※参加費用に交通費は含まれません。

ご希望の方は、下にある
「あんこの旅人に応募する」ボタンをクリック。
立ち上がったメールに
下記応募要項を記入の上、送信してください。

※「あんこの旅人」の募集は締め切らせていただきました。
 たくさんのご応募ありがとうございました。

 

メールの件名を「あんこの旅人希望」として、
・お名前(本名)
・参加人数(2名まで)

をお書き添えの上、
anko@1101.com
宛にお送りください。
抽選で10名様が当選となります。

当選された方にのみ、
2月20日(水)中にメールでご連絡いたしますので、
ご本人さまに返信可能な
メールアドレスからご応募ください。
また、当選後のキャンセルはできませんので、
じゅうぶんご検討の上、お申し込みください。

応募締め切り
2013年2月19日(火)午前11:00まで

2013-02-14-THU
 
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