キャンプのことを知れば知るほど、
わかればわかるほど、
そこには簡単な答えがないことがわかる。
「どうしてキャンプをするんだろう?」
それについての答えも人によってさまざま。
キャンプについてのお話をうかがうことと、
純粋にキャンプをすることの両方を目的に、
五光牧場オートキャンプ場へ行ってきました。
そして、それぞれにテントで一泊した翌日、
KIKIさんと、こいしゆうかさんに、
キャンプについて話してもらいました。
KIKI(キキ)
東京都出身。モデル・女優。
武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業。
雑誌やTVCMなどの広告、
エッセイや寄稿文の執筆など多方面で活躍中。
著書に『美しい山を旅して』(平凡社)、
『山が大好きになる練習帳』(雷鳥社)、
『山・音・色』(山と渓谷社)など。
こいしゆうか
キャンプコーディネイター、イラストレーター、漫画家
キャンプのある人生の豊かさを発信し、
誰でも気軽にできるキャンプスタイルを提案。
プロダクトデザイン、キャンプ場のプロデュース、
メディア出演などが主な活動。
一方漫画家として、キャンプだけに止まらず
趣味にまつわる入門書漫画を多数執筆。
主な著書に『カメラ、はじめます!』
『ゆるっと始めるキャンプ読本』
『わたしでもスパイスカレー作れました』などがある。
- ──
- 今日、KIKIさんは
久しぶりのキャンプだそうですね。
- KIKI
- そうなんです。
子どもが生まれてからなかなか機会がなくて、
3年ぶりぐらいだと思います。
- ──
- 一方、こいしさんは
頻繁にキャンプをされていて。
- こいし
- はい、先週もやっていました(笑)。
- KIKI
- うらやましい(笑)。
- ──
- KIKIさん、数年ぶりのキャンプはいかがですか?
- KIKI
- やっぱり「自由でいいなあ」というのが、
いちばんの感想ですかね。
ふだんの生活だとリズムがあるじゃないですか。
子どもを何時ぐらいに保育園にお迎えに行って、
何時までに寝かしつけして‥‥みたいに、
なんとなく目標や段取りがあって。
でも、昨日、キャンプ場に着いたら、
夕飯とかも、とくに誰が言うわけでもなく、
なんとなくはじまって(笑)。
- ──
- (笑)
- こいし
- 日が暮れてきたら
「あ、ごはん食べようかな」みたいな。
- KIKI
- そうそうそう(笑)。
飲みはじめて、つまみはじめて、おしゃべりして。
その、なんとなくの流れのなかで、
夜もふけたし、そろそろ寝ようか、みたいな。
こんな時間の使いかた、久しぶりだなあと思って。
毎朝、だいたい子どもに起こされるんですけど、
昨日は太陽に起こしてもらって。
寝起きでうとうとしていたら、
テントの外から鳥の声が聞こえてきたり、
近くの沢の音がしたり。
以前、山によく行ってた頃は
当たり前のことだったけど、
昨日はそんなことにいちいち感動してました。
- こいし
- 陽の光で起こされたり、自然の音に耳をすますって、
いつもの生活だとなかなかないじゃないですか。
キャンプをするのは、そういう感覚を
取り戻す行為なのかもしれないですね。
- KIKI
- あと、昨日、こいしさんたちと
お話ししていて思ったのは、
大人になってから家族以外の他人と過ごすのって、
ごはんを食べに行く数時間だけ、
みたいなことが多いんですよね。
それが、キャンプとか登山だと、
ずっと一緒にいるじゃないですか。
- こいし
- うん、うん。
- KIKI
- たいした話をするわけじゃないんですけど、
日常とは違う時間の流れのなかで
のんびりとおしゃべりできるのは
すごく貴重だなって。
こいしさんとは昨日が初対面でしたが、
たくさんお話しできましたよね。
これがレストランとかだったら、
ちょっと緊張しちゃいそう(笑)。
- こいし
- わかります、ぜったい緊張しちゃうと思う。
あと、「そろそろ終電だ」とか、
いろんなこと考えなきゃいけなくて(笑)。
- KIKI
- そうですね(笑)。
- こいし
- わたし、キャンプをはじめたきっかけは、
対人関係がうまくいってなかったからなんです。
会社員時代、
「大人はどうやって友だちをつくるんだっけ」って、
なんか、世界が狭くなったような感覚があって。
誰と話しても、興味のない話題ばっかりで。
仕事も事務作業で、毎日がルーティンで、
なんかこれで人生終わるのか、って感じたときに、
同僚がキャンプに誘ってくれて、
行ってみたら、それがめちゃくちゃよくて。
老夫婦がゆっくり朝のコーヒーを飲んでたり、
隣のテントの人に灯りを貸してもらってり、
はじめて会った人たちと一緒に焚き火を囲んだり。
- KIKI
- わあ、すてき。
- こいし
- キャンプって、すごく不思議で、
一緒に行ったり、焚き火を囲んだりするだけで、
なんかほんとうに関係が深くなるというか、
いつもと違う話ができたりして、
人の本質みたいなものが見えてきたりして。
- KIKI
- そういうところ、ありますよね。
- こいし
- そうなんですよ。
だから私、正直、ほんとうの友だちって、
キャンプをはじめてからできた、と思ってます。
- KIKI
- すごい。
- こいし
- その意味では、人生変えてもらったかなぁ。
キャンプがなかったら、
自分からは変えられなかったと思うんです。
- KIKI
- でも、そういうことをぜんぶ含めて、
自分から変えていったんじゃないですか?
- こいし
- そうなんですかねぇ。
なんか、自然のなかで遊ぶことって、
大人でもやっていいんだ、みたいな感じで、
自分のなかで腑に落ちた感じでした。
「自由にして、いいんだ」って思えた。
- KIKI
- ああ、いいですね。
- こいし
- はい、キャンプは入り口でした。
(つづきます)
なんか、キャンプに行くといろいろ思いますよね。
ほぼ日キャンプチームも、あれこれ思うし、
誰かに話したくもなるし、写真も撮ったりするので、
そういうのを載せておくことにしました。
みんなで書くよ。外部スタッフも書くよ。
いっしょにキャンプしたらチームだからね。
ほぼ日キャンプチームも、あれこれ思うし、
誰かに話したくもなるし、写真も撮ったりするので、
そういうのを載せておくことにしました。
みんなで書くよ。外部スタッフも書くよ。
いっしょにキャンプしたらチームだからね。
GREGORYのバッグが好きで、いくつか持っている。
あ、ちょっと誤魔化して書いた。
いくつか、というより、いくつも持っている、だ。
そう、ちょっとムダに持っている。
リュックは同じ型を2つ持ってるし、
ウェストポーチ的なバッグは
サイズとデザイン違いで3つ、いや、4つ、
違う、数はどうでもいいんです。
ともかく、GREGORYのバッグを持っていて、
これまで便利につかっていました。
GREGORYはアウトドアを軸にしたブランドですが、
街なかでつかえないわけじゃない。
むしろ、日本におけるGREGORYは、
リュックもバッグもポーチも、
街でつかわれてるほうがきっと多いと思う。
ぼくもいままで、GREGORYのプロダクトを
街でずっとつかってきました。
とくにテールメイトという
ウェストポーチ型のバッグが便利で、
休日にちょっと外に出るときなんかに
財布と小物を入れて持ち出していた。
さて、キャンプに行くようになって、
ぼくはGREGORYのテールメイトを、
おそらく本来の領域である
アウトドアのギヤとしてつかうようになった。
財布のほかに、作業用手袋と、ヘッドライトと、
あと車の鍵なんかを入れてるんですが、
いやあ、やっぱり便利です。さすがGREGORY。
と、いうふうに、
商品のレビューをしたいわけではなくて。
当たり前の話ですが、外でつかうと汚れるんですね。
で、汚れるということは、洗わなきゃいけない。
それで、2回ほどキャンプに持っていった
GREGORYのテールメイトを、先日洗いました。
ネットで洗濯方法を調べて、革のジッパータブを外して、
中性洗剤で洗って、陰干ししました。
告白すると、ぼくはこれまで、
GREGORYのテールメイトを洗ったことがありませんでした。
理由は簡単で、汚れているという自覚がなかったからです。
そりゃぁ、厳密にいえば汚れてるんでしょうけど、
街なかでときどきつかうぶんには、
汚れる機会もあんまりないし、
実際、そんなに汚れてないと思う。
でも、キャンプで2回つかったら、洗う。汚れるから。
洗ったら、当たり前ですけど、きれいになる。
生地全体から、くすみがなくなって、気持ちがよかった。
ベランダで陰干ししたGREGORYのバッグを取り込んで、
革のタブを取りつけながら、ぼくは思ったんです。
これが正しいサイクルなんだよなあ、と。
つかうべき場所でつかって、汚れたら洗う。
洗ったら、きれいになる。またつかう。
キャンプとは、現代に生きる人たちが
いろんなものを取り戻す機会だといいます。
それは、自然に対する感謝とか、
そういう、大きなものばかりではなく、
バッグを何度もつかって汚れたら洗うというような、
当たり前のサイクルなども含まれると思う。
実際、何回かキャンプに行っただけで、
こういう「そうなんだよなあ」という発見は、
いくつもいくつも経験している。
キャンプに行くということは、
キャンプに行くだけじゃないだとつくづく思う。
あ、ちょっと誤魔化して書いた。
いくつか、というより、いくつも持っている、だ。
そう、ちょっとムダに持っている。
リュックは同じ型を2つ持ってるし、
ウェストポーチ的なバッグは
サイズとデザイン違いで3つ、いや、4つ、
違う、数はどうでもいいんです。
ともかく、GREGORYのバッグを持っていて、
これまで便利につかっていました。
GREGORYはアウトドアを軸にしたブランドですが、
街なかでつかえないわけじゃない。
むしろ、日本におけるGREGORYは、
リュックもバッグもポーチも、
街でつかわれてるほうがきっと多いと思う。
ぼくもいままで、GREGORYのプロダクトを
街でずっとつかってきました。
とくにテールメイトという
ウェストポーチ型のバッグが便利で、
休日にちょっと外に出るときなんかに
財布と小物を入れて持ち出していた。
さて、キャンプに行くようになって、
ぼくはGREGORYのテールメイトを、
おそらく本来の領域である
アウトドアのギヤとしてつかうようになった。
財布のほかに、作業用手袋と、ヘッドライトと、
あと車の鍵なんかを入れてるんですが、
いやあ、やっぱり便利です。さすがGREGORY。
と、いうふうに、
商品のレビューをしたいわけではなくて。
当たり前の話ですが、外でつかうと汚れるんですね。
で、汚れるということは、洗わなきゃいけない。
それで、2回ほどキャンプに持っていった
GREGORYのテールメイトを、先日洗いました。
ネットで洗濯方法を調べて、革のジッパータブを外して、
中性洗剤で洗って、陰干ししました。
告白すると、ぼくはこれまで、
GREGORYのテールメイトを洗ったことがありませんでした。
理由は簡単で、汚れているという自覚がなかったからです。
そりゃぁ、厳密にいえば汚れてるんでしょうけど、
街なかでときどきつかうぶんには、
汚れる機会もあんまりないし、
実際、そんなに汚れてないと思う。
でも、キャンプで2回つかったら、洗う。汚れるから。
洗ったら、当たり前ですけど、きれいになる。
生地全体から、くすみがなくなって、気持ちがよかった。
ベランダで陰干ししたGREGORYのバッグを取り込んで、
革のタブを取りつけながら、ぼくは思ったんです。
これが正しいサイクルなんだよなあ、と。
つかうべき場所でつかって、汚れたら洗う。
洗ったら、きれいになる。またつかう。
キャンプとは、現代に生きる人たちが
いろんなものを取り戻す機会だといいます。
それは、自然に対する感謝とか、
そういう、大きなものばかりではなく、
バッグを何度もつかって汚れたら洗うというような、
当たり前のサイクルなども含まれると思う。
実際、何回かキャンプに行っただけで、
こういう「そうなんだよなあ」という発見は、
いくつもいくつも経験している。
キャンプに行くということは、
キャンプに行くだけじゃないだとつくづく思う。
2023-08-28(mon)
STAFF
編集 : 金沢 俊吾
動画撮影 : 石渡 樹
撮影協力 : 植田 慧祐
動画撮影 : 石渡 樹
撮影協力 : 植田 慧祐