「ほぼ日」はワールドカップに
興味があります!

<鈴木慶一さんのワールドカップ観戦記3
 準決勝・6月25日のみどころはこれだっ!>

今日はソウルで
ドイツVS韓国の準決勝がありまっす!!
韓国がここまで勝ち上がってくることを予想した人は
少なかったでしょう。
ドイツもワールドカップでは
過去3度の優勝を経験しているとはいえ、
この10年低迷が続いていたこともあり、
こちらも意外とノーマークでありましたっ。
本日はその見どころの紹介です。

さらに、もはや「ほぼ日サッカー解説員」である
大好評! 鈴木慶一さんのワールドカップ観戦記その3を
お送りいたします。

その前にまずはメールを紹介します。

:::::::::::::::::::::::::::
イングランドVSブラジル戦が日本で騒がれている中
私はひとりアメリカVSドイツを見ていました。
感動したのは、
アメリカにひとりで戦うドイツのGKカーンです。
1対1でどう見ても不利な場面でも、彼が
焦りもせずボールを何本もとめていました。

(山下全美さん)

:::::::::::::::::::::::::::

アメリカ戦でのカーン。
凄いっていうか、もうあそこまでいくと怖かったですよね。

6月25日の見どころは
なんといっても韓国のホームで
ゲルマン魂がどれだけ意地をみせるかっ!
これにつきます。
どちらもフィジカル的には抜きんでたチーム。
激しい肉弾戦も見物です。
その中でも、

●とにかくカーンに注目せよ!
ドイツというチームは「不屈のゲルマン魂」
と呼ばれる
不屈の精神力と体力を武器に勝ち進むチーム。
とにかく逆境に強い。この一言につきます。
現在のドイツ代表でそれを体現しているのが
ゴールキーパーのオリバー・カーンであります。
ゴールキーパーである彼がとにかく点を入れさせなければ
ドイツは絶対勝つような気がします。
だって、PKとはいえカーンとタイマンするのは
ホントに怖そうだもん。


オリバー・カーン(ドイツ)
生年月日:1969年6月15日
身長:188cm
体重:88kg
ポジション:GK
現所属クラブ:
 バイエルンミュンヘン(GER)


darlingとスペイン代表イエロが似ているシリーズに続いて
こんなメールが届きました。

:::::::::::::::::::::::::::
韓国チームで、
「なべやかん」にそっくりな人が
いるんです。
ちょっと茶髪で、顔は「なべやかん」
気になるなぁ!
(クッキーさん)

:::::::::::::::::::::::::::

選手名鑑をめくってみると、
確かに似ている人がいましたっ!
そこで、

●韓国の国歌斉唱の時にはイ・チョンスを探せ!
かなり、なべやかんさんに似ているんですよ。
国歌斉唱の時は選手の顔がアップになりますから
この時にしっかりチェックしましょう。
ちなみにイ・チョンス選手はフォワードから
ミッドフィルダーとしてトップ下までをこなす
(中田英寿選手が一番得意とするポジション)
韓国攻撃陣の要の一人であります。


イ・チョンス(韓国)
生年月日:1981年7月9日
身長:172cm
体重:62kg
ポジション:FW
現所属クラブ:
   Ulsan Hyundai (KOR)

なべやかんさん同様、
筋肉質な人なのだろうか?


4強激突! 最新の決勝トーナメント表はこちら!


日本のベッカム、鈴木慶一が行ってきた。
THE小心者的ワールドカップ観戦記 3

「いやいや、まいったね」
開口いちばん、こうつぶやく
もはやベッカム頭はどこに行ったの?の、
ムーンライダーズの鈴木慶一さんです。
「もう、ボー然としちゃってさ、
 今日着てるTシャツは、その証拠。
 ボー然としたTシャツ。略してボーT

ボーTって・・・。おお、フランス大会のときの
Tシャツを着ていらっしゃいます。


あまりのショックに98年ワールドカップのTシャツを
着てきた慶一さんです。


いったいどんなことにボー然とされているのでしょうか?
そのあたりからちょっとお話をうかがってみましょう。

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今回の大会のキャッチフレーズは決まったよ。
不確実性の2002年」だね。


──強豪がたくさんつまずいていますし。

何よりも、18日の韓国VSイタリア戦だよ。
おれ、試合が終わった瞬間、
片手に持ってたビールのコップが約10分間、
動かなかったもん。


──同じ日に日本VSトルコ戦がありましたが、
  それよりも、ですか?
  韓国戦のインパクトのほうが強かったんですね。

大インパクトだね。だって、ありえないことだもの。
サッカーの歴史の中で、
ワールドカップでイタリアにアジアの国が勝つ、
っていうこと自体がたいへんなことなんだ。
日本戦は「負けるかもしれないし、
勝つかもしれない」って思ってたから。


──うっすら「勝つかもね」って思ってたけど。

ドーハの悲劇のときよりも、びっくりしたね。
ドーハの悲劇は
「あぁ、入っちゃった・・・」てなかんじだったけど。


──そうか。そんなに韓国が勝ったことは
  すごいことなんですか。

すごいことだよ、あれ。
「イタリアいなくなっちゃうの?」
っていう気持ちになって、動けなかった。
選手のあんな大量流血もはじめて見たよ。
おれはもう、韓国応援するけどね。
今日で気持ち切り替えて、
なぁんて、サッカー選手みたい。
でも明日になるとわからない。
それほど混乱してるんだ、いま。


──わたしはスペインを応援しようかな。

スペインもね、あぶないぜ。
あのね、ああいうラテン系のチームは
ガツガツとしたプレー
するチームに対して怒っちゃうんだよ。
だから、みんな負けてってる。


──ガツガツしたプレーって、どんなことですか?

今回のワールドカップってさ、
「うわ、こんなのが入ったよ」とかいうスーパープレーが
全部殺されちゃってんだよね。
ガツガツしてるってのはね、体力とスピードで
中盤のゲームメーカーを殺しにくるんだ、3人くらいで。
つまり
「ゲームメーカーをつぶす」
ゲームメーカーがしっかりしているチームがあると、
そこから華麗なるパスが出てゴールを狙う。
そういうチームがほとんど敗退してる。


──美しいサッカーをするチームが負けていってる。

そう。つまんなくなってるとも言える。
ゲームメーカーにマーカーがいっぱいつくからね。
「ここをつぶせばなんとかなる」って、
多いときは3人もつくわけだから。
だから、フィジカル面の強さをもっている、
組織で抑えていくチームが勝っている。
これ、組織的っていう新しい面もあるけどさー、
古い、むかーしのスタイルなんだよね、どちらかというと。
優勝候補といわれた「華麗なるサッカー」をするチームが
ことごとく負けてんだよ。
メキシコのブランコ、ポルトガルのフィーゴ
イタリアのトッティもおさえられちゃったからね。
トッティはしかも、退場にまでなって。
いまはちょっと変わってきてるんだけど、
ゲームメーカーの背番号はたいてい10だったんだけど、
これは
「10番の完全なる終焉」だな。
21世紀になって、今度のワールドカップで
変わっていかざるを得ない。


──そうするとほんとに、体力的に強い民族が
  有利になってきますね。

アメリカやセネガルがそうだよね。
「ばてない」っていう。


──パスがきれいで、スーッといくのが見たいのに。

おれも見たいよ。でもそういうチームが
ほっとんどいなくなっちゃったからね。
それが現実ですね。これはねー、
ルール変えればいいんだよ。


──ルールを。(ぱちくり)

うん。NBAとかのバスケットのルールって、
ゾーン禁止だったかな、マンツーマン禁止だったかな、
とにかく禁止のルールがあったりしたの。
だからサッカーも10番つけている人には
2人以上マークをつけちゃいけないとか(笑)。

そうしないと「華麗なるサッカー」は見れなくなる。
今後、みんなゲームメーカーをつぶしていく
スタイルになると思うよ。


──つまんないっすねぇ。

でも、その反対の考えとして
「ゲームメーカーを作らない」っていう手もある。
中盤の選手がみんなゲームメーカーである、とかさ。


──ああ、そうするとパスをつなぐ人がでてくるから、
  おもしろそうですね。

ゲームメーカーをつぶされると、
惜しいプレーが続くんだよ。


──テレビで、スローモンションでじっくり見たりすると、
  「ちょっと角度が違ったら、
   こっちにボールが曲がってて、入ったのになあ〜」
  ってことが山ほどありますね。

日本戦では、西澤のヘディングもそうだったけど、
鈴木のシュートが惜しかったよね。。
鈴木ねぇ・・・。
パーンと入れたのがシューッと上に行っちゃった。
なーんてね、終わったことは言えるんだけどね、
い・く・ら・で・も(笑)。
ところでさ、ワールドカップに出てる選手には
乙女座や蟹座が多いんだねえ。
おれヤンカーと同じ誕生日なんだよ。
(慶一さんは8月28日生まれ、乙女座でいらっしゃいます。)


──ヤンカー。あ、ドイツの選手ですね。

ババヤロは1日違いで8月29日。
ブラジルのジュニオールは、31日で3日違い。


──慶一さん、いったい何を調べてるんですか。

いやおれ、星座上はミュージシャンじゃなくて
サッカー選手になりゃよかったのかな

なんてすぐ考えちゃうんだなぁ。


──・・・なるほど。
  イタリア、ポルトガル、アルゼンチンがすべて敗退。
  優勝はどこにしましょうか?

ランキングで1位から10位までのがほとんど
いなくなってるでしょ。メキシコもダメでしょう? 
優勝はね、韓国かアメリカだ!

(編集部註:このインタビューはアメリカvsドイツ戦の前に行われました。)

──韓国かアメリカ!

韓国はありえるよ。
ブラジルが負ければね。

意外とセネガルあたりがきちゃったりしてね。
なんでも、黒魔術師を呼んでるっていうし(笑)。
そう、ムリッド教団ていう、
アラーを崇拝しないイスラムの新興宗教があるんだよ。
点をとった後のダンスは関係あるのかなあ、なんてね。
ユッスー・ンドゥールもセネガルか。


──こうなると、もうわかんないですからね。

こっからトトカルチョをするんだったら、
セネガルに賭けるな、おれは。
イングランドは
ユリ・ゲラーが
念を送ってる
らしいけどさ(笑)。


──韓国の試合は、わたしはイタリア戦よりも
  ポルトガル戦のほうが心に残ったな。
  ポルトガルとは引き分けていても
  決勝トーナメントには行けたのに。
  ポルトガルは最後、「パスをまわそう」っていう
  サインを出してましたよね。
  これ以上ゲームを動かさずに、
  一緒に決勝トーナメントへ行こうと。

うん。「同点で行こうよ」っていう。
メキシコVSイタリアが最後の4分ぐらい
パスの回し合いをしてたでしょ。あんなかんじで、
ポルトガルもおなじように、サイン出してたのに。


──「ここでやめようぜ」っていう。

ポルトガルに勝てば選手は兵役免除だったらしいからね。
それに、ああいう時間かせぎの行為そのものに
アジアのチームは慣れてないからかもしれないね。
アメリカとの関係をよくしておこう、っていう考えも
働いたのかもしれない。
おれも、個人的にいちばん好きなサッカーのスタイルは
ポルトガルだけど。


──ところで、先日宮城まで見に行かれた
  スウェーデンVSアルゼンチン戦はいかがでした?

うーん。
過去のことどんどん遠い昔のことになってゆくよ(笑)。
韓国VSイタリア戦のインパクトが強すぎて。


──でも、あの試合はアルゼンチンの行方を決定する
  大切な試合だったんですよね。
  引き分けで、アルゼンチンは決勝に出られなくなった。

そうだね。あれが3試合目の、最後の試合だったもんね。
いちおうおれはスウェーデンサポーターとして
3試合見てるのね(観戦記1観戦記2を参照してね)。
スウェーデンサポーターの着ている服がさあ、
かっこいいのよ。


──ユニフォームですか?

いや、ブルーに黄色の王冠のこまかい模様のものTシャツ。
色が反転したバージョンももある。
すげぇ欲しくなったのが、このぼうし。

みんな被ってんのよ、スウェーデン人が。


──スウェーデン本国では
  いっぱい売られてるんでしょうね。

ガソリンスタンドとかで配ってたりするんじゃないかなぁ。
おれ、欲しくて欲しくてじろじろ見ちゃって(笑)。
あと、バス待ってたときに前に並んでた女の子が
「SWE」って書いたTシャツ着てんの。


──スウェ!

かっこよくてさあ! 黄色なんだけど(ウットリ)
いいんだよね、みんな。北欧色なんだよな〜。


──あ、このTシャツは?

これは、94年のアメリカ大会のときの
スウェーデンのユニフォーム。

 
当時はブローリンっていう選手がいたの。そのシャツ。
たまたまスウェーデンに行ったから買ったんだけどね。


──スウェーデン人のサポーターは
  たくさん来ていたんですか?

うん、来てたよ。みんな新幹線はグリーン車でね。

──リッチですね〜。

おなじくグリーン車に
アルゼンチンサポーターも乗ってんだけど。


──そうなんですか!

もちろん普通車に乗ってる人たちもいるんだけどね。
アルゼンチンサポーターには金持ちっぽい人と
貧乏っぽい人が思いっきりわかれてるよ。
アルゼンチンには、90、94年にも出てた
カニージャっていう選手がいたでしょ。
カニージャはさ、ベンチにいたんだけど
退場になったんだよ。


──え! ベンチにいるのに。

何か言ったんだよ、審判に。
ベンチにいて、退場になって、
カニージャがビジョンに映ったんだよ。
「おお、カニージャ! 相変わらず長髪ぅ」〜。
・・・あいつ、アピールしたくて
わざと退場になったんだよ。


──ハハハ。ビジョンに映りたくて。

そうしなきゃカニージャ、
1回も登場せずに終わったわけだ。
よっぽどのこと言ったんだと思うんだよね。
・・・主審はアラブ首長国連邦か。
何語で言ったんだろうな。
審判がつかつかつかとベンチに行って
レッドカード出したんだもん。
すっげえおもしろかったんだけど、
ピッチにも影響与えんだよね。


──カニージャ、何がしたかったんでしょうね。

おれはカニージャだって言いたかったのか
とにかくあの試合は
「こんな試合見れて幸せだ」
っていう試合だったよ!


──あ、そうなんですか!
  思い出してきましたね〜。

うん。両チームとも必死だしね。
引き分けたらアルゼンチンは決勝に行けない。
これは「フラット3トップ」だったね。


──フラット3トップ(笑)!

常に真ん中にバティステゥータがいて、
左側にクラウディオ・ロペスがいて、右にオルテガがいて。
もう、ずーっと3人前に出てるんだもん、攻撃んとき。


──かっこいいですね。

あの3人を攻撃にさいておきつつ、ディフェンスもしてる。
それに対してスウェーデンの守り。
センターバックのミャルビー。あいつが要なんだな。
ミャルビーとバティステゥータのやり合い見てるだけで、
おもしろかった。
ボールのないとこでもいろいろやってるわけだよ。
これ、スタジアムで見る醍醐味だね。
あと、ソリンっていうアルゼンチンの選手がいて、
こいつぁ、恐ろしかったよ。


──ソリン! 名前からしてこわい。

こいつがね、どっからともなく
出てくんだよ。


──そんなわけないと思いますけど(笑)。

「フラット3トップ」が何かやってるときに
後ろから出てきてね。きわどいシュート打つんだよ。
それをまた、4バックのスウェーデンがよく防いでたよ。


──どうやって守ってたんですか?
  その、強烈なフラット3トップとソリンを・・・。
  バティにはとにかくマークをつけてるんですよね。

いや、マンマークではないな。ゾーンで守ってたね。
ボールが来たら行く、来たら行くってかんじで。
バティはすっと消えるからマンマークしきれないし。


──ああ、見たくなってきちゃった。

試合がおわったらさ
「いい試合だったんですって?」
という電話が、いろんな人から携帯に入って。
そのあと、知り合いのピーターパンっていう
ロック・カフェに行ったら
みんな集まってきちゃった。



そこでフランコさんがもらってきたっていう
アズーリのサインをみせてもらったりした。
しかし、いい試合だったね。
いいものを見せてもらった(しみじみ)。
バティ泣いてんだもん。クレスポも。
おれも試合終わった瞬間は、
「ああ・・・終わっちゃったよ」って脱力感があったね。
でも、すぐ席を立ってスタジアムを出たけど。
何しろこわいし!


──小心者としては。

うん!
死のグループFだったからね。早く現場から去らないと。
イングランド、スウェーデン、アルゼンチンの
3チームが決勝に行ってほしいくらいでしたよ。


──アルゼンチンはあんなに攻めるチームなのに、
  どうして点が入らなかったんですかね?

惜しいプレーのせいなんだよ。
「惜しい、惜しい」が続くと
チームがだんだん沈んでくんだよ。
たとえば野球だと、
ホームランばりの惜しいファールを打って、
そのあと凡退したとしても、
次の打席で何かをやればいいや、って思える。
サッカーはそうじゃない。連続してるからさ。
90分の間に「惜しい」が続くと、それがどんどん
体にきいてきちゃうのね。
また野球に例えると、守備において、
ペタジーニが3回続けてエラーするようなものだ。


──ボディブローですね。
  ちなみに慶一さんはヤクルトファンです!

そのうち審判のせいにしたりしてさ。

──イライラし出しちゃうんですね。

サッカーって、失敗は自分がいちばんよくわかるんだよ。
だから、失敗が響くんだよね。
「惜しいから次は入るだろう」っていう
ポジティブな気持ちにはなりにくいもんなんだよ。
「あ、惜しい」「惜しい」がだんだん
チームにも浸透していって。


──見てるほうは「いつか入るんじゃないか」って
  期待して見てるんですけど。

100発打てば、そのうちの1発、とかね。
でも、やってるほうは「惜しい」が続くと
どんどん落ちてっちゃう。
次々に敵がせまってくる
距離の近いところでのスポーツだから、
瞬間の判断をマイナスに考えるようになっちゃうんだと
思うんだよね。


──いやー、微妙なところですね。

日本もイタリアも
「決まってもおかしくないシュート」がたくさんあって、
それが全体の雰囲気をクラーくしていったんだね。


──ウッソー、負けるの、ウッソーって。

時間もなくなってくるしね。
その「ウッソー」っていう気持ち
がよけい点に結びつかないんだよね。
クラーい顔がわかりやすい選手がいるね、
スペインのイエロとか、
イングランドのキャンベル、イタリアだとココ
この辺がクラーくなってくるともうだめ、負ける。
「クラーくなると負ける顔特集」したら?
異論もあるだろうし。


──日本VSトルコ戦はどうでしたか?

その日はスタジオにいたから、
テレビで音出さないで見てたんだけどね。
まあ、負けるかなあ、勝つかなあって、
どっちもあるよな、っていう気分だったんだけどね。


──試合おわったあと、みんな淡々としてましたよね。
  選手もサポーターも。

もっと欲望を上げるんだったら、
中3日で戦うのはきつかったかもね。
いったん目標に達しているから。トルコは中4日。
そのへんは原因のひとつだと思うよ。
選手の顔もちがったね。
「落ち着けよー」ってかんじでしょ。
コンビネーションも悪いし、惜しいこともいっぱいあった。
でもトルコ、うまかったね。


──もしかしたら先発メンバーがちがったら
  何かが変わってたかなって思っちゃうんですが。

うん。日本もイタリアも
監督が先発選手を変えてきたでしょ。
イタリアはトッティデル・ピエーロ
一緒に先発に出した。結果は裏目。
延長にデル・ピエーロがいたらなあ、って何度も思ったよ。
日本もリーグ戦でいい調子だったんだから、
普通、2トップは柳沢鈴木でいくよね。
でもそれを変えてきた。
三都主はなんで最初から入ってたんだろうね。
あいつは途中から出てきて
「アレ、日本人じゃない」
っておどかす役なのに(笑)。


──ハハハ。

あれは、トルシエの勝負なんだろうな。
ちがうメンバーにしてモチベーション上げるとか。
ただ、すごいとまどってたよね、最初のうち。
バタバタしてるあいだに点を取られた。
これまでとメンバーを変えたから、
つながり出すまでに時間がかかった。
これ、あと5分試合が長かったら、わかんなかったよ。
いまさらいってもしょうがないけど。


──韓国の試合と順序が逆だったら、
  もうすこしヒートアップできたかも。

まあ、昼と夜のちがいはあるし、雨だったしね。
でも、相手も同じ条件だから。
韓国は実力の200%を出し切り、
プラス審判もサポーターもうまく機能し
日本は100%を出し切ったってこと。
でもね、東アジアはこれまでの
ワールドカップの歴史どおりの順位になってるんだよ。
韓国は日本よりも上に行き、
日本は予選を突破したけどベスト16で負け、
中国は1勝もできず。ちゃんとできてる。
なかなか世の中甘くない。


──日本は予選を突破したことで
  満足した空気が流れていませんでした?

あれはね、日本人のいいとこであり悪いとこであり。

──ホッとしてましたよね。

おれもホッとすんの好きだけどね(笑)。
韓国には「次に行く謎の力」がある。


──タフでしたよね、韓国。サポーターもね。

サポーターは審判を左右するからね。
ワーッと反応するから
「おおこれはまずいぞ、こわいぞ」と、笛を吹くんだから。
韓国はスペインに勝って
スッと決勝に行くような気がする。
(編集部註:このインタビューはスペインvs韓国戦の前に行われました。)
なんだか「強豪が必死になる」っていうのが
今回のパターンだね。
やっぱり魔物がいるのか、
サッカーのスタイルが変わりつつあるんだね。
初戦でセネガルがフランスに勝ったっていうのが
波瀾の2002年ワールドカップのスタート
ってかんじじゃなですかね。
まさにそれが続いてるわけだよ。


──今回のワールドカップを見ててわかりましたけど、
  サッカー見るとくたびれますね。
  あのアドレナリンの出方は何なんでしょう。

うん。常に動いてるし、いつ点が入るのかわからないし、
1点勝負だし。


──4年後のドイツも楽しみですね。

4年後っていってもすぐ、
2年くらいで予選がはじまりますからね。


──セリエAも見に行きたくなっちゃった。

あのスタジアムの雰囲気がいいよね。
日本にいても「Jリーグは見ないけど」って人も
日本代表戦は観れる機会があればぜひ、
観たほうがいいと思うよ〜!
おれ、ナショナリズムゼロだけど、
サッカ−のときくらいはね、持ってもいいかなって。
でもすぐゼロに戻るけどね。


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サッカーのゲームをくりかえしテレビで見ているだけで、
すばらしいプレーがどんどんわかるようになってきました。
慶一さんのお話を伺うにつけ、
こんどはぜひ生で見なくちゃ!と、鼻息荒くなりますネッ。


この期間、
流行りそうなダジャレ集

そこがカニぃんジャ。

もっとウエジャ。もちっとシタジャ。

日本代表ディフェンダー松田選手の
あの「長髪」と「ヒモ」のモデルはこの人。
クラウディオ・カニージャ(アルゼンチン)
生年月日:1967年1月9日
身長:175cm
体重:70kg
ポジション:FW
現所属クラブ:グラスゴー・レンジャーズ(スコットランド)



みなさまからの投稿をお待ちしています

●ワールドカップに関する疑問やルールについての質問は
 「常識ブック」

●ワールドカップやサッカーに関するいいまつがいは
 「ワールドカップいいまつがい」

●サッカーに関するダジャレを思いついたら
 「ワールドカップダジャレ」

●にわか解説員と化した観客の知ったかぶり発言は
 「知ったかぶり」

をメールの表題にして、どしどし
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こっちも読んでね!
フランコ・ロッシさんの
「アズーリにべったり密着50日!」

2002-06-25-TUE

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