あやや |
じゃ、『ゴーイングマイホーム』あたりから
はじめましょうか。
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森下 |
是枝裕和さんのだ。
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── |
え? 映画監督の?
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あやや |
そうなんです。
是枝さんがドラマの監督・脚本を務める
ということで話題になってます。
そして、山口智子さんが16年振りに復帰。
宮崎あおいちゃんも出ます。
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荒井 |
テレビドラマは、めずらしい感じの
顔ぶれになってますよね。
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あやや |
さらに、西田敏行さん、阿部サダヲさん、
夏八木勲さん、吉行和子さん。
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荒井 |
是枝作品らしく、YOUさんもいます。
よくこれだけ集めたなー。
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── |
映画っぽいですね、たしかに。
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あやや |
ところで、みなさんは
是枝さんの映画はご覧になっていますか。
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荒井 |
観てますよ、ぜんぶじゃないけど。
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森下 |
私は、『誰も知らない』とか、
『歩いても歩いても』とか。
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あやや |
最近だと『奇跡』ですね、九州新幹線全線開業の。
すごいよかったですよ。
是枝さんの脚本って、すごくいいと思うんですけど、
ドラマと映画って違うじゃないですか。
こう、観るほうのスタンスも。
だから、あの「静かな、いい感じ」が、
どんなふうになっちゃうのか、期待と心配が。
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── |
ドラマを観る感じと、
映画を観る感じは、どう違うの?
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あやや |
なんていうか、映画館で映画観るときって、
観ようと思って観てるじゃないですか。
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森下 |
あー、そうだね。
家で観るときって、適当だもんね。
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あやや |
適当なんですよ。
だからドラマって、変なセリフとか多いんですよ。
こう、観てる人を引きつけるための
決めぜりふみたいなのとか。
「おだまり!」みたいな。
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── |
‥‥「おだまり!」とか、言う?
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森下 |
最近のドラマは言わないかも(笑)。
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荒井 |
たしかに(笑)。
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あやや |
あれ? なんか、あったじゃないですか、
こないだの、榮倉奈々ちゃんの‥‥。
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森下 |
『黒の女教師』?
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あやや |
そうそうそうそう。
あれ、なんでしたっけ?
なんか言うじゃないですか。
「やかましや!」じゃなくって‥‥。
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荒井 |
「やかましや」?
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── |
野村萬斎?
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あやや |
じゃなくて‥‥
「無礼者」? 「狼藉者」?
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森下 |
「愚か者!」だ。
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あやや |
「愚か者!」だ、「愚か者!」、
そういうこと言わないんですよ、是枝作品は。
「おろかものー!」とか、
「とびげりー!」とか。
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荒井 |
跳び蹴りじゃなくて
回し蹴りですよ、あれは(笑)。
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あやや |
そうでしたっけ。
けっきょく私、ぜんぶ観ちゃいましたよ、
『黒の女教師』。
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森下 |
私も観た。
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── |
すいません、なにがなんだか
わからなくなってきました。
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あやや |
そういう特殊な設定や展開が
当たり前のドラマの世界にあって、
是枝作品がどんなふうに映るのかな、
ということです。
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── |
それは、ややもすると、
「ちょっと地味になっちゃうのでは?」
というような心配も込めて?
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あやや |
そういう心配も、ないことはないです。
ただね、私‥‥
ちょっと小耳に挟んだんです。
山口智子さんがなぜこのタイミングで、
16年振りに復帰するのか?
それは、
「脚本を読んでおもしろかった」からだそうです!
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荒井 |
ああ、インタビューで答えてましたね。
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── |
それ、「小耳に挟んだ」って言う?
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あやや |
インタビューで答えてたのを
「小耳に挟んだ」んです。
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── |
そりゃ、インタビューを読んだだけだろ。
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あやや |
ところでどうですか、
この山口智子さんの変わらなさっぷりったら!
連ドラは『ロンバケ』以来、16年振りだそうですよ。
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荒井 |
たしかに、16年振りとは思えないですね。
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── |
『ロンバケ』を観て
思わずソファーを買っちゃった森下さんは、
感慨深いものがあったりしますか。
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森下 |
ってことは、
うちのソファーも16年経ってるのかぁ。
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── |
いや、ソファーの感慨ではなくて。
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あやや |
あと、私が小耳に挟んだ情報によりますと、
『LIFE』でおなじみの飯島奈美さんが
フードスタイリストを務めてらっしゃいます!
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森下 |
あっ、そうなんですか。
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荒井 |
へぇー。
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── |
だからそれ、
「小耳に挟んだ」って言わないから。
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あやや |
きっとドラマのなかで、
飯島さんのおいしい料理が
たくさん見られると思います。
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── |
ほかのみなさんはどうですか。
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荒井 |
これ、是枝さんの作品だっていうのを知らないで、
ふつうにタイトルと主演の阿部寛さんだけ見たら、
『結婚できない男』を連想しますね。
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あやや |
ああ、そうですね。『白い春』とかね。
制作が関西テレビだし。
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荒井 |
ただ、是枝さんがやるんだから、
きっと既存のドラマとは違うものを
見せてもらえるのではないかなと。
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森下 |
そうそう、そこが一番の期待ですね。
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あやや |
セリフ回しとか、画のアングルとかも、
違っておもしろいかもしれない。
あとは、さっきも言いましたけど、
観ながら平気で席を立っちゃうような環境で、
適当に観たときにどうなのかというところですね。
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荒井 |
内容としてはどういうものなんですか。
テレビ情報誌を拾い読むと
「ホームドラマにしてファンタジー」
みたいなことが書いてありますけど‥‥。
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森下 |
そう、なんか、
妖精みたいなものが出てくるんでしょ?
「クーナ」っていう
謎の生き物が出てくるらしい。
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荒井 |
えーーっ。
なんですかその是枝作品らしからぬ設定は。
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あやや |
あっ、そういう感じなんだ。
それはちょっと、逆に期待が。
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荒井 |
たしかに、
「ユーモラス」とも書いてあるなぁ。
観てみないとわからないですね。
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あやや |
でも、やっぱり、いちばんの魅力は
是枝さんがドラマをやるっていうことでしょう。
その意味では、是枝さんをドラマに呼んで、
これまでにないものをつくろうとした
制作チームの意識の高さに拍手を送りたいです!
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森下 |
あ、そういえば、このプロデューサー
私の大学の同級生なんですよ。
豊福陽子さん。
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── |
へぇーー。
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あやや |
そうなんですか。
じゃあ、よろしくお伝えください。
とあるドラマファンが拍手を送っていたと!
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── |
はい、じゃ、そんなところで
つぎのドラマに行きましょう。
ペースが遅いぞ、いつも以上に!
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あやや |
ゆっくりやりましょうよぉ。
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