あやや | つぎ行ってみましょう。 荒井先生、なにかありますか。 |
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荒井 | ちょっと気になるのは 『素敵な選TAXI(センタクシー)』ですね。 |
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あやや | ああ、これ。 たしかにちょっと気になりますね、 |
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荒井 | 脚本、バカリズムさん。 | ||||
あやや | バカリズムさん、いいですよね! あの、お笑い芸人の方って、 最近、小説書いたりとか、脚本書いたりとか、 いろんな分野で活躍されてますけど、 劇団ひとりさんとかバカリズムさんって、 私、すごくいいと思うんですね。 それはなぜかというと、 友だちがいない感じがするから。 |
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森下 | えっ。 | ||||
荒井 | なんと。 | ||||
── | 偏見に満ちた発言をお詫びします。 さ、あやちゃん、言い直して。 |
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あやや | ああ、そうですね、すみません。 ええと、バカリズムさんとか、 劇団ひとりさんとかって、 友だちが多くなさそうじゃないですか。 |
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森下 | いっしょ、いっしょ(笑)。 | ||||
荒井 | あくまで、イメージ? | ||||
── | 編集する身にもなってくれよ。 | ||||
あやや | いや、もちろん、 私が勝手に想像するに、ということですよ。 しかも、悪いイメージじゃなくて、 「だから、おもしろいんだと思う」という よいイメージとして言ってるんですよ! |
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── | まあ、いいや。 とりあえず続けて。 |
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あやや | だから、劇団ひとりさんとか、 バカリズムさんとかって、 学生時代、友だちも多そうじゃないし、 モテなさそうじゃないですか。 |
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森下 | ひどくなってる、ひどくなってる! | ||||
荒井 | ははははは。 | ||||
── | コンテンツをつぶす気か! | ||||
あやや | ああ、しまった、うまく言えない! つまり、「ひとりの時間」が 長いんじゃないだろうか、と。 で、パッと表現するギャグなんかと違って、 「作品」としてのおもしろさって、 「ひとりの時間」の長さとか、濃さと、 すごく関係するんじゃないかと思うんです。 |
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森下 | あー、そういうことか。 | ||||
荒井 | なるほど、 「ひとりの時間」を持ってる人ほど 自分のなかに溜まっていくものがあるから、 作家に向いてるんじゃないかと。 |
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あやや | だから、お笑い芸人の中でも、 「友だちが多そうな芸人さん」は、 ギャグとかネタはすごくおもしろくても、 作家として作品を出すと、 ちょっと、はずしちゃったりする。 |
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森下 | うん、うん。 | ||||
あやや | だから、「友だち少なそうな芸人さん」は、 たまたま芸人さんをやってるけど、 漫画家さんとかに近いんじゃないかと。 |
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森下 | ‥‥んん? | ||||
── | コラコラ! それだと、漫画家は友だちが少なそうだ、 ということになるぞ! |
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荒井 | そして私は漫画家だったりします。 | ||||
あやや | うわわわ、そういう意味ではなく! イメージ! イメージ! |
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森下 | ま、わかりますけど。 | ||||
荒井 | はい、わかります。 | ||||
── | えー、発言中の「友だち少なそう」を 「ひとりの時間が長そう」と 置換させていただきます。 |
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あやや | だから、劇団ひとりさんの作品って、 小説も映画もわりと評判いいじゃないですか。 |
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荒井 | 『青天の霹靂』とか。 | ||||
あやや | ええ。 そういうことを踏まえて予想するに、 きっと、バカリズムさんの作品も おもしろいのかな、って。 |
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荒井 | センスで勝負するみたいな感じですからね。 あと、コントを書くことって ドラマに通じる部分があるのかもしれない。 |
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── | ええと、『素敵な選TAXI(センタクシー)』が どういうドラマかというと、 「人生は選択の連続であり、 一度選んだら後戻りはできない。 でも、誰しも、もう一度やり直したいと 後悔することがあるはず。 そんな願いをかなえてくれるのが 『選TAXI(センタクシー)』。 過去に戻れる不思議なタクシー運転手と、 さまざまな乗客をめぐる エンターテインメント」。 |
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あやや | ほぅほぅほぅ、おもしろそうじゃないですか。 | ||||
森下 | 乗客を乗せて、なにか問題が起こって、 分岐点のところに戻ったりするのかな。 |
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荒井 | で、そのタクシーの運転手が竹野内豊さんで、 ゲストがいろいろ変わっていくんですね。 |
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あやや | つまり、竹野内豊さんが 渡瀬恒彦さんのポジションに。 |
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荒井 | それは 『タクシードライバーの推理日誌』! |
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森下 | あははははは。 | ||||
── | すごいツッコミだなぁ。 この座談会でしかありえないよ。 荒井先生、もう一回つっこんでください。 |
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荒井 | それは 『タクシードライバーの推理日誌』! |
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森下 | あははははは。 | ||||
あやや | なんだっけ、前に、分岐点が出てくるような ドラマってありましたよね? |
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森下 | あれですよ、フジテレビの『if もしも』。 | ||||
荒井 | あーー、ありましたね、 分かれるんですよね、道がね。 |
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あやや | そういう感じかもしれない。 フジのその手の、けっこう好き。 |
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荒井 | そうか、そうか、分岐点に戻って もう一回選び直すっていうのは、 たしかに『if もしも』に近い。 |
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あやや | ‥‥んん? ぁぁあああーー!! わかった、わかった、わかった!! いま、わかっちゃった! 『選TAXI』って! 「選択肢」ってことか!! センタクシー!! |
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荒井 | ‥‥そうですよ。 | ||||
森下 | えええーー、遅いよ! | ||||
── | わざわざタイトルに (センタクシー)って 読み方が書いてあるじゃないか。 |
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あやや | きゃーー、そっかーー! センタクシー! センタクシー! 選択肢のセンタクシーだったのか! え? みんなわかりました? |
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森下 | だって、漢字の「選」が ここにひとつあるのって、ヘンでしょ? ヘンだと思わなかった? |
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あやや | いや、思ったけど‥‥ なんか、言葉遊びかな、って。 |
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森下 | ‥‥いや、言葉遊びだよ! | ||||
荒井 | はははははは! | ||||
森下 | 言葉遊びだよ! 「ダジャレ」という、 人類が人生のはじめに体験する言葉遊びだよ! |
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── | もう、これは、どうすればいいんだ。 | ||||
あやや | いやー、そこまで深く考えてなかったです。 | ||||
荒井 | すごい。 | ||||
── | こんなの、そのまま書いたら、 ただのネタだと思われるだろうなぁ。 |
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あやや | ま、それはそうと、 主演は竹野内豊さんです。 竹野内豊さん、かっこいいですよね! |
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森下 | うん、それはそうと、 竹野内豊さんはかっこいいね。 |
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あやや | あと、竹野内さんって、 かっこいい役だけじゃなくて、 コミカルな役のときもすごくいいんですよね。 天海祐希さんの『BOSS』とか。 |
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荒井 | ああ、合コンばっかりしてるチャラい役。 あのキャラクター、合っててよかったですね。 |
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森下 | チャラい役がうまいんだ。 | ||||
あやや | あと、なんていうんでしょう、 私の好きな「生きザマ」の話でいえば、 かつて同時期にブレイクして 活躍していた俳優さんと比べても、 すごくいい歳の重ね方をしてますよね。 |
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荒井 | 『ビーチ・ボーイズ』のころから うまく歳を取っているというか。 |
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あやや | そうそう、だから、20代のころって、 たくさんの俳優さんがブレイクしますけど、 40代まで残ってる人って、 すごく少ないじゃないですか。 つまり、かっこいいだけじゃ 残れないっていうことですよね。 それが、できる人とできない人がいる。 その差は、なんなんだろう? |
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荒井 | あの世代のなかで、なぜ、 竹野内さんがうまく歳を取ってるのか。 |
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森下 | (じぃーーっと竹野内さんの写真を見て) ‥‥もしかして、 ヒゲが濃いほうが残りやすいのかな? |
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── | ぶはっ! | ||||
荒井 | えっ、どういう意味(笑)。 | ||||
あやや | いや、そうかも! ヒゲ濃いほうがいいのかも! |
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森下 | うん、ホルモン的な問題かもしれないですよ。 残るかどうかの最終決戦は。 |
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── | 大丈夫か、このコンテンツ。 | ||||
荒井 | ヒゲが決め手なら、 山田孝之さんとかすごいじゃないですか。 |
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森下 | すごいんですよ、絶対残る! | ||||
あやや | あと、誰だろう。 | ||||
森下 | あの人も、大人計画の皆川猿時さん。 | ||||
── | わははははは! | ||||
あやや | たしかに、すごい、すごい、すごい! 残る、残る、残る、 ヒゲ濃い、ヒゲ濃い、ヒゲ濃い。 |
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── | おかしな連呼しない。 | ||||
森下 | でも、ほんとに、冗談抜きで、 なんかあると思うんだよねー。 |
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荒井 | ヒゲ、すなわち、 生きるエネルギー、みたいな。 |
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森下 | そうそうそう。 | ||||
あやや | 長嶋茂雄さんって、 めっちゃ濃いじゃないですか。 |
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── | ミスター出すのかよ。 長嶋さんは、残るとか歳を重ねるとか、 そういう問題じゃないぞ。 |
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森下 | いや、でも、 ヒゲが濃いか薄いかでいえば‥‥。 |
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── | そりゃ濃いけどさ。 | ||||
あやや | あと、長嶋茂雄さんって、胸毛もすごいです。 | ||||
荒井 | 言われてみれば、 日本で名優と言われている人は、 だいたいヒゲが濃いような気がしてきた。 |
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あやや | 三國連太郎さん。 | ||||
森下 | 津川雅彦さん。 | ||||
── | 役所広司さん。 | ||||
荒井 | 仲代達也さん。 | ||||
森下 | うわーー。 やっぱりさ、ヒゲじゃない? |
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荒井 | たしかに。生命力、感じます。 | ||||
あやや | 名優=ヒゲ! すごい、よく気づきましたね! |
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── | それが事実ということで進めちゃっていいのか。 | ||||
森下 | わ、そういえば、 能年玲奈ちゃんって、すごいね。 「ヒゲ大好き」って、公言してるもんね。 |
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あやや | あーー、そうだ、そうだ、そうだ。 | ||||
荒井 | 無意識で、嗅ぎ分けてたのか。 | ||||
あやや | やっぱり、本能でわかってるんですよ。 天然の人だから。 |
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── | なんだ、この展開。 | ||||
あやや | あとは、ジョージ・クルーニー、濃い! ブラッド・ピット、濃い! |
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森下 | ていうか、外国人俳優は だいたい濃い! |
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── | なんだ、この展開。 | ||||
あやや | じゃあ、若いところでいうと、 妻夫木くん、わりと濃い! 長瀬くん、ちゃんと濃い! 岡田准一くん、けっこう濃い! |
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森下 | やっぱヒゲだ! | ||||
あやや | そうだヒゲだ! | ||||
荒井 | ヒゲなのか! | ||||
── | なんだ、この展開。 | ||||
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あやや | こちらいきましょう。 火曜日の9時のフジテレビ、 『すべてがFになる』。 武井咲ちゃんと、綾野剛くんなんですよ。 で、原作が森博嗣さんです。 |
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森下 | 原作、すっごいむかしに読んだおぼえがある。 | ||||
── | ぼくも読みました。 | ||||
森下 | おもしろかったぁー! って、思った覚えはあるんですが、 どういう話だったか、ぜんぜん思い出せない。 |
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── | 同じです。 これは名作、と思った記憶はあるんですが。 ‥‥なんか、島に行くんですよね? |
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森下 | すごいへんな部屋に入るんじゃなかったっけ? |
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── | 密室ミステリーな感じではじまって‥‥。 ええと、なんか、島に博士が‥‥。 |
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森下 | そうそう、島に博士がいて‥‥うーん‥‥。 | ||||
── | 島で‥‥博士が‥‥うーん‥‥。 | ||||
荒井 | 島と博士以外、覚えてないんですか。 | ||||
森下 | うーーん‥‥島‥‥。 | ||||
── | 面目ない‥‥博士‥‥。 | ||||
あやや | ともかく、原作はおもしろかったと? | ||||
森下 | はい、おもしろかったということを 覚えています。 |
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── | 推理小説はそういうのが多いなぁ。 おもしろかったことは覚えてるけど どういう内容かは覚えてない。 で、お話を忘れてるなら もう一回たのしめるかと思って 読みはじめてみると‥‥。 |
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森下 | 「ああ、知ってる、知ってる」って。 | ||||
── | そうそうそうそう。 | ||||
あやや | とりあえず、原作がおもしろいと聞いて かなり興味が湧きました。 主演の武井咲ちゃんは、どうですか。 最近は、作品への期待が高すぎて、 出るとしばしば厳しい評価を されることもあるようですけど。 |
||||
荒井 | いや、もう、 その段階は脱したようにも見えますね。 『戦力外捜査官』や『ゼロの真実』あたりは 安定感も感じられたような。 |
||||
あやや | なるほど、なるほど。 | ||||
荒井 | 相変わらずCMもすごい出てますよね。 それと、映画の『るろうに剣心』が めちゃめちゃ当たったじゃないですか。 |
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あやや | あれ、おもしろいらしいですね。 | ||||
── | 糸井重里もほめてました。 | ||||
あやや | 一方、もうひとりのメインが綾野剛さん。 去年は、ここで、 シンデレラボーイ呼ばわりしてましたが、 気がついたら、すっかり、 「イケメン主役の代名詞」 みたいな役者さんになっちゃいました。 |
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森下 | そうですねー。 | ||||
あやや | なんていうか、ほんとに予想できないですね。 だって4年ぐらいまえの 『Mother』では、タトゥー入れて、 芦田愛菜ちゃんを虐待する役でしたからね。 それが一気にメインストリームに。 |
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森下 | そういえば、綾野剛さんも若干ヒゲだ。 | ||||
── | まだ言いますか。 | ||||
あやや | 主役のふたりは人気者だし、原作は名作だし、 『すべてがFになる』、 なかなか、期待できるんじゃないでしょうか。 |
||||
森下 | ただ、なんていうんだろう、 この原作、こう、印象として、 そのまんまドラマになりやすい話では なかったような覚えが、なんとなく‥‥。 |
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── | そう、そうなんですよ。 小説ならではのおもしろさ、というか。 |
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森下 | けっこう、こっちから理解しにいくような、 複雑なおもしろさだったような 覚えがあるんですけども。 |
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あやや | ドラマ化できない? | ||||
森下 | いや‥‥そこまでは‥‥。 | ||||
── | どうだったかなぁ‥‥島に‥‥。 | ||||
森下 | 島に‥‥博士が‥‥。 | ||||
荒井 | 島と博士以外、覚えてないんですか。 |
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|||||
あやや | もう1本、行きましょうか。 『Nのために』は、どうでしょう。 |
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森下 | こちらは原作が湊かなえさん。 | ||||
荒井 | しかし、 『すべてがFになる』と『Nのために』が、 おなじ時期にあるんですね。 |
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── | あ、そういえば。 | ||||
森下 | 連ドラアルファベット対決だ。 | ||||
あやや | これって、なんなんですか? 『F』とか『N』とか、 ただの偶然なんでしょうか? |
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荒井 | しかも、両方、ミステリー小説を ドラマ化ですもんね。 |
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あやや | なんでアルファベットのタイトルが多いの? | ||||
── | 推測だけど、ミステリーの名作って、 タイトルにアルファベットが 入ってるものが多いから、 作品へのリスペクトも込めて そういう様式を踏襲してるっていうのは あるかもしれない。 『Xの悲劇』とか、『ABC殺人事件』とか。 |
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あやや | あーー、そうか、なるほど。 ちなみにこの『Nのために』の 「N」っていうのは、なんですか? |
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森下 | 主要な登場人物の全員、 名前っていうか、イニシャルに 「N」が付くんだよ。 |
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あやや | へ? どういうこと。 | ||||
森下 | 安藤望、西崎真人、野口奈央子、杉下希美。 | ||||
荒井 | あーー、なるほど。 みんなどこかに「N」が入ってる。 |
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あやや | ああーー。 | ||||
森下 | だから、みんながそれぞれに、 「Nのために」、なにかするんじゃないかな。 じぶんにとって大切な それぞれの「Nのために」。 |
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荒井 | ああ、それで「Nのために」かー。 なるほど、おもしろそうですね。 |
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あやや | そういえば、ここにも 「N」がついてる人がいますね。 「Nagata」です。 |
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── | オレ? | ||||
あやや | 「Nのために」。 「Nagataのために」。 |
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森下 | ‥‥‥‥。 | ||||
荒井 | ‥‥‥‥。 | ||||
── | ‥‥あやちゃん、 反応しようのない話に 人の名前を出さないでもらえる? |
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あやや | フフフ‥‥。 | ||||
── | 謎の微笑みもやめてください。 | ||||
荒井 | ちなみにこのドラマ、 脚本は、奥寺佐渡子さんです。 |
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森下 | アニメ映画などで、 すごくいいものをお書きになる方です。 |
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あやや | 『Nのために』、 なんか、おもしろそうですね。 なんというか、見応えがありそう。 ふだんドラマを観ないという 「N」も観たらいいんじゃないですか? |
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── | 誰が「N」やねん。 (つづきます) |
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