Lesson924
「コワい」を受容するチカラ
2019-05-29
「すこし嫌われてる」、
ただそのことを受けとめればいいだけなのに、
その事実を恐がって、
「それならもう付き合ってくれなくて結構」
と言ってかえって相手の気を引こうとしたり、
「こっちから嫌ってやる」とか、
どんだけビビってんだ。
どの程度嫌おうが相手の自由だ。
ただ受けとめて逃げず恐れずやってれば
いいこともある。
そう自分に言い聞かせる。
「ビビリ」なのだ、私は。
ほんのちょっと疎外されただけで、
大嫌いと言われたかのように、
まるでまわりゼンブから嫌われたかのように、
ギャアギャアギャアと、おびえまくる。
だから、
早いうちにこうして、ちいさく、きっちり、考えることで、
恐怖を解消していくのだ。
そんなビビリの私が、
「ビビリもいていいんだ!」
と解放されるテレビ番組に出逢い、
昨年からたのしみに見ている。
今年も見た。それは、
気が小さい私以上に、気が小さい人、
臆病な私以上に、臆病な人を、
芸人界から7人選りすぐって、
ガチでキング・オブ・キングの「ビビリ」を決める
「ビビリ-1グランプリ」だ。
ビビリだと悩んでいる人のほとんどは、
これを見て気がラクになるだろう。
自分はまだまだ、とひれ伏すかもしれない。そのくらい、
「上には上のビビリがいる。」
ちょっと大きな音がした、くらいのしかけで、
だいのおとなが飛び上がって、のたうちまわって、
恐怖におののいている。
とくに衝撃を受けたのが、
いまもっとも「天才」の呼び声の高い、
漫才部門(M-1)でも、ピン(R-1)でも2冠に輝いた
コワいものなしとおそれられている芸人さんが、
おもちゃの毛虫を恐がって、
おもちゃとわかってからも、どうしてもそばにも寄れず、
逃げまどい、この世の終わりの悲鳴をあげまくり、
のたうちまわる姿だった。
「何がどの程度コワいかは、人によって恐ろしく違う。」
「もっと他人の“コワい”を認めなきゃな、私。」
まわりがどんなに平気でも、
その人がコワいものは、コワい、これは事実だ。
たとえば、「才能がある人がコワい」人がいる。
身近に自分よりはるかに才能ある人がいるだけで、
だれもなんにも言ってないのに、
ビビって、縮みあがって、本来の自分になれない、
どんどんどんどん言動がうわずっていき、
自ら潰れる回路におちいる。
「権力がコワい」人もいる。
権力を持った人が同じ空間にいるだけで、
威圧され、息苦しくなって、
利害関係がない人なのに(全くよその社長とか)、
自らコビをうったり、もちあげたり、せずにはいられない、
そうしないといてもたってもいられない人がいる。
「本番がコワい」人もいる。
いつもは人一倍できるのに、
平常時はほとんどミスをしないのに、
練習も努力も充分しているのに、それでも、
本番になったら、コワくて、委縮して、
人が変わったようにミスを連発する。
「これらは全部、はたからは、目に見えない恐怖だ。」
目に見えないけれど、確かにある。
その人の心の中を可視化したら、
悲鳴をあげ、のたうちまわり、恐怖に全身震えている。
「恐怖の感性は多様だ。」
自分がそれを恐くないからといって、
「だめじゃないか」と、
苛立ったり、頭ごなしに否定しては、逆効果だ。
もともと縮み上がっているその人の心は、
さらに、さらに、縮み上がってどうにもならなくなる。
多様な「恐怖の感性」を許容できるかどうか。
私が平気なものが、その人にとってコワいように、
その人が平気なものが、私にとってはコワい。
「コワいよね、手が震えるよね」
と、まわりも、本人も受容することからはじめていって、
「でも、負けないかも、勇気だせるかも!」
と一緒に伸びていけたら、と私は思う。
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「親の老い」への哀しみをどう表現していいかわからない
私のような人は多いと思います。
読者と表現しあったこの本は、思い切り泣けたあと、
胸の奥が温かくなり、自分の進む道が見えてきます。
この本が出来上がったとき、おもわず本におじぎをし、
想いがこみ上げいつまでもいつまでも本に頭をさげていました。
大切な人への愛から生まれ、その先へ歩き出すための一冊です。
『「働きたくない」というあなたへ』河出書房新社
「あなたは社会に必要だ!」
ネットで大反響を巻き起こした、おとなの本気の仕事論。
あなたの“へその緒”が社会とつながる!
『新人諸君、半年黙って仕事せよ』
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私は新人に、「だいじょうぶだ」と伝えたい。
「あなたには、コミュニケーション力がある」と。
――山田ズーニー。
▲『人とつながる表現教室。』河出書房新社
おかげさまで「おとなの小論文教室。II」が文庫化されました!
文庫のために、「理解という名の愛がほしい」から改題し、
文庫オリジナルのあとがきも掲載しています。
山田はこれまで出したすべての本の中でこの本が最も好きです。
『おとなの進路教室。』河出書房新社
「自分らしい選択をしたい」とき、
「自分はこれでいいのか」がよぎるとき、
自分の考えのありかに気づかせてくれる一冊。
「おとなの小論文教室。」で
7年にわたり読者と響きあうようにして書かれた連載から
自分らしい進路を切りひらくをテーマに
選りすぐって再編集!
▲文庫版でました!
あなたの表現がここからはじまる!
『おとなの小論文教室。』 (河出文庫)
ラジオ「おとなの進路教室。」
http://www.jfn.co.jp/otona/
おとなになっても進路に悩む。
就職、転職、結婚、退職……。
この番組では、
多彩なゲストを呼んで、「おとなの進路」を考える。
すでに成功してしまった人の
ありがたい話を聞くのではない。
まさに今、自分を生きようと
もがいている人の、現在進行形の悩み、
問題意識、ブレイクスルーの鍵を
聞くところに面白さがある。
インターネット、
ポッドキャスティングのラジオ番組です。
「依頼文」や「おわび状」も、就活の自己PRも
このシートを使えば言いたいことが書ける!
相手に通じる文章になる!
『考えるシート』文庫版、出ました。
『話すチカラをつくる本』
三笠書房
NHK教育テレビのテキストが文庫になりました!
いまさら聞けないコミュニケーションの基礎が
いちからわかるやさしい入門書。
『文庫版『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
ちくま文庫
自分の想いがうまく相手に伝わらないと悩むときに、
ワンコインで手にする「通じ合う歓び」のコミュニケーション術!
『17歳は2回くる―おとなの小論文教室。III』
河出書房新社
『理解という名の愛が欲しいーおとなの小論文教室。II』
河出書房新社
『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
PHP新書
内容紹介(PHP新書リードより)
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、
私たちは日々、文章を書いている。
どんな小さなメモにも、
読み手がいて、目指す結果がある。
どうしたら誤解されずに想いを伝え、
読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?
自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、
心を揺さぶる表現の技術。
(書き下ろし236ページ)
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