おとなの小論文教室。

受験のテクニックとして、小論文の書き方を勉強した?
その後は、ナイスなテキストを書いていますか?
考えること伝えることの愉快を、ここで味わいましょう。
ありがたいことに、小論文というものを
考えたり、たのしんだり、たくさん読んできた
カジュアルで優しい先生がいるんです。
さぁ、山田ズーニー先生、お願いしまーす。

Lesson931
読者の声 ― 伝えるほうが、ずっといい。

言いたいことを言っても、伝えたいことは伝わらない。

だから「伝わる」ことはハードルが高く、
私たちは、挑戦も、訓練も、しないまま
諦めたくなるけれど、

ひっくりかえせば、

いまから、1ミリずつでも、
小さく・かわいく・きっちりと、
伝える訓練をしていけば、コツコツ伝わる筋肉がついて、
やがて大きなハードルを飛んで「伝わる」瞬間が訪れる。

きょうは先週の「伝えるほうが、ずっといい。」に届いた、
読者のおたよりを紹介する。

<グラグラ揺れながらの毎日>

今回の「伝える方が、ずっといい」。
今の自分にはとても重いテーマでした。

それは母が重い病気にかかり、
予後も厳しいことからきています。
私の母は現在通院治療中ですが、
後どのくらい一緒に過ごせるかはわかりません。
私は現在転職活動中で、
過去長いブランク期間があったこともあり、
母にはずっと心配かけてきました。
そこで母にも、自分に対しても
「落ち着いたらたくさん親孝行するね」と言ってきました。

正直今母がいなくなったら私は耐えられないと思います。

恐ろしい程の後悔が残ります。

「母に何一つ恩返し出来ていない」と。
友人に色々な励ましの言葉をもらいましたが、
慰めにはなりませんでした。

私は「私の意志で親孝行出来たという実感」が
欲しいのです。
ただ日頃の感謝を言葉にして伝えてはいます。
でも目に見える親孝行がしたいのに、
それは叶わないかもしれない。
そう考えると怖くてたまりません。

当たり前に続いていくと思っていた時間が、
実は当たり前ではなかったんだと
初めてリアルに感じました。

将来後悔は残るかもしれません。
それでも私には
まだ「伝える機会」はたくさん残っています。
私自身グラグラ揺れながらの毎日ですが、
母がいる時間を噛みしめ、
その時間が長く続くように祈っています。

(30代男性 yoneson)

<姉が信頼される理由>

私の姉は、感情を外に出すタイプで、
反抗期の時期なんかは親にも祖父母にも
感情で当たっていた記憶がある。

その反動もあってか、わたしは子どもながら
何も言わずにいた方がいいのかもしれないと、
自分を納得させ、自己主張を強くしなくなった。

姉は、
やりたいことは主張し、
なんとか両親を説得する、
あるいは言わずともやってしまう、
また、嫌なことは拒絶する。
はっきり主張する。

わたしは、
自己主張は弱め。
やりたいことがあっても、
親をうまく説得できるような言葉を準備できず、
反論できず、
大事なことであればあるほど
最終的に泣いてしまうことさえあった。

時が過ぎ、大人になって、姉が言った、

「お母さんのわたしへの信頼度は高いよね。」

わたしもそう実感することがある。
姉が主張なり訴えなりして、
言葉を行動にしてきたことで信頼を得たのでは。
わたしに後悔があるのかな。

自分の好きな世界観を批判されたり、
否定されたりするのは怖い。
でも、言わないことで生まれる空白に
憶測が流れていくことの方が怖い。
大事にしたい相手ならなおさらだ。

これからの時間を豊かにしていきたい。

そのために伝える鍛錬を忘れてはいけないし、
少しずつでも向上していけたらと思う。

(マー坊。)

ズーニーです。
いちばん伝えたい人に、いちばん伝えたい1つ
というと、私は、読者のこの言葉を思い出します。

「私がこの世の中で一番愛していたのは、
一番好きだったのは母だった。」

これは、
7回にわたって読者と大切な人への想いを表現しあった
「おかんの昼ごはん」シリーズ
第4回で紹介した、

22歳の大学4年生「石黒さん」の言葉です。

石黒さんは、お母さまが亡くなられて
1年たったある日、ふと、

「この世の中でいちばん愛していた。」

と気づいたと。
気づいたときは、とても悲しかったと。
たぶん生きていたときは
そんなこと絶対思わなかっただろうし、
そんなことも考えもしなかっただろうと。

私たちは、何を伝えるか、どう伝えるかで悩み、
それは良いことなんだろうけど、その前に、
石黒さんが至りついた、

「このシンプルで強い想い」

自分の根っこにもある、この想いに気づけるかどうか?
私も、この想いを見失わないように、
なんとかして伝えていかなきゃ、と思います。
最後にこのおたよりを紹介してきょうは終わろう。

<怖いを逆手にとって>

伝えないと溝が深まる。
溝が深まると相手との距離も遠くなって、
相手の声も聞こえなくなる。

相手に伝えるのも、相手から伝わるのも怖いと思う時、

それがどれぐらい怖いものなのか確かめて、
できるならそれを楽しもうと思うようにしている。
怖いもの見たさのような、ハラハラドキドキ。
お化け屋敷に入る前の
怖いけど楽しみな気持ちで挑もうと思う。
すると、案外怖くなかったりする。
溝が深まると恐怖も深まる。

(M)

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「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
題名を「山田ズーニーさんへ」として、
postman@1101.com までメールでお送りくださいね。
★仕事のご依頼はここに送らないでください。
山田ズーニーtwitter( @zoonieyamada )へお願いします。
または山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をおたずねください。

 


表現して人とつながる勇気のレッスン!



『理解という名の愛がほしい。』
河出文庫

会社を辞めた私がツラかったのは、まわりが
平日の昼間うろうろしている
無職のおばさんと見ることだった。

それまで仕事をがんばって経験を積んできた
他ならぬ私をわかってほしい。

この発想・考え・想い・感性が、
かけがえなく必要とされたい。

理解という名の愛がほしい。

「理解されたいなら、自分を表現しなきゃだめだ。」

やっとそう気づいた私は、
インターネットの大海原で
人生はじめての表現へ漕ぎ出した。


山田ズーニーワークショップ満員御礼!

いったんウェイトリストを締め切ります。

2017年6月開講したワークショップ型実践講座
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にたくさんのお申込みをありがとうございました。

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2期、3期、4期と増設するも追いつかず、
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現在までに12期分のお申込みがあり、
2年待ち以上の方が出てくる見込みが強くなりました。

責任を持って対応するため、
ここでいったんウェイトリストを締め切ります。

言葉の表現力をつけたいと
申し込んでくださった方々の想いを大切に
受け入れを進めてまいります。


●この講座に対するすべてのお問い合わせはこちらへ。

お問い合わせ先 
毎日文化センター東京 TEL03-3213-4768

http://www.mainichi-ks.co.jp/m-culture/each.html?id=491

2018年以降、東京開催、詳細未定、1年待ち。

*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。


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そのことにより、納得のいく選択ができるようになり、
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山田ズーニーワークショップ型実践講座、
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「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
題名を「山田ズーニーさんへ」として、
postman@1101.comまでメールでお送りくださいね。

注:講演など仕事の依頼メールは、
上記アドレスに送らないでください。
山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)に
直接ご連絡いただくか、
山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をお問い合わせのうえで、
ご依頼くださいますようおねがいします。


★出演情報などお知らせのあるときは
 山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)にも掲載します。



『半年で職場の星になる!
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 ちくま文庫

あなたが職場の星になる!コミュニケーション術の決定版。
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わかりやすい報告・説明・指示の仕方、
職場の文書を「読む技術」、社会人としてメールを「書く技術」。
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人を動かし現場でリーダーシップを発揮する表現力から、
やる気が湧き・上司もうなる目標の立て方まで。
この1冊で仕事のフィールドで通じ合い、チームで成果を出していける!
自由はここにある!


ラジオで、山田ズーニーが、
『おかんの昼ごはん』について話しました!

録音版をぜひお聞きください。
「ラジオ版学問ノススメ」(2012年12月30日~)
 インターネット環境があれば、だれでもどこからでも
 無料で聴けます

 聴取サイトは、http://www.jfn.co.jp/susume/
 (MP3ダウンロードのボタンをクリックしてください)
 または、iTunesからのダウンロードとなります。


ほんとうにおかげさまで本になりました!
ありがとうございます!


『おかんの昼ごはん』河出書房新社
「親の老い」への哀しみをどう表現していいかわからない
私のような人は多いと思います。
読者と表現しあったこの本は、思い切り泣けたあと、
胸の奥が温かくなり、自分の進む道が見えてきます。
この本が出来上がったとき、おもわず本におじぎをし、
想いがこみ上げいつまでもいつまでも本に頭をさげていました。
大切な人への愛から生まれ、その先へ歩き出すための一冊です。



『「働きたくない」というあなたへ』河出書房新社
「あなたは社会に必要だ!」
ネットで大反響を巻き起こした、おとなの本気の仕事論。
あなたの“へその緒”が社会とつながる!



『新人諸君、半年黙って仕事せよ』
―フレッシュマンのためのコミュニケーション講座(筑摩書房)
私は新人に、「だいじょうぶだ」と伝えたい。
「あなたには、コミュニケーション力がある」と。
            ――山田ズーニー。



『人とつながる表現教室。』河出書房新社
おかげさまで「おとなの小論文教室。II」が文庫化されました!
文庫のために、「理解という名の愛がほしい」から改題し、
文庫オリジナルのあとがきも掲載しています。
山田はこれまで出したすべての本の中でこの本が最も好きです。



『おとなの進路教室。』河出書房新社
「自分らしい選択をしたい」とき、
「自分はこれでいいのか」がよぎるとき、
自分の考えのありかに気づかせてくれる一冊。
「おとなの小論文教室。」で
7年にわたり読者と響きあうようにして書かれた連載から
自分らしい進路を切りひらくをテーマに
選りすぐって再編集!



▲文庫版でました!
 あなたの表現がここからはじまる!

『おとなの小論文教室。』 (河出文庫)


ラジオ「おとなの進路教室。」
http://www.jfn.co.jp/otona/

おとなになっても進路に悩む。
就職、転職、結婚、退職……。
この番組では、
多彩なゲストを呼んで、「おとなの進路」を考える。
すでに成功してしまった人の
ありがたい話を聞くのではない。
まさに今、自分を生きようと
もがいている人の、現在進行形の悩み、
問題意識、ブレイクスルーの鍵を
聞くところに面白さがある。
インターネット、
ポッドキャスティングのラジオ番組です。



「依頼文」や「おわび状」も、就活の自己PRも
このシートを使えば言いたいことが書ける!
相手に通じる文章になる!

『考えるシート』文庫版、出ました。



『話すチカラをつくる本』
三笠書房

NHK教育テレビのテキストが文庫になりました!
いまさら聞けないコミュニケーションの基礎が
いちからわかるやさしい入門書。



『文庫版『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
ちくま文庫

自分の想いがうまく相手に伝わらないと悩むときに、
ワンコインで手にする「通じ合う歓び」のコミュニケーション術!


『17歳は2回くる―おとなの小論文教室。III』
河出書房新社


『理解という名の愛が欲しいーおとなの小論文教室。II』
河出書房新社


『おとなの小論文教室。』
河出書房新社


『考えるシート』講談社


『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
筑摩書房



『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
PHP新書

内容紹介(PHP新書リードより)
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、
私たちは日々、文章を書いている。
どんな小さなメモにも、
読み手がいて、目指す結果がある。
どうしたら誤解されずに想いを伝え、
読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?
自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、
心を揺さぶる表現の技術。
(書き下ろし236ページ)



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