もくじ
第0回プロローグ 行政文書保全指導員になるまで。 2016-06-28-Tue
第1回「指導・助言」とは、できるように考えること。 2016-06-28-Tue
第2回無理をしないかたちで、どうやるか。 2016-06-28-Tue
第3回今を未来に伝えるために。 2016-06-28-Tue
第4回地域の資料を守る仲間をふやしたい。 2016-06-28-Tue

ことばに込められた思いをどのように残していくのかに関心があります。
多くの人に伝わる表現方法をまなび、
自分の伝え方をみつめなおしたく、塾に参加しました。

防塵マスクや刷毛などの、資料レスキューグッズは、
すぐ手の届くところに、まとまっています。

未来に伝えるために。
地域資料保全に挑む。

担当・uno

第3回 今を未来に伝えるために。

じぶんの活動には、2種類ある。
1つは、常総市などで行っている、
被災した資料を復旧する作業、
もう1つは、日々の中で、
資料を伝えていく活動、と、
林さんは言います。

被災した資料を復旧する活動は、
21年前の阪神・淡路大震災以降に関わりだし、
東日本大震災後の一番忙しかった時は、
自宅と岩手を月2回往復していたとのこと。

その間をぬって、
自治体立の資料館で古文書の整理を行ったり、
古文書サークルなどでの講師をされたりしています。
古文書サークルの講師は、長いところでは、
30年以上行っているところもあるそうです。

具体的な活動内容は、ちがいはありますが、
活動の根っこは同じなのだと、
お話を聞いていて思いました。
それは、
「いつまでたっても、同じものが見られるのが一番いい」
ということです。

実際には、資料が作成された目的によって、
公開できる範囲を限らざるをえなかったり、
とても劣化している資料は、デジタル化を行って、
デジタルデータで見ていかざるをえなかったりします。
そのような個々の事情はあるにせよ、
「資料を多くの人に見てもらいたい、
 知ってもらいたい。
 その、多くの人というのは、
 今の人だけではなく、将来の人もふくんでいます。」
そういう思いがあって、
そのためにできることをしていることが、
2種類の活動として示されているのでしょう。

活動を通して、やりたいことは、
「今を未来に伝えること」。
その内容を、こう説明してくださいました。
「『今』を伝えるってどういうことなのか。
 今の写真を撮ったりして伝えることを
 どうしても思い浮かべるけれども、
 そうじゃなくて、
 今伝わってきている過去を含めて、
 将来に伝えていくことをしたい。

 過去の人が伝えてきていることが、
 かたちになって残っているものが、たくさんあるよね。
 そういったものが未来に伝わらずに、今、消えてしまう。
 災害はその一例だよね。
 資料が被災することで、ごみとして捨てられてしまう。
 少しでもそういうことがないようにするために、
 被災した資料をそれ以上悪くならないようにして、
 消えてしまうことがないようにしたい。」

それ以上悪くならないようにした後、
どうするかは、資料を伝える人の考え方によるけれどもね。
と言う林さんは、
「今を未来に伝えるために」と折にふれて発信しています。

(つづきます)

第4回 地域の資料を守る仲間をふやしたい。