「今を未来に伝えるために」、
林さんは、被災した資料の復旧をしたり、
地域の資料を整理し、その内容を伝えたりしています。
その活動は、どのように継続していくのでしょうか?
常総市行政文書保全指導員としては、
「単純に、被災した行政文書を復旧することが
求められているのではなくて、
被災したことによって失われてしまう可能性のある
地域の資料や文化財をどう残していけるのか。
また、今後新しく作られていく行政文書などを
どう活用し、残していくのか。
こういったことを総合的に考えていくための
指導・助言をしていくべき」だと考えているそうです。
それぞれの地域で残されてきた資料を将来に伝える作業。
世の中のすべての資料に、
主体者として関わることはできません。
「主体者というのは、資料を継続的に、
日常的に管理していく人になるかと思う。
常総市では、今年の1月から、
行政文書保全指導員になったので、そこからは
主体者側の一員として関わっているけれども、
すべての場でそうはなれないよね。
直接資料を持っていなくても、
資料を持っている主体と一緒に、
個人のお宅にある古文書をどう残していこうかとか、
そういうことを主体的に考えることはできる。
だから、自分で直接的に守れるわけじゃないけれども、
守る人と一緒に守っていきたい。」
感覚的なこともあるので、
なかなかことばにしにくいけれどもね。
そういいながら、ちょっと照れたように笑っていました。
そのような活動があり、
時間やお金など、自分の身の丈の中でかけられるならば、
まずは活動してみる。
そうやって、一緒に守る活動を積み重ねた結果、
日常を2種類の活動を行うことで過ごし、
経済的な糧を得る、今の生活となったそうです。
2016年3月に策定された
『常総市復興計画』には、
行政文書と民間資料をともに、
未来を考える資料として活用していくことが記されました。
常総市役所での作業は、
2017年9月まで続く予定だそうです。
随時、見学等も受け入れており
(詳細は常総市総務課へお問い合わせください)、
水損文書の復元作業とともに、
どのような作業を行ってきたのかという、
今のとりくみを未来に伝えることが行われています。
(おわります)