もくじ
第1回マラソンのあとに食べたじゃがバタ 2016-06-28-Tue
第2回ベルリンの屋台で食べたカレーソーセージ 2016-06-28-Tue
第3回びしょ濡れのフジロックで食べたみそしる 2016-06-28-Tue
第4回スキー場で食べた冷たい筋子のおにぎり 2016-06-28-Tue
第5回風邪のときのりんごのおかゆ 2016-06-28-Tue

おいしい状況

担当・永野広志

第2回 ベルリンの屋台で食べたカレーソーセージ

2003年8月にベルリンの屋台で食べた、
curry wurst (カレー味のソーセージ)です。

“Mein spezielle!”
「私の特別メニューなのよ」
と、言って、オニオンスライスも
サービスしてもらいました。
言葉は完璧には通じなくても、
親切にしたいという気持ちは国を超えるんだなと、
おばちゃんの優しさに感動しました。

(Tさん)
 

海外という非日常で
人のやさしさに触れた瞬間。
想像しただけでほっとしますね。
いつもと違う環境も、
おいしさを際立たせる要素なのかも。
続いて、海外の「おいしい状況」を
紹介します。
 
 

マラケシュで食べたビシャビシャのクスクス

22歳の頃、一人旅をしていて、
ラマダン中のモロッコに行きました。
電車かバスに揺られて到着した
マラケシュのエルジャミフナ広場。
日が暮れ、賑やかな広場にあった
豚の顔とかがぶら下がる屋台で
ビシャビシャのクスクスを注文して食べたところ、
当時も今も人生で一番美味い!
と感じる食事になりました。
帰国後、何度か日本でクスクスを食べたけど、
一度もピンときたことがありません。
空腹、ガヤガヤした雰囲気、ビシャビシャご飯、
いま思えば自分が好きなものが
コンボで揃ってたんだなと思います。

(Yさん)
 

屋台で食べるとおいしいっていうのも
なんだかわかります。
海の家の焼きそばとかも
そうですよね。

 

モンゴルの砂漠で食べた羊肉

4月か5月の肌寒いモンゴルの砂漠。
星空の下で食べた、羊肉の串焼きです。
外で羊を焼いてたら、
近所の現地人が集まってきて、
だいたい15人くらいになりました。
現地人は現地の歌、
日本人は日本の歌を歌っていて、
言葉はわからないんだけど、
ずっと笑ってました。
我々は炭坑節とか北国の春を歌ってました。
50度の火酒の熱いのどごしが
肉の味をさらに引き立てて、
おいしかったです。

(Hさん)
 

なんだか寺山修司の世界観のような
不思議な体験ですよね。
みんなが集まって仲良くなったときに
食べていたものって、
おいしい記憶として、残りやすいのかも。

 

甘すぎるエチオピアのコーヒー

エチオピアのグンダグンド村で飲んだコーヒーです。
大学2年の春、建築学科だったぼくたちは
エチオピアのグンダグンド村での教会実測を終え、
人里に帰る途中でした。
ところが、荷物や食べ物、水分源である
オレンジを積んでいたロバとロバ使いと
はぐれてしまい、命の危険さえ感じていました。
そんなところにたまたま通りかかった村人に、
話しかけると、近くの小屋に招きいれて、
コーヒーをふるまってくれました。
エチオピアコーヒーは砂糖をたくさん入れるので、
日本だと甘すぎるくらいなんですが、
当時は死ぬかと思うくらいヘトヘトだったので、
その甘さがちょうどよく感じました。

(Nさん)

 

日本ではそうでもなくても、
海外で食べるとおいしく感じる。
屋外で食べるとおいしく感じる。
まさに、状況がおいしくする例でした。
そこでしか食べられないものっていうのも
大きなポイントかもしれません。

(つづきます)

第3回 びしょ濡れのフジロックで食べたみそしる