もくじ
第1回マラソンのあとに食べたじゃがバタ 2016-06-28-Tue
第2回ベルリンの屋台で食べたカレーソーセージ 2016-06-28-Tue
第3回びしょ濡れのフジロックで食べたみそしる 2016-06-28-Tue
第4回スキー場で食べた冷たい筋子のおにぎり 2016-06-28-Tue
第5回風邪のときのりんごのおかゆ 2016-06-28-Tue

おいしい状況

担当・永野広志

第3回 びしょ濡れのフジロックで食べたみそしる



10年前くらいのフジロックで食べたみそしるです。
雨にふられてびしょ濡れになり、
車に戻ってもほかのメンバーは
グリーンステージに行ってて鍵は無し。
簡易テントで震えてたら後輩が来てくれて、
わかめと油揚げのみそしるを渡してくれました。
パンツ一丁で、歯をガチガチ言わせながら
みそしるを体に注ぎ込んだ時、
「熱量」って言葉の
ほんとうの意味を知りました。

(Tさん)
 

命の危険を感じたときに食べたものって
一生忘れられないでしょうね。
夏フェスやキャンプといった、
自然の中だと、そういう状況も
多くなるのかも。
次も同じく夏フェスでのできごとです。

 

毛布にくるまって食べたセイコーマートのかつ丼

18年前の夏、北海道のロックフェス
「ライジングサン・ロックフェスティバル」でのこと。
半袖ハーフパンツといった格好で
バイト仲間たち4人で参加したところ、
海風に体温を奪われ、死にかけの状態に。
会場そばのコンビニ「セイコーマート」へ走り、
かつ丼4つを買い込んで毛布にくるまりながら食べました。
食べた瞬間に体内でエネルギーになるのがわかったというか、
内側から熱が起こるような感覚になり、なんとか生き返りました。
空腹は最高の調味料といいますが、
寒さもおいしさを加速させる要因に加えていい気がします。
(毛ガニさん)

 
もうすっかり一般化した夏フェスですが、
相手は大自然。少しの準備不足で
あっというまに体調を崩してしまうんですね。
次も、命の危険を伴う、おいしい状況の話です。
 

富士山で食べたおしるこ

三年前の富士登山で食べたおしるこです。
夜の12時に7合目の山小屋を出発し、
ヘッドライトの明かりを頼りに黙々と登り続けて、
8合目の山小屋にたどり着きました。
寒さに震えながら食べた
おしるこの暖かさが身にしみました。

(Mさん)
 

富士山で食べた真っ赤なウインナー

婚姻届を出したばかりの夫婦で
初めての富士登山に挑んだのですが、
雨と霧の中、景色も楽しめず
苦行としか思えない状況でした。
ようやく8合目の山小屋にたどり着いたんですが、
そこで食べられるご飯は具無しのカレー弁当と
添加物がたくさん入っていそうな真っ赤なウインナーのみ。
普段であれば絶対に食べないであろう真っ赤なウインナーを
葛藤の末、食べてみたところ、
悔しいんですが、かなりおいしかったです。

(Mさん)
 

富士山で食べたカロリーメイト

去年の夏富士山に登りまして、
7合目過ぎた所で高山病にかかりました。
休み休み歩いている間に夜が明けて。
朝日を拝んだ時に強烈に「生還!」って思ったんですよ。
日が昇ると急に気温も上がってきますし。
どうにか何か食べられそうだと思って、
持ってきたカロリーメイト(チョコレート味)を食べた時に、
ああ命の味がするって思いました。

(Mさん)
 

実は今回、富士山に関するお話が
いちばん多かったんです。
日本において、いちばん身近で、
命の危険を感じられる場所といえば、
富士山なんでしょうか。

ちなみにぼくも富士山の山頂で
低体温症になったことがありましたが、
太陽を浴びたときに、生きかえった!
と感じました。
山頂の自販機の400円くらいする
あったか〜いコーヒーも
おいしかったなあ。

(つづきます)

第4回 スキー場で食べた冷たい筋子のおにぎり