- まーさー
- こうやってしゃべってるときに、
いろいろなんかでるな、いつも。 - ふーみー
- そうだね、確かに。
- まーさー
- これはでも、大人になってからだな。
理論言語学やってたときは、一人の世界でやってた。
論文を人と一緒に書くのはおもしろいと思ってたけど、
考えるときは一人だったかも。 - ふーみー
- でもでも、一人の時間もあるから、
こうやって話したその後に、
自分の中で熟成しとけるんじゃない? - まーさー
- ああ、そっか。
- ふーみー
- で、その後にみんなに自分の考えを、
こうやって会った時に話す、
みたいなことがいっぱいあるんじゃない?たぶん。 - ゆりえー
- ふむ。
- まーさー
- ふむふむ。
- ふーみー
- いつもこうやって話すっていうより、
一人の時間もないかな。 - まーさー
- 論文のときはね、理論言語学やってたときは、
一人で考えるのが先で、その後人にしゃべって、
っていうこの順番でセットだった。
だけど、今は逆かな。 - ゆりふみ
- ふんふん。
- まーさー
- 今は、しゃべってるところで考え付いたことを、
帰って一人で考えて、っていう順番かな。 - ふーみー
- 大人になった(笑)、大人になったよ。
- ゆりえー
- (笑)
- まーさー
- ほんとだね。
人から学ぶという姿勢が身についている。 - ふーみー
- 素晴らしい(笑)
- まーさー
- 昔はもう人のことなんか信じてなかったんだ。
- ゆりえー
- ははは。
- ふーみー
- とがってたとがってた(笑)
ははは。 - ゆりえー
- どんだけ斜めだった。
- ふーみー
- でも、そうだよね。
若いときって、オレがオレがみたいな、
そういうのがやっぱり先にでちゃって。 - まーさー
- そうねー。
こういう感じで楽しめるようになったのは、
いつからとか、そういう努力をしたんだろうか、
わたしたち。 - ゆりふみ
- ふむ。
- まーさー
- 最初っからこうだったのか、
こうなりたくてなったのか、
なろうとしてなったのか、
たまたまなったのかっていうのは? - ふーみー
- なんでこんな感じになったのか。
- まーさー
- なんかね、人にそう聞かれて僕が考えたのは、
あ、その聞いた人はね、
ナチュラルボーンだと思ってたらしいの、
こういう人たちって。
でも僕は、アメリカに行ってたときに、
訓練して人としゃべる能力が身についたな。 - ゆりふみ
- はーん。
- まーさー
- パーティいっぱいあるのよ。
でも最初は、知らない人に何も興味ないし、
とか思ってた。 - ふーみー
- 雑談とかから始めないといけないもんね。
- まーさー
- でもそういうのやんないと生きていけないからさ。
- ふーみー
- そうだね。
- ゆりえー
- 確かに。
- まーさー
- 学会の懇親会とかだと、そこは輪を広げるチャンスだから。
- ふーみー
- 社交だ社交、確かに。
- まーさー
- そう、もう、血のにじむような努力を…。
- ふーみー
- 血のにじむような(笑)、そんなに?
えー似合わねぇー。 - まーさー
- だってさ、そんな小生意気なとんがってたやつがさ。
- ふーみー
- 血のにじむような?
バレエのピルエット100回みたいな(笑) - まーさー
- 大学院のときの先生が、めちゃめちゃ人に好かれる人で、
それを見てって学んだのかな。
ほんとに具体的に、どういう会話をしているのかとか、
どういうことを聞いてるのかとか。 - ゆりえー
- はあ。
- まーさー
- それで、今こんなふうに。
オレ今は人当たりいい…よね、たぶん。 - ゆりえー
- とてもいいと思う。
- ふーみー
- うんうん。
- まーさー
- これは、努力の結果です。
- ふーみー
- あ、そうなんですか。
じゃ、ちょっと10年前とかにお会いしてたらですね、
「ふん」みたいな。 - まーさー
- 10年前とかはね、たぶんもう…
全員関係ない人と思ってただろうね。 - ゆりふみ
- あー。
- ふーみー
- 自分とジャンルも違うし。
- まーさー
- そうだね。
- ふーみー
- じゃ、アメリカでもまれたってことか。
確かに、全然違うところ、
自分のこれまでのいろんなものが、
まったく役に立たないところに行くと。
わかりやすいよね、海外に行くっていうのは。 - まーさー
- イタリア行ったとき思った?
- ふーみー
- ほぼ赤ちゃんと一緒だから(笑)。
- まーさー
- 赤ちゃんだったね、わたしたち(笑)。
- ふーみー
- そうそうそうそう、赤ちゃんで。
まわりのことばもね、イタリア語で。
一応勉強もしてったけど全然しゃべれないし、
赤ちゃん扱いみたいなのもされるし。
やっぱり大人扱いされないしね。 - ゆりえー
- あー。
- ふーみー
- そういう、ちょっと悲しい思いをしたりとか、
でもものすごくいいコミュニケーション
取れる瞬間とかもあるし。
でもやっぱり行ったからには生き残らないといけないので。 - まーさー
- そうそう、切実だよね。
- ふーみー
- 無理やりにでも、泳ぐ力を身に着ける、みたいな。
- まーさー
- それまでは、ツンツンしてたの?
- ふーみー
- いや、ツンツンはしてないけど、
たぶん学生のときってみんなそういうところあると思うけど、
うん、生意気だった、すごく、心の中でね。
- ゆりえー
- たぶん、他にも身に着けたものは、スピード感…
あたしたちのスピード感があってるからいいんだと思う。 - ふーみー
- やーちょっと上げていかないとですね(笑)。
夏には、上げていきます、スピード。 - ゆりえー
- いやいや、そういう意味じゃなくて、
みんな住む場所とか仕事とか、動いてる期間がほぼ一緒。
これまでの転々としてる感じ。
あたしたちね、一年とか、二、三年で動いてきた。 - まーさー
- ああ、そういうところから僕らの同じようなスピード感が。
- ふーみー
- あーなるほどー。
- ゆりえー
- そのなんかこう、「ちょっと待って」感とかこう…
- ふーみー
- フラフラ感(笑)
- ゆりえー
- フラフラ感がないっていうか。
- まーさー
- はーん。
そのせいでほいほいやってるように見えるだけかもね。 - ふーみー
- はーん。
- ゆりえー
- かもねー。
- まーさー
- 普通の人は何年かかけるところを、「よっ」て。
- ゆりえー
- とりあえずやってみようかみたいな。
- まーさー
- そう、やらないとさ、それで失敗してないと、
どうやってよくしたらいいかとか、
わかんない気がすんだよね。 - ゆりえー
- わかんない。
- ふーみー
- そうだよね、うん。
- ゆりえー
- 頭の中でもやもやしてても。
- まーさー
- とりあえずかたちにしてしまう
っていうのがあるのかな。
僕らみんなそんな感じでやってんのかな。 - ふーみー
- やっとかないとね、すぐ一年終わっちゃうし。
- ゆりえー
- やってみないと、
それについてどういうことかっていうことを、
話すことができない。 - まーさー
- そりゃあそうだな。
それに、僕はそれが、あんまり苦じゃないかな。 - ゆりえー
- うん、楽しい。
- ふーみー
- だってもう、楽しいことしかしてないもん。
- まーさー
- ほんとにね(笑)
- ふーみー
- 楽しいことが好き、みんな。
- ゆりえー
- 楽しいことが好き。
- ふーみー
- 楽しいことしかしたくない(笑)
- ゆりえー
- (笑)
- まーさー
- そうだよね、そう言われるとさ、
これやった方がいいかもなって思っても、
楽しくないことはやってないもんね。 - ふーみー
- やってないと思う。
- ゆりえー
- やってない。
- ふーみー
- 楽しくないと思ったらね、もうたぶん…。
- ゆりえー
- なんか必要だろうなと思っても、やってない。
- まーさー
- 論文書くとかな(笑)。論文書け、オレ(笑)。
- ふーみー
- いやいやいやいや(笑)
- ゆりえー
- 書いてる書いてる(笑)
- ふーみー
- それはけっこう共通してるかも。
みんな無理しない。
やなことやってないもんね。 - まーさー
- …そりゃあうまくできるよ。
- ふーみー
- うん、だってまったくこのプロジェクトとか、
ストレスがないもん。
しなければならないみたいなのが一切ないから。 - まーさー
- 研究助成金もけっこうもらってるから、
責任とかもあんのにね。
とりあえずやってみてうまくいかなくても、
楽しくやれることだから数打てて…。 - ゆりえー
- なんだかんだあっても、ちゃんとかたちにしてる。
- まーさー
- 締切とかもけっこうあんのにね。
- ゆりえー
- 締切あっても、それを締め切りと思ってないの。
それまでにやらなきゃいけないっていう感じよりは、
そうだ、いつまでだから、今やっとこうとか。 - まーさー
- ふむ。
- ゆりえー
- 今手空いたからやっちゃおうとか。
今つくってるウェブがまさにそう。 - まーさー
- ふむふむ。
みんなそれぞれ忙しいからさ、優先順位つけるじゃん。 - ふーみー
- うんうん。
- まーさー
- そんときに、けっこう上に上げちゃうんじゃない?
港のことは。 - ゆりえー
- 楽しいから。
- まーさー
- そう(笑)、楽しいからさ、上げちゃうんだよ。
- ふーみー
- ほんと楽しい。
- ゆりえー
- 楽しくないことは下げがち。
- まーさー
- まあほんとの仕事だったら、
下げるにも限度があるけど。
自然にやっちゃうことが、
そのままできてるのかな、港では。 - ゆりえー
- そういうことなんじゃないかなー。
- ふーみー
- なるほどー。
- まーさー
- なるほどねー。
よかったね、みんな似てる感じで、そういうところが。 - ふーみー
- たまたま。ご縁ですね。
- まーさー
- じゃあそういうことで、そろそろ、その、
今最も楽しいと思われることを… - ゆりえー
- いっぱいしゃべったし、冷えたやつをね。
- ふーみー
- 喉をうるおしながらね。
それでまた楽しいこと考え出しましょうか。
おしまいです。
「言語復興の港」のようすは、
これからもウェブページで発信していきます。
まだできたてほやほやですが、少しずつ、楽しいことを。
取材場所を提供してくださった、
キッチンノリタ(京都・麩屋町三条下ル)さん、
ありがとうございました!