- 古賀
- 吉本隆明さんだったり、あるいは矢沢永吉さんだったり、
糸井さんの中でのヒーローみたいな人達がいて、
その出版のお手伝いとか、されてきたわけじゃないですか。 - 糸井
- ああ。そうですね。
- 古賀
- そのときの糸井さんの気持ちっていうのは、
俺が前に出る、というよりも、やっぱり
「この人の言葉を聞いてくれ」みたいな感じなんですよね。 - 糸井
- 「僕はとっても驚いたよ」とか、
「僕はとってもいいなと思ったよ」とか、
間接話法で僕の本になるんですよね。
だから自分を前に出す必要は全くなくて。
美味しいリンゴ売ってる八百屋は、いい八百屋で、
そういう八百屋から買ってくれる人がいたら、
またいいリンゴ売れるじゃないですか。
「リンゴ、あんまり買ってもらえないから、
作るのやめようと思うんだよね」っていう人に、
「まあまあ、待て待て」、
「俺売るから、ちょっと作ってよ」って(笑)
- 古賀
- はい。
- 糸井
- 具体的に、うちで売ってる海苔とかそうだからね。
つくりたいのは、
その、いいものが売れる商売の仕組みですよね。 - 古賀
- うんうんうん。
- 糸井
- 古賀さんも、そういえば、そういう仕事してますね。
- 古賀
- そうですね。はい。
糸井さんが、『成りあがり』とかでやったことが、
今『ほぼ日』の中で毎日のように
できてるんじゃないのかなと思うんですよね。
こんな面白い人がいるから、
ちょっと対談して、この人を紹介したいなとか、
あとは、TOBICHIで、その人の展覧会を開いてとか、
そういう・・・・ - 糸井
- 場所作り。
- 古賀
- 場所を作って、その人達を紹介していく。
それが、僕が今やりたいこととすごく重なる部分があって。 - 糸井
- うん。
- 古賀
- 『ほぼ日』って、糸井さんが、
俺が俺がって前に出てる場所では、ないじゃないですか。
こんな面白い人がいてねっていう場所になってて。
その姿勢というのは、
成りあがりの頃から一貫してるのかなという。 - 糸井
- あの、
「あなたには目立ちたいってことはないんですか?」
って聞かれたら、
「ものすごくありますよ」
って言うんじゃないですかね。 - 古賀
- あ、そうですか。
- 糸井
- ただそれはどういう種類のものなんでしょうねと言うと、
「いや、いいかも、要らないかも」(笑)っていう。
- 古賀
- (笑)
- 糸井
- でも、浅いところでは目立ちたがりですよ、僕、たぶん。
で、ちょっとだけ掘るだけで急にどうでもよくなりますね。
(続きます)