もくじ
第1回牛との出会い 2016-12-06-Tue
第2回からだの疲れに赤身肉 2016-12-06-Tue
第3回疲れた心に、こってり和牛 2016-12-06-Tue
第4回コマ切れ肉で、甘やかす 2016-12-06-Tue
第5回牛ミンチで、ほっこり一息 2016-12-06-Tue

夏はキライだけど
海が大好きな湘南産コピーライター。
牛肉と散歩が元気の源です。

今日は、牛肉にしよう。

今日は、牛肉にしよう。

担当・たかしち

第3回 疲れた心に、こってり和牛

その日はとても落ち込んでいました。
ミスに次ぐミス、修正に次ぐ修正。
すれ違うやりとり。いつ電話しても席外し。
何をやってもダメな日とは、まさにこんな日のことでしょう。
上司からの長時間のお叱りをたっぷりこってりいただき、
仕事を終える頃には精神力を使い果たしたわたしは、
意気消沈そのもの。
いくつになっても落ち込むものは落ち込むのです。
はぁ、なにかおいしいもの食べて帰りたいな。
けれど、もうこんな時間。
お気に入りのお店はとっくに閉まっています。
このまま帰って明日を迎えても、きっと気力は戻りません。
よし、こんな日は牛肉にしよう。

閉店間近のスーパーに駆け込み、手に入れたのは
こちらのお肉です。

やったー!
鉄板焼き屋さんで食べるような、サシのたっぷり入った和牛!
いいものが安く手に入りました。早く食べたい。
帰路を急ぎます。

前回と同様に、しばらく室温にさらしたら、
おいしく焼くための準備をしましょう。
もちろんまな板は使いません。

まず、筋切り。
きれいに、そしてやわらかく焼き上げるために、
脂身とお肉の間の繊維を包丁で切ります。

塩コショウを振るったら下準備は完了。
たっぷりサシが入っているので、
今日は牛脂を使わずに、そのまま焼きましょう。

表面に火が通るくらいを目安に裏側も焼き、側面を見て
焼いた面とレア部分がサンドイッチのようになってきたら、
加熱完了。
食べやすく切り分けてお皿に盛りつけたら
今宵の晩餐、霜降り和牛のステーキの完成です。

サシがたっぷりにお肉は、驚くほどジューシー。
とろりとした肉汁が、ジュワッとあふれ出ます。
こってりお肉には、ワサビ醤油がよく合うんだなぁ。
牛の脂身って、どうしてこんなに幸せな味がするんだろう。
そういえば、牛肉には
幸せ成分と呼ばれるセロトニンを合成するトリプトファン
という栄養素がたくさん含まれているそうです。
これだけがっつり食べているんです。
明日の朝には屈強なセロトニンが
山のように生成されていることでしょう。

こってりジューシーなお肉と、
レモンが効いたハイボールの爽やかな喉越し。

はぁ最高。
おいしい牛肉に自然と笑みがこぼれ、
落ち込んだ気持ちも、いつの間にか晴れています。
人間だもの、どんな時にもミスはつきものです。
済んだミスにはクヨクヨしない。
大切なのは、繰り返さないために工夫すること!
洗い物を済ませてお風呂に入り、寝る準備を済ませたら
起きている理由はありません。
ほろ酔いでベットに飛び込んで、おやすみなさい。
明日もがんばろう。

〈つづきます〉

第4回 コマ切れ肉で、甘やかす