ママさん店主の「中華そば 向日葵」
メニューは中華そば(醤油・塩)と煮干しそば(醤油・塩)の4種類。
- ——
- ラーメンはもともと好きだったんですか?
- 大橋さん
- もちろんです、はい。
- ——
- 大橋さんとラーメンの出逢いは?
- 大橋さん
- 小さい頃から好きでしたね〜。
- ——
- 小さい頃はどんなラーメンが好きだったんですか?
- 大橋さん
- 小さいころは親に連れて行ってもらった地域のチェーン店みたいなところが好きでした。
- ——
- はい。
- 大橋さん
- 私、群馬県出身なんですけど、群馬にいっぱいあるラーメン屋さんで、そこばっかり食べてました。
- ——
- 何ていうお店なんですか?
- 大橋さん
- 「おおぎや」です。
- ——
- おおぎやって有名なんですか?
- 大橋さん
- 群馬県じゃ有名です。
- ——
- 糸井重里さんって群馬の方なんですよ。
- 大橋さん
- あ〜、そうでしたか!
- ——
- たぶんわかるかもしれませんね。昔からあるお店なんですか?
- 大橋さん
- 私が小さい頃からあるお店ですよ。
【おおぎや】
1972年創業のラーメンレストラン。現在は群馬県を中心に関東信越エリアに59店舗を構える。味噌ラーメンは今も支持率No.1の味となっている。
おおぎやHP http://www.oogiya.com
- ——
- おおぎやの何ラーメンが好きなんですか?
- 大橋さん
- 辛みそラーメンがすごい好きでした。
注)おおぎやの辛みそラーメン
(おおぎや公式HPメニューより)
- ——
- それで、大人になってからは、どんなラーメンが好きだったんですか?
- 大橋さん
- 大人になってから・・・年齢によりますよね。二十歳ぐらいの時はとんこつばっかり食べてました。
- ——
- 食べ歩きを?
- 大橋さん
-
そうですね。
群馬県もラーメンが盛んな地域で、それでラーメン本を見ては、端からまわってく、みたいな(笑)
- ——
- ひとりでですか?
- 大橋さん
- ひとりのときもあれば、友達といっしょだったり、そのときにお付き合いしてた彼氏だったり。
- ——
- 行ったお店はペンでチェックして。
- 大橋さん
- そうですね、やってましたね。
- ——
- 東京に出てきて何年くらいなんですか?
- 大橋さん
-
東京生活は・・・
アパレルの仕事で出てきてからなので7〜8年くらいですかね。
- ——
- こっちで好きなラーメン屋さんは?
- 大橋さん
- 家の近くだと、仙川にある「絢(けん)」っていうお店ですね。
- ——
-
あ〜、行ったことないです。
どんな味なんですか?
- 大橋さん
- 麺が佐野ラーメンみたいで。よくある昔の中華そばみたいな感じなんですけど、すごくおいしいです。
【麺処 絢】
住所:東京都調布市入間町3-1-1
休日:月曜&火曜
営業:11:30-14:30,17:00-21:00
注)佐野ラーメンは栃木県佐野市が発祥のご当地ラーメン。青竹打ちの多加水平打ち麺にあっさりした醤油味が特徴となっている。
絢のラーメンはご主人の母方が群馬館林のご出身で幼いころから慣れ親しんだ佐野ラーメンが味のルーツになっているとのこと。
- ——
- でも大橋さんはお店を出すにあたって、どこかのお店で修行してたんですか?
- 大橋さん
- してないです。
- ——
- 独学ですか?
- 大橋さん
-
はい、独学です。
ラーメン屋さんで働いたことは一切ないです。
- ——
- ラーメン歴は何年なんですか、そもそも?
- 大橋さん
-
何年もないです。
ラーメン屋さんで働いたことがないのでデビューって言い方をすれば、このお店のオープンがそうなります。
- ——
- じゃあ、かれこれ、半年くらい?
- 大橋さん
- そうですね。修行期間もありませんから。
- ——
- どうやって勉強したんですか?
- 大橋さん
-
しいて言うなら、主人が居酒屋をやってるので・・・
それで料理の基本みたいなのは主人に教わりました。
- ——
- 独学で開業するラーメン屋さんも今は珍しくないですけど・・・
- 大橋さん
- あとは、食べ歩いた経験値とか、作り方の本とかネットとか。いろいろ試しながらですよね〜。
- ——
- でも、お店のオープンが決まってから味を決めるまで、いろいろと準備することもあるじゃないですか。
- 大橋さん
- はい。
- ——
- そこは時間がかかったんですか?
- 大橋さん
- そうですね。ボチボチかけました。でも、まあ、一ヶ月くらいですかね。
- ——
- そうなんですか(笑)それは早いのか遅いのか(笑)
- 大橋さん
-
ん〜、どうなんでしょうか。
ただ環境に恵まれたってのはあったかもしれません。主人が飲食店をやっていたおかげで大きい鍋とかを使えたので試しやすかったのはあると思います。
- ——
- ラーメンのことなんですけど、4種類あるじゃないですか。
- 大橋さん
- はい。
- ——
-
中華そばの醤油と塩。あと、煮干しそばの醤油と塩。
お客さんにオススメしてるのはどれなんですか?
- 大橋さん
- お店としては「煮干しそばの醤油」を推してます。
- ——
- それが看板メニューなんですか。
- 大橋さん
-
ん〜、難しいところなんですよね。中華そばと二枚看板でやってるので。
どっちかって聞かれたら「煮干し」をオススメしてます。
- ——
- 向日葵のスープはどうやって作ってるんですか?
- 大橋さん
- もう、大山どりメインで。
- ——
- 麺は?
- 大橋さん
- 全粒粉の麺と低加水の麺を使ってます。
- ——
- 全粒粉の麺が「中華そば」で・・・
- ——
- 低加水の麺が「煮干しそば」に使うんですよね。
- 大橋さん
- そうです。
- ——
- それは醤油、塩、問わず?
- 大橋さん
- 問わず、です。
- ——
- それって何か理由があるんですか?
- 大橋さん
-
やっぱり、合うからですよね(笑)スープの絡みもいいですし。
「煮干しそば」と「中華そば」ってスープの味が似てるようでぜんぜん違うので・・・
「中華そば」は最初は低加水の麺を使ってたんですけど、もうちょっと「やさしい感じ」にしたいな〜と思って、途中から全粒粉に変えたんですよ。
- ——
- 8/21からですか。
- 大橋さん
- はい、そうですね。
- ——
-
あと・・・
晴れてたり、雨が降ったり、曇ったり、天気に応じて麺の加水率って変わるじゃないですか。
- 大橋さん
- そうですね。
- ——
- そういうのは何かやってるんですか。
- 大橋さん
-
うちは自家製麺じゃないので、そこまでは気にしてはいないですけど。
でも、スープも多少は水の量とか、塩分濃度とか、そういう気は使っています。
- ——
- 毎日、同じラーメンを作ることが、いちばん難しいって聞きますけど、それはどうですか?
- 大橋さん
- いや〜、それは、やってみて「ホントに難しいな」って思いました。毎日、味が違うって・・・
- ——
- 何がいちばん難しいですか?
- 大橋さん
-
なんだろう・・・
スープの出来とかも毎日違うし、これは何でそうなるんだろうって、未だに・・・
未だにっていうか、私もラーメン歴、そんなに浅いので説明が難しいんですけど・・・
- ——
- 焼豚はどうやって作ってるんですか?
- 大橋さん
-
焼豚は低音調理です。
63度のお湯で3時間。
- ——
- それ、お店でやるんですか?
- 大橋さん
-
はい。ここでやります。
タレを作って、タレに漬け込んで、ひと晩寝かせてお出ししてます。
- ——
- あの焼豚はいいですね、レア感が。
- 大橋さん
- ありがとうございます。
- ——
- レア状態で出てきて、スープに焼豚が浸ると火が通って・・・じわじわとお肉の色になっていく(笑)
- 大橋さん
- スープの熱が入りますからね。
- ——
- あれ、女性らしい演出だな〜って思ってました。
- 大橋さん
-
あ〜、ありがとうございます。
女性のお客様には特に喜んでいただけてると思います。
- ——
- 子供にもやさしいラーメンってのは、具体的にはどのへんに気を使ってるんですか?
- 大橋さん
- やっぱり「無化調」と「国産食材」、あとは「塩分濃度」とかですかね。
- 大橋さん
- 麺のかたさもホントは、やわらかくしたかったんですけど、合うのがどうしても低加水のパツパツとした麺だったので、それはちょっと妥協しちゃいました。それでも「やさしい味」に近づけたくて中華そばの方は麺を途中から「全粒粉」に変えました。
- ——
-
なるほどね〜。
けど「子供にもやさしいラーメン」っていうのは、ママさん店主ならではの発想かな〜って思います。
- 大橋さん
- 目線がそうですよね〜。
- ——
- 男性が店主では、なかなか考えつかないですよね。
- 大橋さん
-
そうかもしれませんね、確かに。
おかげさまで、赤ちゃん連れの方も増えてきました。
- ——
- 「安心して食べられる」みたいなのが広がってきたんですかね。
- 大橋さん
- そうかもしれませんね。母親としては、できれば、こういうラーメンを食べさせたいって、私自身もずっと思ってたので。
- ——
- なるほどですね。
(つづきます)